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今だからできることがある。
地域それぞれに必要な災害対応とは?

2024.5. 1

地域イノベーション学研究科・准教授 水木 千春

水木准教授の写真

「地域」を知ること

自然地理学だけでなく、集落地理学や歴史地理学の観点から、主に地域の災害対応をテーマに研究を行っています。私たちが住む地域には土地利用の変遷や集落の形態など、地域それぞれの特性といえる土地条件があり、そこに住む住民の避難意識や避難行動、また津波ハザードマップなどの行政対応と密接に関係しています。このように地域について様々な側面から分析を行うことは現状に合った災害対応を考えるために重要です。

北海道厚岸郡厚岸町床潭の集落と避難経路

対話から生まれるアイデア

学生とともに、ある一つの地域を例として、自然環境や社会的環境の面から考える、災害関連の地域特性にはどのようなものがあるだろうかと議論しています。そうすることで、地域防災力をさらに上げていくための課題や新しい解決策が見えてくることもあります。一つの地域を深く観察し、意見を出し合うことで、住民すなわち自分たちにも今すぐ対策できることがあると認識してもらいたいと思っています。

津波を例とした災害に関する地域研究の基本的な考え方

地域の防災力を高めるために

研究テーマの一つに、在留外国人にとって、本当に必要な災害対応とは何なのかというものがあります。発災時の情報発信などに関する問題が取り上げられることが多いですが、さらにその内情を丁寧に検証し、現状を知ることが、今できる対策を実証する上で大切です。防災意識啓発のためのコンテンツの分析や人材の育成と活用、日頃からの地域住民との関係性といったコミュニティとしての課題など、取り組むべきテーマはまだまだ広がっています。

根室市花咲港の外国語併記の避難場所案内図とTsunami Hazard Zoneの標識(サンフランシスコにて)

【この記事は『三重大X(えっくす)vol.48』(2023年12月発行)から抜粋したものです】