文字サイズ
三重大学 大学院 地域イノベーション学研究科

PROFILE
Graduate School of Regional Innovation Studies

三岩 功季さん
※2023年11月取材

地域イノベーション学研究科
博士前期課程

VOICE01 進学理由

地域イノベーション学研究科のどういったところに魅力を感じて進学しましたか?

 地域イノベーション学研究科が他の研究科と大きく異なるのが、在学している学生がそれぞれ別々の専門分野を専攻しているという点です。

 自身の研究について発表し学生同士が意見を出し合う授業では、予想外の角度から質問が飛び出したりもしますが、この多角的な視点が自身の研究に生かされるという事がよくあります。また、それぞれ異なる分野でありながら全員の研究で共通するのが、地域の課題解決や発展に寄与する研究であるという点です。

 私は小さいころから、人の役に立つ機器の設計や開発に携わりたいという思いがありました。この思いを実現させるために地域のニーズや問題に対しての課題解決力を学ぶことができる地域イノベーション学研究科への進学を決めました。

VOICE02 現在の研究について

現在の研究内容を教えてください。

 現在、「パッシブ型アシストスーツの開発」というテーマで研究を進めています。

 アシストスーツと聞くと、簡単には持ち上げられないような重量物を、動力を用いて楽に持ち上げられるようにする装置を想像するかと思います。しかし、私が研究しているパッシブ型アシストスーツは、現場での作業時に動力を使用せずに筋力の負担を最小限に抑えるためのアシストスーツになります。

 パッシブ型アシストスーツは従来のアシストスーツに比べ、バッテリー切れや誤作動を起こすことなく軽量で安価に入手できるといった特徴がありますが、まだまだ現場での普及には至っていません。そこで現在、パッシブ型アシストスーツの普及に向けて地元企業と連携しながらアシストスーツの改良やその有用性を示す研究を行っています。

VOICE03 将来について

これから学びたいこと、やりたいことは何ですか?

 まずはパッシブ型アシストスーツの普及に向けて、人間の身体の構造について深く研究していきたいと考えています。人間の骨や筋肉の仕組みを詳細に知ることで、動力を使用しないパッシブ型アシストスーツにより効果的な改良を加えることができます。将来、自分が研究に携わったアシストスーツが日本の産業を土台から支えるデバイスになるよう注力していきたいです。

 卒業後は自身の研究はもちろん、自分のように研究に取り組む学生を指導する立場に就きたいと考えています。近年、日本の研究力の低下が指摘されています。この課題の解決のために、日本の未来を担う若い学生たちに研究の楽しさや重要性を伝えていきたいです。

VOICE04 最後に

これから進学を目指している方へ一言お願いいたします。

 次なるイノベーションを起こすのはあなたです!

PROFILE
Graduate School of Regional Innovation Studies

小田島 春樹さん
※2023年11月取材

有限会社ゑびや/株式会社EBILAB
代表取締役社長

VOICE01 研究内容について

大学院ではどのような研究をなさいましたか。また、学んだことはお仕事でどのように役に立っていますか

ビッグデータを活用し、機械学習を用いた自社店舗の来客予測や店舗情報の分析を実施し、データ分析とその活用の重要性を実証しました。

・ビッグデータと機械学習を活用した来客予測モデルを開発しました。過去の来客データや季節、天候、特別なイベントなどの要素を考慮し、高い的中率で来客数を予測できるようになり、効果的な人員配置や在庫管理、スムーズな業務運営が実現しました。

・データ分析により、顧客の嗜好や行動パターンを把握することによりターゲットとなる顧客に向けた個別のマーケティング戦略を展開することができました。

・ピーク時や混雑予測が可能になったことにより、在庫管理や商品の補充も需要に合わせて行われるため、無駄な在庫やロスを削減することができました。

VOICE02 研究科の魅力・特徴

入学して感じた研究科の魅力・特徴があれば教えてください

地域イノベーション学の博士課程は、地域の発展と持続可能性に焦点を当てた学問領域であり、魅力的な要素が多く感じられました。特に、地域社会の発展への貢献を強く意識して研究を進めることができました。私の研究事例である、データを活用して来客予測・店舗分析を行い、導入前後で著しい成果(売り上げを数年で8倍にできたことなど)をあげたことは、データ活用における重要な研究事例として地域の持続可能な発展に対する研究成果となり、地域の発展計画や政策立案において重要な役割を果たすことができたと思います。この学びを通じて地域の改善に貢献できる学問を実践することができたことに深い感謝の意を表します。今後もこの学問を活かし、自身の人生と地域の発展に向けて全力で努力し続けたいと思います。

VOICE03 在学生の方へ

在学生の方へ一言お願いいたします。

在学生の皆さん、大学院生活は決して簡単なものではないと思います。しかし、その困難さがあるからこそ、一つひとつの課題を克服することで、私たちは学問的な成熟を遂げ、自己成長を達成することができます。

私からのアドバイスは、「諦めない」ことです。大学院生活は一つひとつの階段を登るようなもの。それぞれの段階で遭遇する課題や困難は、あなたが次のステップへと進むための重要な糧となります。博士号取得はあなた自身の力で勝ち取るものです。しかし、それは同時にあなたがこれまでに築き上げてきた知識と経験、そして未来への夢を形にする一歩でもあります。あなたがその道を歩むことで、新たな可能性が広がり、独自の視点で世界を変える力を持つことができるでしょう。

皆さんがそれぞれの道で成功することを心から願っています。

VOICE04 最後に

これから進学を目指している方へ一言お願いいたします。

受験生のみなさんへ、大学院への挑戦は全ての人に開かれています。特に社会人の方にとって、新たな学びを求める場として大学院は最適です。

自分が学生時代に挑戦しきれなかった、または挑戦すべきだと感じる課題に対して、再度チャレンジする機会を手に入れることができます。それは自分自身の人生の財産となる経験です。

この冊子を見ているあなたには、挑戦する人生か、それとも挑戦しない人生かを選択する機会があります。一歩を踏み出す勇気を持つことで、未来が広がることを確信しています。

一緒に新たな学びの道へ進みましょう。自分自身の可能性に挑戦する、その価値ある経験を共有できることを心から願っています。