インタビュアー:三重大学学生
今回は医学部附属病院 乳腺センターの小川 朋子( おがわ ともこ)教授にインタビュー取材を行いました。
-はじめに、先生のご専門、研究内容について簡単に教えてください。
小川乳がんの治療には手術や放射線治療、薬物療法などがあり、大学にはそれぞれ専門の先生がいます。その中でも私は手術を専門に治療を行っています。
-今の研究を始めるようになったきっかけを教えてください。
小川以前勤めていた伊勢赤十字病院では、お腹の手術などを行っていましたが、上の先生から乳腺外来の診療を勧められたことで乳がんの研究を中心に行うようになりました。
-乳腺センターでの活動内容を教えてください。
小川乳がんの治療をメインで行っています。薬物療法を専門とする副センター長にも入ってもらっており、大学内で薬物と手術の専門家がチーム医療を行えるのが乳腺センターだと思います。
-20年前と現在の治療法の違いを教えてください。
小川手術、薬物療法ともに大きく変化しています。一番の変化は医学医療の進歩によってたくさんのお薬が出てきたことだと思います。今でも毎年のように新しいお薬が出てきています。また、最近では診断の技術も進んできたため、すごく小さい乳がんが見つかるようになり、がんの部分を手術で取り除くだけではなく、きれいに治すというように手術の考え方が変わってきています。つまり、いろいろな治療が組み合わさり進んできたことで、患者さんに優しく、なおかつ治る治療になってきたのかなと思います。
-乳腺センターにおける現在の課題は何だと思われますか。
小川乳腺センターができる前の三重県では乳がんの治療を専門とする人間がほとんどいない状況でした。乳腺センターは三重県における乳がん診療をどのようにしていくかということを考えながら診療している部署です。三重県のどこの地区にいても標準的な治療が受けられる体制を整えていくことが設立当初からの目標であり、課題でもあります。乳腺センターができた当時、乳腺専門医は三重県内に私一人でしたが今は16人に増えました。治療は一人で出来ることではないので、三重県のどこの地区にいても標準的な治療が受けられるようになるためには、乳腺専門医を育てていくことも重要です。
-聖火ランナーに応募をしたきっかけを教えてください。
小川1つ目は私が生まれたのは前の東京オリンピックの年の1964年だったので、オリンピックが東京に決まったときはすごく嬉しかったということ。そして2つ目は三重県の聖火リレーの日程が発表された際に4月8・9日と自身の誕生日である4月7日の翌日であったということ。二度目のオリンピックで自分の中ではもう一度生まれ変わるような気分で、しかも二回目の聖火リレーが誕生日の翌日ということに運命を感じ、「私が応募しなくて誰が応募するの⁉」というくらいの気持ちで応募しました。また、もともと運動することが好きなので、聖火リレーがなかったとしても応援に行くなどしてオリンピックに関わりは持ちたいなと思っていました。
※オリンピックの延期決定前に取材しました。
-聖火ランナーに決まった時のお気持ちを教えてください。
小川応募したからといって必ず走れるとは思っていなかったので、宝くじが当たったようなびっくりした気持ちと嬉しい気持ちでした。
-聖火リレーに向けての意気込みをお願いします。
小川応募した時には周りの人のことを考えてというほどではなかったのですが、仕事柄毎日患者さんと接する機会があり、その患者さんたちが聖火ランナーに決まったことを自分のことのように喜んでくれたので、喜んでくれている人たちのためにしっかり走りたいなと選ばれてから強く思うようになりました。
-最後に今後の目標を教えてください。
小川仕事面では、乳腺センターはまだ道半ばのところなのでもっと整えていかなければならないですが、私一人でするというよりはある程度育った人たちに頑張ってもらえるように整えていって自分がいなくても乳腺センターがきちんと回るようにしていきたいです。
個人的には、仕事だけでなく働き方改革の時代なので、自分のしたいことも仕事もしながら上手く第二の人生につなげていけたらなと思います。
今回のインタビューの様子をYouTubeで公開しております。
こちらからご覧ください。
研究者情報
医学部附属病院 乳腺センター
教授 小川 朋子(Ogawa,Tomoko)
専門分野:乳腺外科
現在の研究課題:根治性と整容性を両立させる乳癌手術
【参考】
医学部附属病院HP http://www.hosp.mie-u.ac.jp/
医学部附属病院 乳腺センターHP http://www.medic.mie-u.ac.jp/breast/