- 学長通信 -

三重大学長ブログです。

学長通信 年頭

「禿髭学長の通信」の愛読者?からいろいろな意見をいただきます。多くは「長い」と「難しい」の2点です。私の妻などは読む前から「長すぎるんじゃないー」と非難口調。「長い」は改善しなければなりませんね。私自身は軽妙なタッチの文章を書いたり読んだりするのは大好きですが、学長通信は主として学生や若い教職員へのメッセージと考えていますので、どうしても教訓的な話になってしまいます。退屈な点についてはお許しください。

教職員に向けての年頭のあいさつでも述べましたが、大学改革について少し詳しく触れます。改革のゴールは教職員の意識改革です。われわれは近代の大学の始まりであるフンボルト大学(ドイツ/ベルリン)を手本にしてきました。そのため大学は研究する場であって優れた研究をすることが素晴らしい教育につながるとの考え方でした。多くの教員が研究者で、仕事の中心は研究にありました。当然ですが大学教員の評価も研究が主でした。

大学の意義が人財の養成にあることは今も昔も変わりませんが、受け手側が大きく変化してきました。大学入学者が同世代の10%程度の頃は「素晴らしい研究者の背中を見てついていくことが教育そのものだ」でよかったでしょうが、50%以上が入学する時代の人財の養成は自ずと変わらなければならないでしょう。「良い授業は良い研究を生む」との逆転の思考が必要です。学生が主役で、彼らを育てるための教育が盛んに行われている大学でなければなりません。

教員は教育、研究の専門家であり、そして職員は教員とは違った角度から学生たちを支え育てる教育者でもあり、学生や教員を側面から支える専門的職種です。
プロフェッショナルは自らの専門性を十分に生かすために専門領域の知識だけではなくて、他の専門性と結合して初めて大きな成果が得られるでしょう。そのためには別領域の専門家(自分の専門についてはまったくの素人)に関心をもってもらえるよう、そして正しく理解してもらえるよう、自分の専門についてイメージ豊かに興味深く説明できなければならないでしょう。この人と一緒に仕事をすると成功するのではないかとの感想を持ってもらえば大成功です。そして共同研究となり目を見張る結果が出れば素晴らしいですね。

三重大学教員の研究シーズを、学外者に向けて分かりやすく解説する「三重大学全学シーズ集」を本学ホームページで公開しています。外部の人は頻回に利用しているようですが、大学内の教員はあまり利用していないのではと感じることがありますが。
大学内で開催されているサイエンスカフェも大いに利用してください。
午年です。馬の持つ圧倒的なパワーで天高く舞い上がってください。