- 学長ブログ ある地方大学長のつぼやき -

三重大学長の「つぶやき」と「ぼやき」のブログです。

古紙回収ボックスの前で記念写真
~学生たちと目指す3Rの実行~

3R1.jpg    この写真は、3日前に三重大のキャンパス内に設置された古紙回収ボックスの前で学生たちといっしょに撮った記念写真です。「三重大には今まで“ごみ箱”もなかったのか。」なんて、誤解しないでくださいね。この“ごみ箱”は私どもにとって大切な意味を持っています。

   このブログの読者の皆さんもご自宅でやっていらっしゃるように、今まで三重大でも新聞紙や雑誌などの古紙は“資源ごみ”として定期的に回収してきました。しかし、それが、いったいどのようにリサイクルされ、私どもの生活に生かされているのか、実感できなかったと思います。最近も、大手製紙会社の“再生紙”が、実は再生紙の基準を満たしていなかったことが問題となりましたね。

3R2.jpg    この古紙回収ボックスに古紙をいつでもぽんぽんとほり込んでおくと、定期的に業者が回収に来てくれて、それを、トイレットペーパーに加工し、三重大に供給してくれるという仕組みです。今後は、三重大のトイレに入るたびに、自分たちの古紙がリサイクルされていることを実感させられることになります。

   また、この古紙回収ボックスは広い三重大のキャンパス内に3か所しか置かれません。この際、各部屋で古紙をたくさんためてから一度に持ってくるよりも、むしろ、軽く手で持って運べるくらいの少量の古紙を、そのつど、このボックスに運んでいただくのがいいのではないでしょうか?そうすれば、この4月から本格的に取り組まなくてはいけない“メタボ対策”にもなります。

   ところで皆さん「3R」という言葉をご存知ですか?少しでも環境活動に関心のある人は知っていますよね。そうです、Reduce(リデュース:減らす)、 Reuse(リユース:再び使う)、 Recycle(リサイクル:再資源化)の頭文字をとった言葉ですね。

3R3.JPG    三重大では、学生さんが中心となって教職員の皆さんといっしょに一生懸命環境活動に取り組み、昨年、環境ISO14001の認証を取得したことは以前のブログでも書きました。3Rの最初の「リデュース」活動については、生協さんの全面的なご協力のもとでレジ袋の有料化に取り組み、レジ袋の使用量は96%も減少しました。2番目の「リユース」活動については、学内の放置自転車420台のうち140台を再利用する仕組みを作り、今年の新入生に42台の中古自転車を譲り渡すことができました。

   そして、3Rの3つめの「リサイクル」活動が、今回の古紙回収ボックスの設置です。3日前に置いたばかりのボックスはすでに古紙で満杯となりました。これで、3Rのすべてについて三重大は具体的な活動を実行したことになります。

   何事においても、掛け声や“キャッチ・フレーズ”を叫んだり、組織の理念・目的を掲げることは簡単なのですが、それを、具体的な行動として実行することは、実はなかなかたいへんなことなのです。環境活動で「3R」という言葉を掲げたら、社是として「お客様の目線に立ったサービスを提供する」と掲げたら、あるいは、大学の教育目標として「感じる力」「考える力」「生きる力」「コミュニケーション力」と掲げたら、それを実際の日々の行動として一つひとつ実行に移せるかどうかは、組織のマネジメント力を反映する重要な要素であると思っています。 3R4.jpg

[3R推進マイスターについて]
皆さんは「3R(スリーアール)推進マイスター」という方々をご存じでしょうか?これは、「容器包装リサイクル法」において、「環境大臣は、容器包装廃棄物の排出を抑制するための活動の推進に熱意と識見を有する者のうちから、容器包装廃棄物排出抑制推進員を委嘱することができる。」と定められていますが、この「容器包装廃棄物排出抑制推進員」という難しい呼び名の愛称が「3R推進マイスター」なのです。平成19年に全国で69名の方々に委嘱されましたが、三重県では、三重大学人文学部の朴恵淑教授に委嘱されました。