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三重大学 学長・理事ブログです。

三重大学教育学部附属小学校 創立150周年記念式典に出席しました

令和7年8月23日(土)、津市のHotel 津 Center Palaceにて、三重大学教育学部附属小学校の創立150周年を記念する式典および祝賀会が盛大に開催されました。

本校は、1875年(明治8年)に三重県師範有造学校附属小学校として設立されて以来、地域とともに歩み、数多くの児童を育んできました。150年という長い歴史の中で、教育の理想を追求し続けてきた附属小学校の歩みは、まさに三重大学の教育理念の根幹を成すものです。

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式典には、卒業生や関係者など約170名が出席され、児童が考案したマスコットキャラクター「フゾクマ」やロゴマークの紹介、学校の歴史を振り返る展示などが行われました。児童たちの創造力と誇りが随所に感じられ、未来への希望を感じるひとときとなりました。

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私からは、附属小学校が地域に根ざし、次世代を担う子どもたちの育成に尽力してきたことへの感謝と敬意を表するとともに、今後も三重大学として、地域とともに歩み、教育の質の向上に努めていく決意を述べさせていただきました。

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社会が急速に変化する中で、教育の果たす役割はますます重要になっています。附属小学校がこれからも地域の信頼を得ながら、子どもたちの可能性を引き出す場であり続けることを心より願っております。

最後に、記念事業にご協賛・ご寄附をいただいた皆様に、改めて深く感謝申し上げます。今後とも、三重大学教育学部附属小学校への温かいご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

「MIRAISE会議」立ち上げに先立ち、外部有識者による勉強会を開催しました

令和7年8月21日(木)、三重大学本部管理棟会議室において「MIRAISE会議」立ち上げに先立ち、大学改革支援・学位記授与機構 服部泰直機構長をお招きし、「国立大学法人を取り巻く社会情勢と大学改革~最近の議論から改革の方向性を考える~」勉強会を開催いたしました。

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「MIRAISE会議」とは2040年を見据えて、三重大学のあるべき姿から今検討するべき課題を議論することを目的に立ち上げました。

服部機構長からは、国立大学法人を取り巻く社会情勢について多角的な視点からお話をいただきました。特に印象的であったのは、大学がこれからも社会に信頼され、存在意義を発揮していくためには、学内の議論だけでなく、地域や企業、卒業生など幅広いステークホルダーからの意見を丁寧に汲み取り、一般社会からも評価される大学を目指さなければならないという点です。
また、各大学法人の強みや特色を理解しつつ、それぞれの高等教育機関同士が積極的に連携することの重要性も強調されました。これまで以上に時代の変化が激しくなる中で、新しい価値を創造できる人材を育成することこそが、社会から大学に寄せられている大きな期待であることを改めて認識いたしました。

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今回の勉強会を通じて、改めて教職員・学生を含む構成員一人ひとりが改革の担い手であるという意識を共有し、実行に移していくことであると感じております。これからも三重大学が2040年に向けて持続的に成長し、社会に必要とされる大学であり続けるために、未来を見据えた議論と実践を積み重ねてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

次回は8月27日水曜日、三重県の服部浩副知事から今後の三重県の産業を含めた方向性についてお話しいただきます。

最後に、三重大学の未来構想の出発点にあたり、貴重なご講演を賜りました服部機構長に心より感謝申し上げます。

北勢サテライト協議会&セミナーを開催しました

令和7年8月4日(月)、桑名市のくわなメディアライヴにて、「北勢サテライト協議会および市民公開セミナー」を開催いたしました。

本学では、県内各地域に設置したサテライト拠点を通じて、地域の多様な課題に対して教育・研究・社会貢献の側面から取り組んでおり、北勢地域においても産官学の連携を基盤とした活動を重ねています。今回の協議会では、地域医療人材の育成や、地元企業と連携したインターンシップ、多文化共生の推進、学生による地域参画といった多岐にわたる実践的な取り組みが報告され、大学と地域の協働の重要性が再確認されました。

