新教養教育カリキュラムの理念と内容

2015年度の入学生より、新しい教養教育カリキュラムを履修することになります。

【理念】

新しい教養教育カリキュラムは全学生が共通して履修する科目群(「共通カリキュラム」)と各学部の学生が教養教育機構の提供するものの中から学部の指定に応じて履修する科目群(「目的別カリキュラム」)で構成されます。

目的別カリキュラムは各学部の理念・目標に応じた科目で構成されますが、共通カリキュラムは全学的に統一された理念を持っています。 

教養教育共通カリキュラムの理念

 

「自律的・能動的学修力の育成」

単に知識だけを持っていても常に変動する社会に対応することはできません。自律的・能動的に学ぶ習慣を身につけ、それを基盤に主体的に問題を発見し解を見いだしていく力が必要です。これにより不測の事態にも対応できる社会人の養成を目指します。

「グローバル化に対応できる人財の育成」

国際社会で活躍できる人財、グローバルな視点で地域を活性化できる人財の育成を目指します。ただし、真にグローバルな人財とは、外国語ができるだけではなく、世界的視野で物事を考えるとともに、多様な個別文化も尊重し、理解できる眼を持つ人財です。それによって自らの社会や文化も相対化することができ、地域に根ざすグローバルな人財となりえるからです。

【内容】

共通カリキュラムの内容は次のとおりです。(目的別カリキュラムの内容は各学部で異なります。)

  領域 科目
教養基盤科目 アクティブ・ラーニング スタートアップセミナー
教養ワークショップ
外国語教育 英語
異文化理解 異文化理解基礎
異文化理解演習
健康科学 スポーツ健康科学
教養統合科目 地域理解・日本理解(地域・日本)  
国際理解・現代社会理解(国際・現代)  
現代科学理解(現代科学)  

(1)アクティブ・ラーニング

「スタートアップセミナー」は従来から4つの力(感じる力、考える力、コミュニケーション力、生きる力)の育成のために初年次教育として行われている特色ある科目です。後期に新たに全員必修の少人数の「教養ワークショップ」が置かれます。スタートアップセミナーが、自律的・能動的学修力の基盤となる「聞く」「話す」能力の育成に中心を置くのに対し、「教養ワークショップ」は「読む」「書く」能力の育成のため、学生が自分で書籍を読んで書評を書き、お互いに批評し合う授業を行います。このような少人数のセミナーを年間を通して行うことにより、自律的・能動的学修力の育成を行うことができます。

※ 2014年度前期に5クラスで「共通セミナー:日本語読み書きスキルアップ講座」として教養ワークショップの試行を行っております。こちらをご覧ください

(2)外国語教育

外国語教育の科目は英語で、英語力の指標として現在もTOEICを用いています。自律的な学修を推進するため、また、グローバル化に対応した人財を育成するため、新たな授業の方式を導入します。
入学時のTOEICの成績上位の学生のために「英語特別プログラム」を置きます。スタートアップセミナー、教養ワークショップ、教養統合科目の定められた単位も英語で受講し、短期留学に参加できるようにします。

(3) 異文化理解

多様な文化を理解するグローバル人財育成のため、異文化理解の科目を履修します。異文化理解では、ドイツ語、フランス語、中国語、朝鮮語、ロシア語、スペイン語、ポルトガル語のいずれかの言語を手段として、その言語が使用される文化圏の文化、歴史、生活等を理解することを目的とします。

(4)健康科学

自律的・能動的学修力の基盤とするため「健康科学」を共通カリキュラムに位置づけます。従来の体育の実技と健康科学等の講義を組み合わせた新たな授業を構築し、健康的な生活ができる自己管理能力を育成します。

(5)教養統合科目

・地域理解・日本理解
地域に根ざし国際社会で活躍できる人材の育成という大学の目標の実現のため、地域を理解し、それを地域において活用することを目指す科目、それに基づき、バランスのとれた国際人となるよう日本を理解する科目を履修します。これらを国際理解、異文化理解のための科目と併せて履修することにより、自らの文化、視点を相対化することが可能となります。

・国際理解・現代社会理解
今後の複雑な国際社会に対応できる人財を育成するため、英語力増強、異文化理解に加えて、東西の歴史や思想、政治・経済・社会のしくみ、現代の国際情勢などを学ぶ科目を国際理解・現代社会理解として履修することとします。

・現代科学理解
国際的に活躍するため、あるいは、国際社会を理解するために必要な情報科学、環境とエネルギー、生命科学などさまざまな科学的問題の基本的知識とそれらについて合理的・科学的に考える力を育成します。