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【国際交流センター主催】国連創設75周年記念 in 三重大学 根本かおる氏(国連広報センター所長)講演会を開催しました。

2020年12月14日

国際交流センターは、12/3(木)16時20分から18時まで、国連創設75周年記念 in 三重大学「未来を創るのは, 私たちだ。」をWebinarで開催しました。国連が掲げるSDGs(持続可能な開発と課題)の理解と推進を目的とした事業に、本学の学生と教職員を中心に、国内外から200名を超える方々の参加がありました。

講演者である、国連広報センター所長の根本かおる氏は、東京大学法学部を卒業後、テレビ朝日でアナウンサー、記者として活躍された後、コロンビア大学大学院(国際関係論)へ進学、在学中に国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のインターンを経験されたこともあり、マスコミから国連機関の世界に転身されました。

金子学長補佐による司会で幕が開け、吉松国際担当副学長より、「三重大学とそのゴール」として、本学が取り組んでいる教育プログラムの概要と特色、環境先進大学として推進してきたSciLets(科学的地域環境人材育成事業)、そしてSDGsにおける各項目の貢献度をあらわす「THE大学インパクトランキング」にて2年連続国内1位に輝いていること等、について説明がありました。


続いて、「SDGsを羅針盤に、世界を転換する~ SDGsを自分事に、あなたもチェンジメーカーに~」のタイトルで、根本所長の講演がスタート。

まず、SDGsが危機感をもって、全ての国連加盟国により採択された経緯について説明されました。宇宙から帰還した宇宙飛行士が皆口を揃えて語るのは、地球は「一つの家」であって、「尊い家のように守られなければならない」ものであると。

「SDGsのウェディングケーキ」と呼ばれる図を紹介しながら、大原則である「誰1人残さない」という包摂性やすべての課題を貫くパートナーシップについて語られた後、2015年の国連サミットで女子教育と平和の重要性を訴えるパキスタンのマララ・ユスフザイさん(当時18歳:2014年ノーベル平和賞受賞)の動画を紹介されました。Education is hope, Education is peaceという言葉が力強く、印象的でした。

「SDGsのウェディングケーキ」を用いて説明される根本所長

「もし、コロナ以前に、SDGsが進展していたならば、ここまでの打撃にはならなかった。」コロナ後の10年は、Decade of Actionとして、元の世界へ戻るオールド・ノーマルでなく、SDGsを羅針盤に、統合的に「より良い復興」に向けて加速していく大事な年であり、そのためには若者の力が不可欠であると、根本所長は強く語られました。

SDGsに法的拘束力はないが、「あなたの国は、SDGsのために、何をやっていますか」と各国の首脳に社会契約的な責任を問う力があることも語られました。

後半では、「根本所長への質問コーナー」として、国内外から出演している4名の質問に対して、それぞれ丁寧にお答えくださいました。(詳細は記事の下記部分に)

環境先進大学を標榜し、SDGsを推し進めようとする三重大学に対しては、以下のようなご意見をいただきました。

「私が卒業したコロンビア大学大学院で、School of Climate(気候大学院)が立ち上がり、グレーテス国連事務局長が昨日招かれてスピーチをいたしました。Climate crisis(気候危機)は、人類の危機であり、環境・社会・経済、全てにわたり長期的な大打撃を与える影響力を持っています。本日お話した内容ぐらいのレベルは、全ての学生が教養課程で学ぶべきことであり、私達人間の活動が地球に影響を与えていることを知らなければなりません。その教養を深める研究ができるのが大学院、という体制がとれれば、より素晴らしいのでは、と思います」

本学は、「すべての学生の環境マインドを高める大学」として、2020年より全学共通の教養基盤科目である「スタートアップPBLセミナー」(新入生必修)にSDGsの要素を取り入れてリニューアルしています。根本所長の提言は、本学が環境先進大学として進展するスピードを加速してくれるものとなるでしょう。

最後に、根本所長は、若い世代に対して、無限の力をアクションにかえ、受け身ではなく、「物事が決定する場面に自分もかかわっていく」という姿勢を持ってほしい、と意識の変革に希望を託すメッセージを送られました。