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協議会終了後には、市民公開セミナーを開催しました。セミナーでは、本学教員3名がそれぞれの専門分野を生かし、地域に身近なテーマで講演を行いました。教育学部の服部明子准教授が「三重県の多文化共生について」と題し、異なる文化的背景をもつ人々との円滑な関係づくりには日本語教育が不可欠であることを述べました。あわせて、木曽岬町で実施されている「多文化共生ミーティング」の取組を紹介し、地域に根ざした実践の重要性を強調されました。続いて、工学研究科の羽多野裕之准教授が「携帯電話の驚くべき進化~現在・未来・過去~」と題して登壇し、電波の仕組みを交えながら、携帯電話の技術的進化と社会との関わりを解説しました。最後に、医学部附属病院の中森史朗講師が「人生100年時代を元気に過ごすために~心不全を防ぐための生活習慣と最新治療~」をテーマに、健康寿命を延ばすために重要な生活習慣の見直しや、地域・家族とのつながりの意義について語りました。

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当日は、多くの自治体関係者、企業、地域住民の皆様にご参加いただき、活発な意見交換が行われました。北勢地域における大学と地域の連携の深化を実感するとともに、地域とともに未来を築いていくことの大切さを改めて確認する機会となりました。

三重大学は今後も、北勢地域をはじめ三重県全域において、地域に根ざした教育・研究活動を展開し、地域課題の解決に貢献する大学として、地域の皆様とともに歩んでまいります。

卓越型領域卓越型リサーチセンターの認定式を行いました

7月31日(木)、「次世代型プレシジョンメディシン開発センター」を卓越型領域卓越型リサーチセンターとして正式に認定する認定式を執り行いました。

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この認定は、令和6年度の戦略的リサーチコア活動実績に基づき、研究業績、外部資金獲得状況、科研費の保有状況、大学院生への教育指導など、多角的な評価を行った結果として決定されたものです。研究・社会連携統括本部会議にて推薦された後、所定の「戦略的リサーチコア卓越型領域卓越型リサーチセンター認定における要項」に則り、私から正式に認定いたしました。

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今回、卓越型リサーチセンターとして昇格した「次世代型プレシジョンメディシン開発センター」(代表:医学系研究科 中川勇人 教授)は、これまでの優れた実績に加え、今後さらに世界水準の先端研究の展開と社会実装が期待される中核拠点です。個別化医療やゲノム情報を活用した革新的な医療技術の開発を推進することで、地域と世界の未来に貢献していくものと確信しています。

認定期間は、令和7年4月1日から令和10年3月31日までの3年間。他の卓越型リサーチセンターと同様、重点的な支援を通じて、さらなる研究の深化と人材育成の加速を図ってまいります。

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引き続き、本学の研究力の強化と社会への貢献を推進すべく、全学を挙げて取り組んでまいります。

ダイバーシティ&インクルージョン推進の新拠点が誕生しました

7月22日(火)、このたび本学では、ダイバーシティ&インクルージョンのさらなる推進を目的として新たな専用スペースを開設し、開所式を行いました。

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この空間は、単なる施設ではありません。多様な考え方や感じ方を大切にする本学の想いを、かたちにしたスペースです。カラフルで温かみのある家具や、自由に使えるレイアウト、そして誰もが安心して過ごせるよう工夫されたデザインにより、心の壁や使いにくさをできるだけなくすことを目指しました。

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学生も教職員も、誰もが自然体で、ほっと一息つける空間。ミーティングや休憩の場としても活用していただきながら、この場所が、多様性を受け入れ、尊重し合う文化の発信源となることを願っています。

この新たな一歩が、学内に、そして地域社会へと、ダイバーシティ・インクルージョン推進の輪が広がっていくことを心から期待しています。

mini環境まつりを開催しました

7月30日(水)、環境・情報科学館にて「mini環境まつり」を開催しました。展示会スタイルで実施した今回のイベントは、環境技術や取組に"実際に触れる"ことを大切にした構成で、多くの学生・教職員の皆さんにご参加いただきました。

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当日は、企業ブースによる最先端の環境技術の展示、再生可能エネルギーに関する紹介、そして水素燃料電池バス「SORA」の展示など、多様なプログラムが展開されました。実際に技術に触れ、説明を聞くことで、「環境問題=遠い話」ではなく、「自分の生活とつながっている」と感じてもらえたのではないかと思います。

