- 学長ブログ ある地方大学長のつぼやき -

三重大学長の「つぶやき」と「ぼやき」のブログです。

三重の「絆(きづな)」を広げよう
~東京三重県人会にて~

0810201.jpg  2007年度ミス日本グランプリの萩美香さん、北京五輪女子レスリング55kg級金メダリストの吉田沙保里さんという花と金を両手に、真ん中でにこにこしているのは私です。このめったにないと思われるシャッターチャンスは、10月18日に東京の八芳園で催された「第54回東京三重県人会」でめぐってきました。

 萩さん、吉田さんともに、三重大のある三重県津市の出身ですね。萩さんは2002~06年に三重大の人文学部社会科学科で学んでおられました。出演した映画が来年春に公開される予定とのことで、これからは女優の道を目指すとのことです。吉田さんは、オリンピック三連覇を目標にすると力強く宣言された後、柔道の井上康生さんの結婚式に向かわれました。

0810209.jpg  東京三重県人会は、戦時中に伊勢新聞東京支社の肝入りで結成された在京三重県人の有志の「話を聞く会」をルーツとして昭和30年に始まりました。現在の会長は(株)岡三証券グループ取締役会長の加藤精一さん、名誉会長は三重県知事の野呂昭彦さんがおつとめになっています。

 三重県知事、津市長、鈴鹿市長、名張市長、鳥羽市長、尾鷲市長をはじめとする自治体代表者、三重県選出国会議員、各学校の同窓会、企業の方々など、三重県にゆかりのある方々が500人近く参加しました。

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 まず、会長の加藤さんが挨拶されました。私なりにまとめると「今、米国発の金融危機により世界経済が減速しつつあるが、日本への影響は米欧に比して相対的に軽い。資源の乏しい我が国が目指す姿は、技術立国、観光立国であるが、両方とも三重県がその先頭に立ってきた。日本は今までのシステムを変えざるをえず、今後は、東京一極集中ではなく、地方の時代にならなければいけない。」という内容で、地域を大切にする加藤さんらしいご挨拶でした。

0810203.jpg  続いての野呂さんの挨拶は、「三重県はここ数年日本一の経済成長を遂げてきたが、今、世界恐慌前夜という状況になり、余談を許さない。成長を続けた時期に地方税収は増えたが、三位一体改革で予算は減り、自治体は苦しくなった。そのような中でも、地域の人や資源を生かして生活の質を高める「文化力」で「質の行政改革」に取り組み、今、「美(うま)し国起こし・三重」に取りくんでいる。あまりにも老朽化して、日本で最もみすぼらしい博物館になっているので、“新県立博物館”の建設が不可欠である。」という内容でした。

08102043.jpg  乾杯の後の宴席に、三重大医学部同窓会(三医会)東京支部の野嶋豊さんという方が私に挨拶にこられました。昭和20年のご入学とのことで、戦争で空襲を受けて病院が燃え、勉学に苦労されたお話などを聞かせていただきました。三重大の全学同窓会が立ち上がったことでもあり、今後、東京地区をはじめ、各地区の同窓会がますます活発になることを期待しています。

 さて、萩さん、吉田さんとともに、アーティストの大谷芳照(よしてる)さんが来賓として参加をしておられました。大谷さんは三重県鈴鹿市を拠点に活動しておられ、スヌーピー・ピーナッツキャラクターと日本の文字とを融合した作品で高い評価を得ています。ステージの上での大きな筆を使った実演は迫力のあるもので、「絆」という字を書いていただきました。この作品をどうするかということになり、急きょ野呂さんが手を挙げられて、三重県に寄贈していただくということになりました。

 

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 「東京三重県人会」に出させていただくと、三重県人もずいぶんと全国的に活躍しているんだなと、改めて認識させられます。このような活動を通じて、三重の「絆」がどんどん広がることを期待しています。

(お世話をいただいた東京三重県人会の幹事の皆さんに心から感謝をいたします。)