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大学で学んだという自信をもって卒業してもらいたい
  ー専門演習(ゼミ)という場を通じてー

2017.2.20

大学で学んだという自信をもって卒業してもらいたい
  ー専門演習(ゼミ)という場を通じてー

人文学部・教授 田中 亜紀子

法律の誕生、変容そして担い手について研究する

田中教授の写真

人文学部の中庭にて 左:ゼミ生 右:田中教授

私の専門は、法律の誕生、変容、担い手などの歴史を対象とする法制史です。その中でも特に、明治以降の未成年者処遇を中心とする刑事法制を研究しています。

明治以降、国が、次代の担い手としての子どもに関与する必要性を認識し、地域の協力を取り込みながら制度を作り上げる過程、そして制度を実施する上で生じた問題にどのように取り組んできたかを検討することを通じて、過去だけではなく現代の未成年者問題を考察しています。

京都弁護士会での戦前期弁護士資料調査風景

京都弁護士会での戦前期弁護士資料調査風景 (2011年冬)

専門演習(ゼミ)こそ大学教育の醍醐味

講義やゼミでは刑法を担当しています。ゼミは、講義よりも少人数であり、関心のある分野を共有する学生が集まる、重要な学びの場だと考えています。私のゼミは、読書課題、レポートや学内外の懸賞論文、個人ないしはグループ報告、オープンキャンパス時の模擬裁判上演、というように、読む・書く・発表するといった課題が多いです。学びたいという意欲のある学生を中心に、例年、10名前後のゼミ生を迎え入れています。

オープンキャンパス時の模擬裁判風景

「大学」を舞台としたRPG※1のラスボス※2でありたい

卒業論文集

卒業論文

大学生活の集大成は卒業論文です。計画通りに作業を進める人、出所の怪しい情報をうのみにして叱られる人、文章が書けなくなってしばらく逃亡する人など、様々です。ある程度の長さの論理的な文章を書くことは決して容易なことではありません。しかし、この作業を通じてひと回り成長する学生が出てくるので、指導の手をぬくことはできません。RPGのラスボスのような存在として、卒論に取り組むゼミ生の前に立ちふさがりたいと思っています。

※1:ロールプレイングゲーム(role-playing game)
※2:ゲームに登場する最後のボス「ラストボス」の略

大学卒業後のつながりもゼミならでは

ゼミの面白さは、大学卒業後も、「あの教員の指導に耐えた者」としての縦のつながりがあることです。私のゼミでは隔年毎にOB・OG総会を開催しています。公私ともに忙しい卒業生が集まって、教員に近況報告をしてくれたり、在学生に学生時代の思い出話をしたりしています。大学生活そのものは短いですが、まずは、しっかり学ぶこと、そして大学で学んだという自信をもって大学を卒業し、それぞれの場所で活躍してもらいたいと願っています。

OB・OG総会

OB・OG総会

イラスト:えっくすくん

【この記事は『三重大X(えっくす)vol.37』(2017年1月発行)から抜粋したものです】