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記念品の配布やクイズ形式のパネルも工夫の一つで、学生たちが楽しみながら学べる場になっていたのも印象的でした。企業の方と直接対話し、専門的な知識を深めていた学生の姿も多く見られ、多くの学びにつながったことを嬉しく感じています。こうした機会を通じて、一人ひとりが「自分にできる環境アクション」を考えるきっかけになればと思います。

今後も、学生・教職員が主体的に参加し、学び合い、そして地域とともに歩む場を提供してまいります。
ご協力いただいた関係者の皆様、誠にありがとうございました。

ダナン大学との大学間協定を締結しました

7月30日(火)、三重大学にて、ベトナムのダナン大学-科学教育大学(University of Science and Education - The University of Danang, 以下UED)との大学間協定の調印式を執り行いました。

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調印式には、UEDからヴォー・ヴァン・ミン学長、チン・ダン・マウ学部長(生物・農業環境学部)をお迎えし、和やかな雰囲気のもと、学長同士による協定署名と記念撮影が行われました。

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これまで三重大学とUEDは、主に工学分野での交流を中心に、教員・学生の相互派遣など連携を深めてきました。また、本学が実施する「MIE-U国際交流協定校外国人若手教員受入れプログラム」では、2024年から2025年にかけてUEDよりヴォー・タン・グェン講師をお迎えし、教育・研究の両面で活発な交流が行われました。

このたびの協定締結を機に、両大学間の連携は学部間から大学全体へと格上げされ、今後はさらに幅広い分野での協力や交流が期待されます。実際に、グェン講師の研究に関心を持った本学の学生4名が、今夏よりUEDで学ぶ予定となっており、学生レベルでの実践的な国際交流も動き始めています。

三重大学とUEDはいずれも、「教育・研究・協働を通じて社会に貢献する」というビジョンを掲げ、地域に根ざしつつ国際的な視野を持った大学運営を進めています。こうした共通の理念を基盤に、今後も持続可能なパートナーシップを育み、アジアを起点とした国際連携のさらなる展開を目指してまいります。

「社会への扉を開こう」の第13回講義を行いました

この授業は本学として初めて役員が企画し、意欲のある学生に社会を知って今後のキャリア形成に役立ててほしいという願いから始めました。

前期では、さまざまな分野で活躍するゲストをお迎えし、社会の現場から生きた学びを届けてきました。第1回から第12回まで、それぞれの講義の中で、みなさんが考え、感じ、自分の価値観と照らし合わせながら深めてきたことと思います。

本日の第13回では、それらの学びをふりかえり、
「どの講義が自分にとって印象深かったか」
「その中でどんな疑問や興味を持ったか」
「自分はこれから何を考え、どう動いていきたいか」――
そんなテーマで、受講生同士と意見を交わしました。

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次回の14回、そして15回の授業では、前期の総まとめとして、プレゼンテーションを行ってもらいます。興味を持った社会課題や分野について、さらに調べ、感じたこと、考えたことを自分の言葉で伝える機会です。その準備として、小林副理事からプレゼンテーションの基本とコツについてのお話がありました。

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私が特に強調したいのは、「プレゼンは最初の30秒で決まる」ということ。
相手の心を動かすには、情熱と誠意を込めた第一声がとても大切です。また、話す内容だけでなく、表情や姿勢、声のトーン、聞き手の反応に気を配ることも大切なポイントです。

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後期の授業では、みなさんがチームを組み、調べたいテーマを深めながら、必要な情報を集め、大学の先生にもアプローチし、実際に現場に出向くことも想定しています。三重県内にとどまらず、県外、さらには海外も選択肢に入れていきます。

前期で育てた「考える」、「感じる力」を、後期では「コミュニケーション力」、「行動する力」を進化させましょう。
みなさんの熱いプレゼンを楽しみにしています!