改めまして、素晴らしい機会を本学に与えてくださった根本所長をはじめ、ご参加いただいた皆様、ご協力くださった皆様へ心よりお礼を申し上げます。

【根本所長への質問】

①中田知沙さん(生物資源学研究科)からの質問

Q. 日本が先進国の中で最も低い評価を受けている「男女格差の縮小」を改善するために必要なこととは?

根本所長:「『女性の活躍推進』は、日本にとって極めて重要な課題であるが、その指針を決める場が、ほとんど男性で占められており、当事者がいないというのが問題。私は、三重大学の方々にお聞きしたいのですが、教授レベルでの女性の割合はいくらですか?学部長、理事レベルでは?きちんと取り組んでますか?」国連の現在の役員の半数以上は女性であると話された後、「日本の女性はあきらめるのではなく、成果を上げながら、時には怒りをぶつけることが必要であると思います」とご自身のキャリア経験も絡めて回答されました。

②トアベン・シュテーグミュラーさんからの質問  *ドイツのハイデルベルク市から

(ハイデルベルク大学日本学科3年生:今年8月まで約1年間、国費留学生として本学で日本語や日本文化について学んだ: 

Q. 日本食は美味しいですが、環境保護の意識が低いのではと思います。肉や魚の消費量を減らすことが大事なのではないでしょうか?

根本所長:「食品ロスを改善しようとする活動は高まっています。例えば、曜日を決めて肉や魚は食べない習慣を実践することはできるでしょうが、ただ辛抱・我慢を強いるような運動は長続きしません。取り組みやすい、美味しい、楽しい、というポジティブな経験のサイクルが必要だと思います。料理に対して、栄養価や環境保全のデータが可視化されるよう、研究機関に取り組んでほしいですね。」

根本所長へ参加者の代表として国内外から4名が質問



③中山堯之さんからの質問

(医学部6年生:地域での臨床実習の現場で様々な事情や意見を持つ患者やご家族等を目の当たりにし、異なる意見をまとめていく困難さを経験した)

Q. SDGsを達成するために、異なる意見をまとめていく中で、大切にされていることは何ですか?

根本所長;「SDGsの大原則である『誰ひとり取り残さない』の考え方が重要であり、ヒントになる。17の課題で構成されている枠組みは、様々な意見を持った人々に対してオールマイティの接着剤の役割を果たしている。話し合いの過程でコンサルテーション(相談)が満足感と当事者意識を増し、結果的に賛同や参加へつながっていきます。ミクロとマクロレベルの要因を繋げてまとめていくことが大切だと思います。」

④古市裕子さんからの質問 *アメリカのNY市から

(津市出身・会社経営者・国連フォーラムNY幹事所属:コロナ禍のNYで、BLMや選挙運動など、世界をより良くするために若手層(Z世代)が中心となって運動しているのを目撃してきた)

Q. 今、私達大人ができること、次世代に渡していくべきこととは、何だとお考えですか?

根本所長;「#Me too運動でも、原動力になっているのは、若いエネルギー。そのエネルギーを吸い上げ、上手にポジティブなうねりを作ることが大人世代の責任。そのためには、政府、自治体、大学等が、若者に政策立案、決定の段階で関わってもらう機会を与えることが極めて重要だと思います。」

<講演会について:参加者の方々からのご感想>

● 根本先生が仰るように、SDGsは教養教育として、可能ならば大学全学部必須の基礎科目として、開講するのが一番いいと考える。(学部生)
●なかなかお話を聞く機会がない根本さんの話を聞くことができてよかったです。(学部生)
●気候変動をはじめとした様々な問題で若者が割を食っている。ゆえに若者は声をあげるべき(行動すべき)というご提案を伺い,「未来を創るのは私たちだ」とした講演タイトルが腹落ちしました。貴重なご講演をいただきありがとうございました。(三重大学の教職員)
●素晴らしい講演会でした。私も勉強し、行動します。(日本語教師ボランティア)
●SDGsの講座を定期的に開催なさってください。期待しております。(一般)
●私は高知県の企業で中間管理職をしておりますが、SDGsに関し自らの一歩を踏む出すこともそうですが、今後17のゴールを目指す若い世代の受け皿となるべく企業を成長させていく必要性を強く感じました。(会社員)  等                                           

<講演で使用した国連制作の動画>

①Home:家
https://www.youtube.com/watch?v=8eJD0BuNN1Y&t=54s

②マララと193人の若者たちが、世界のリーダーに安全で質の高い教育を訴える
https://www.youtube.com/watch?v=PiDNjF2AEbs&t=126s

③国連気候行動サミットにおけるグレタ・トゥーンベリさんのスピーチ(日本語字幕版)
https://www.youtube.com/watch?v=vtPnsH_ZdSA&t=55s

④Nations United - ともにこの危機に立ち向かう(予告編)
https://www.youtube.com/watch?v=_TGgtjJieSs