- 学長ブログ ある地方大学長のつぼやき -

三重大学長の「つぶやき」と「ぼやき」のブログです。

"縦(たて)のきずな"が組織の強さを維持する秘訣
~ダンス部と弓道部への学長表彰~

 10月1日にダンス部と弓道部に学長表彰を行いました。

 ダンス部は8月2~4日に開催された「第1回全日本高校・大学ダンスフェスティバル(神戸)」において、クロスカルチャーへの新しい挑戦が評価されて贈られる「神戸市長賞」を受賞しました。参加大学数は33大学で、そのうち20大学が決勝に進みました。「神戸市長賞」は実質第3位にあたる賞です。その模様は8月22日と9月13日の2回NHK教育テレビで放映され、三重大の名を全国に広めていただきました。

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NHK1.jpg  私はそのテレビ放送を見逃してしまったのですが、あとでその模様をDVDで見せていただきました。三重大ダンス部の作品は、エジプト文明を題材にし、手作りのシーソーを有効に取り入れた幻想的な創作ダンスで、プロ級と言ってもいいような出来ばえだったと思います。まさに「神戸市長賞」にふさわしいクロスカルチャーへの挑戦といえるものでした。(右の写真はNHKの放送番組より)

0810172.jpg  弓道部は、6月29日、全日本弓道連盟主催で行われた第20回全国大学弓道選抜大会において、第2位を獲得しました。会場は明治神宮内全日本弓道連盟中央道場で、全国の各地区から選抜された51大学で予選を行って、勝ち残った16チームでトーナメントを行うという方式です。東海地区では、開催される前年の東海学生弓道秋季リーグ戦で、的中率上位5大学が全国大会の予選の出場権を獲得するのですが、今回は三重大が東海地区で歴代最高の的中率を出し、1位で予選出場権を獲得したとのことです。

 部員の学生さんにお話を聞くと、ダンス部は5年前から強くなり、弓道部は4年前から強くなったとのことです。私は、いったい強くなった秘訣はなんだろうかということに興味をもって、いろいろと聞いてみました。ダンス部はOBの方々が熱心に指導してくれるから、という返事が返ってきました。弓道部は4年先輩の学年が強く、その上級生から下級生への指導が今につながっているとのことでした。

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 学生のクラブは、4年間(医学部は6年間)という限られた期間の間に、多くの場合は初心者の入学生を上級生が教えることによってレベルを高めていきます。短期間の間に激しく人が入れ替わって行きますから、上級生から下級生への技術の伝達がうまくなされないと、レベルが維持できません。逆に上級生やOBから下級生への技術の伝達の仕組みをうまく作り上げたクラブは、長年にわたってレベルを維持することができるでしょう。

 ダンス部も弓道部も、上級生やOBから下級生への “縦(たて)のきずな”がしっかりとしているからこそ、高いレベルを下の学年へ順繰りに伝えることができ、その結果良い成績につながっているのだと思います。