- 学長ブログ ある地方大学長のつぼやき -

三重大学長の「つぶやき」と「ぼやき」のブログです。

大不況の時こそイノベーションへの効果的な投資を!!(その1)
~三重大に医療福祉メカトロ・ロボット(オートメーション)研究センターをつくろう~

 さて、2008年もあとわずか。100年に一度という大不況の中での年越しとなり、政府も異例の財政出動をしようとしています。とにかく、ここは打つべき手を打っていただき、じっと我慢をして嵐が過ぎ去るのを待たねばなりません。

 しかし、このしんどい時期にこそ、イノベーションに対して効果的な投資を継続できるかどうかが、企業や国の将来を決定づけると言われています。資金繰りの悪化で年が越せるかどうか危ぶまれたあのGMでさえ、国の支援を求めた際に、ハイブリッド車などの研究開発投資のために資金が必要であることを、その理由にあげていましたね。トヨタが、日本のバブル崩壊後の不況で赤字が続いた時にも、ハイブリッド車の研究開発を続けていたのは有名な話です。

 今回の大不況での輸出産業の大きな打撃を招いた反省から、わが国の今後の産業構造を輸出依存から内需産業へシフトする必要があると言われていますが、医療福祉産業はその候補の一つになると思います。医療福祉産業の新たな展開のために、医療福祉のメカトロ・ロボットあるいはオートメーションを研究開発することは、今まさに求められている将来への効果的な投資になりうるのではないでしょうか?

 さて、8月29日と9月5日のブログで医療福祉関係のメカトロ・ロボット研究センターの国際連携のためにカリフォルニア大学を訪問したことを書きましたね。それに関連して12月18日に三重大でのセンター立ち上げの第一歩として、評議員の平松和政さんの同席のもとに、平井淳之さんを始めとして工学部内でメカトロ・ロボットを研究している先生がたが工学部長室に集まりました。そして、さっそくカリフォルニア大学の研究者たちとネット上(Skype)で、連携について話し合いました。

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当日のプログラム 

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 三重大の工学部では、学科や講座を横断したいろいろな“領域活動”が始まっていますが、今回、メカトロ・ロボット関係の研究をしているいろいろな学科の先生たちが、一つの“領域”として集まり、センター化に向けて動き出すことにしたのです。この“領域”を段階的に強化して、近い将来、全学的な医療福祉メカトロ・ロボット(オートメーション)センターにしようというのが目標です。

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(三重大学メカトロ・ロボットセンター立ち上げのステップアップシナリオ) 

 私の専門は医学なので、医療福祉メカトロ・ロボット(オートメーション)センター設立のためには絶対に欠かすことができない医学と工学の連携(医工連携)に、一肌脱ごうと決心しました。

 さて、この後、メカトロ・ロボットを研究している研究室の現場を見学させていただきました。その報告は次回の楽しみということにいたしましょう。