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地域SDGs×バイオテクノロジー
~高大連携と地域活性化に役立つバイオ研究~

2022.12.26

地域SDGs×バイオテクノロジー
~高大連携と地域活性化に役立つバイオ研究~

生物資源学研究科・教授 田丸 浩

田丸教授の写真

バイオリファイナリーによる
カーボンニュートラル

2021年ノーベル物理学賞が真鍋淑郎博士に授与されました。その受賞理由は、「大気と海洋を結合した物質の循環モデル」を提唱し、二酸化炭素濃度の上昇が地球温暖化に影響するという予測モデルを世界に先駆けて発表したというものです。当研究室では、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組みとして、これまでにバイオテクノロジーを活用したバイオリファイナリーについて研究を進めてきました。

図:バイオリファイナリー

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地域バイオマスの活用

地域バイオマスを活用したバイオアルコール生産については、三重県御浜町で廃棄されるみかん残渣(ざんさ)から「田丸システム」を用いてバイオアルコールを製造し、東京パラリンピック2020の火種の燃料としてバイオアルコールを御浜町に贈呈しました。また、この取組みを高大連携の一環として、三重県立紀南高等学校で開講されている「地域産業とみかん」で紹介し、バイオ燃料の地産地消サプライチェーン※の重要性について講義する予定です。

※原料調達から製造、物流、販売といった一連の流れ

図:「田丸システム」とは?

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高大連携プロジェクト

新型コロナウイルス感染症の拡大によって、我々は地球資源の有限性や地球のCO2吸収力限界による環境負荷、安全衛生確保といった「忘れていた」社会課題を再認識させられました。人々のライフスタイルの変革が始まるとともに、持続的社会形成への貢献がいっそう求められています。そこで、高大連携を通じた地域SDGsを推進するために、滝川第二高等学校・化学同好会(兵庫県神戸市)と連携して、地域のため池(杉山池(兵庫県県神戸市))を微生物パワーで浄化するプロジェクトを展開しています。

写真:教授と学生

北勢バイオコミュニティ研究会

バイオ産業振興による地域活性化の一環として、2020年6月に三重大学北勢サテライトにおいて「北勢バイオコミュニティ研究会」の設置が承認されました。地産地消サプライチェーンを活用した「地域バイオコミュニティ形成」を目指して、産官学の連携を基軸とした三重大学発のバイオ産業創成を北勢地域と中心に考える研究会となっています。また現在、私が理事・中部支部長を務めています日本生物工学会との連携を取りながら、バイオ産業振興に貢献したいと考えています。

図:三重大学北勢バイオコミュニティー研究会

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【この記事は『三重大X(えっくす)vol.45』(2021年12月発行)から抜粋したものです】