プレミアムトークを開催しました

三重大学では、教職員が外部の視点から学び、大学の使命と向き合う機会として「三重大学プレミアムトーク」を継続的に開催しています。7月14日(月)、地域の教育現場の第一線でご活躍されている三重県立津高等学校の上村和弘校長先生をお招きし、「高校現場から見た三重大学」と題してご講演いただきました。

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講演の中では、県内唯一の国立の総合大学である三重大学が、地域の若者の進路先として重要な役割を果たすことに対する大きな期待が強調されました。特に、「多様な生徒が入学しやすい環境をつくるために、総合型選抜の定員をさらに増やしてほしい」といったご意見や、「教員を目指す生徒にとって魅力的な制度となるよう、教員免許や関連制度のさらなる充実を期待したい」といったご提案は、教育現場のリアルな声として私たちの胸に深く響きました。

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一方で、高校から見た三重大学への率直な課題提起もありました。「大学に"志"を持って進学する生徒が減ってきている」「学部の名称だけでは、そこでどんな学びができるのかが高校生に十分伝わっていないのではないか」といったお話は、大学の情報発信のあり方や、教育理念の伝え方を改めて考えさせられるものでした。

「地域で三重大学生の活躍の姿がなかなか見えてこない」とのご指摘もありました。これは裏を返せば、大学生がもっと地域と関わりながら、自らの活動や成長を社会に向けて発信していく余地がある、という前向きなメッセージでもあると受け止めています。

高校と大学、それぞれの立場から率直に意見を交わすことで、改めて地域と共に歩む大学のあり方について深く考える機会となりました。

今後もこのような貴重な対話の場を継続し、高校と大学、そして地域と大学の連携を深めながら、三重大学の存在意義を問い直してまいります。

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「三重大学みえの未来共創会議」を開催しました

7月4日(金)、三重大学みえの未来共創会議を開催しました。

本会議は、三重大学が地域の知の拠点として、地域にどのようにお役に立てるかという点に関してご意見をいただく会議です。本会議は、自治体、産業界、医療界、金融界及び教育界等の関係者が学外委員として、本学理事、学部長・研究科長等が学内委員として参加しています。

会の冒頭では、本学からの情報提供として、「今後の大学に関する各種検討状況」について報告を行いました。現在、急激な少子化を見据えて、文部科学省の中央教育審議会などでの大学改革をめぐる議論の内容や、第5期に向けて、これまで以上に地域との連携を深めていく方針が示されていることを共有しました。

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続いて、「2035年を見据えた大学の選択的機能強化に向けて」と題した意見交換が行われました。三重県の現状と課題を踏まえながら、今後の大学の役割や進むべき方向について、さまざまな視点から活発な議論が交わされました。

特に「大学に期待する人材像」に関しては、三重県における人口減少の影響をふまえ、地域に根ざした人材の育成と定着の必要性が指摘されました。大学入学者の確保はもちろんのこと、卒業後も三重県に残って活躍してくれる学生の育成と支援が重要であり、大学と地域の強みを活かしながら取り組んでいくべきだという意見が多く聞かれました。

また、意見交換の中では、将来的に高度な専門性や研究能力を備えた人材へのニーズが高まることを見据え、大学院教育の充実が重要であるとの意見がありました。特に博士号(Ph.D.)の取得が求められる場面が増えていく中で、質の高い教育環境の整備や、進学・修了後のキャリアパス支援が不可欠であるという指摘がありました。

さらに、留学生の受け入れについても、単に学びの場を提供するだけでなく、地域社会との接点を持ちながら生活・活動できる環境を整えることが重要であるという認識が示されました。卒業後には日本国内での就職、さらには定住や帰化も視野に入れた支援を行うことで、多様な人材が地域で活躍できる可能性が広がり、地域の国際化や活力向上にもつながるといった意見も出されました。

議論の最後には、「最終的には、学生に選ばれる大学であることが最も重要である」との認識が共有され、大学としての魅力や価値を高めていく努力の必要性が再確認されました。

本会議では終始活発な意見交換が行われ、大変有意義な時間となりました。今後もこうした対話の機会を大切にしながら、地域と共に歩む大学として、持続可能な未来の実現に向けて取り組んでまいります。