- 学長ブログ ある地方大学長のつぼやき -

三重大学長の「つぶやき」と「ぼやき」のブログです。

入学式~学生たちの協力による記憶に残る入学式~

画像1.jpg    4月8日に平成20年度の三重大学入学式が講堂で行われました。学部生1406名、大学院生511名、専攻科、別科、編入学生を合わせると合計で2024名の皆さんをお迎えしました。今回の入学式は私が式辞を述べる最後の三重大学の入学式となります。

   学部生の入学式は、三重大学学生歌の斉唱から始まります。学生の吹奏楽団の伴奏で、以前のブログでも紹介した学生の合唱団がステージにあがってリードします。学生歌としてはなかなかいい感じの歌だと思います。新入生には全員に歌詞カードを渡すのですが、実はその裏に、私の発案で、三重大学のミッション「三重から世界へ:地域に根差し世界に誇れる独自性豊かな教育・研究成果を生み出す。~人と自然の調和・共生の中で~」と、教育目標である4つの力「コミュニケーション力」、「感じる力」、「考える力」、「生きる力」と、PDCAサイクルと、環境活動に参加しようという学長からのメッセージを印刷していただきました。重要なことを少しでも記憶していただこうという目的です。 

   次は学長式辞です。ステージ両横の壁に私自身がパワーポイントで作ったスライドを投影しつつ式辞を述べました。しゃべるだけではなく、新入生の視覚にも訴えた方が少しでも記憶に残る確率が高まるのではないかという考えです。

   式辞の内容は、グローバルな競争社会の中で、海外の熱心な学生たちに負けないように自分自身に付加価値を身につける必要があるということ、そのためには三重大学のミッションと教育目標である4つの力が大切であることを説明しました。また、三重大学のシンボルの「三翠(さんすい)」が、キャンパスから美しい伊勢湾を臨んでの「空のみどり」、「樹のみどり」、「波のみどり」を表していることと、昨年は、学生たちが一生懸命環境活動に取り組んで、みごと環境ISOの国際認証を取得したことを紹介しました。

  画像5.jpg   さらに、今年は、藤堂高虎が津に入府して400周年にあたるので、高虎は徳川家康の参謀として幕府体制の確立に貢献するとともに、地方の国つくりに手腕を発揮したこと、また、高虎が成功した理由として、武術だけではなく、築城技術などの幅広い知識や技術、そして人間力や経営力を身につけたことを説明しました。

   1820年に第十代藩主藤堂高兌(たかさわ)が、厳しい藩の財政の中でも藩士やその子弟を教育するための藩校として「有造館」を創設し、その講堂の正門「入徳門」が、現在も津城跡に残っていること、入徳門の名前は「大学は諸学徳に入る門なり」という言葉からきていること、明治4年(1871年)に有造館は廃校となったが、その跡地に三重県師範有造学校が設立され現在の三重大学に続いていること、つまり三重大学には200年近い歴史があることを説明しました。

   次に、新入生総代の生物資源学部の学生さんによる答辞を受け、役員や学部長の皆さんを紹介し、大学生活で困ったことがあれば、遠慮なく相談をしてほしいことを伝えました。

   締めくくりは吹奏楽団によるレベルの高い奏楽の演奏があり、式としてはいったん終了しましたが、引き続いて応援団による新入生を歓迎するパフォーマンスがありました。応援団については以前のブログでも紹介しましたが、その華やかで迫力あるパフォーマンスに新入生も度肝を抜かれたのではないかと思います。

   このように、学生たちに最大限協力していただいた手作りの入学式ですが、新入生にとっては、たぶん一生忘れることのできない入学式になったのではないかと思っています。記憶に残る入学式は愛校心を形作る上での最初の一歩になると信じており、新入生の皆さんが私と同じ年頃になった時、同窓会で入学式の話に花を咲かせることを期待しています。 

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