グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

海をデジタルで監視せよ!
海の環境モニタリング大作戦

2026.3.24

生物資源学研究科・准教授 岡辺 拓巳

岡辺准教授の写真

遅れる海のデジタル革命:環境問題との闘い

海洋環境は、温暖化や栄養塩バランスの変化など多くの課題に直面しています。しかし、これらの問題を解決するための海のデジタル化は未だ遅れているのが現状です。水質や生態系の変化を計測・記録(モニタリング)するデジタル技術の進化は海を守るカギとなるものの、様々な現象を紐解くための環境データはまだまだ不足しています。私たちの海を良い状態で未来に引き継ぐために、デジタル技術が果たす役割が注目されています。

冬場に成長するアカモク

海を見守る技術たち:今どこまで進んでいる?

海のデジタル化には、ドローンや衛星で遠くから観測する方法や、センサーで水温や水質を測る技術が使われています。これらの映像やデータはインターネットを通じてリアルタイムで分析可能です。例えば、スマートブイという観測装置は、漁業者に海の情報を迅速に伝え、海と漁業のデジタル化に欠かせません。大量のデータが集まることで、AIにより海の環境変化を早く見つけることも可能です。しかし、設備の導入やコストの課題があり、海のデジタル化は始まったばかり。もっと多くのデータ収集の仕組みとアイデアが求められています。

水質を自動で計測するスマートブイ

新しい監視技術の研究開発:海の環境保全と豊かさの回復に向けて

海の環境データをたくさん集めるには、時間的(計測の頻度)、あるいは空間的(計測地点の数や配置)にデータ量を増やす必要がありますが、費用などを考えると簡単なことではありません。そこで、海を利用する人たちに協力してもらい、人々の活動の中から環境データを集める手法が実現しつつあります。私の研究では、漁船が魚を獲っている間に自動的に海水温などの環境情報を収集するシステムを作っています。多くの船が参加することによって、広大な海の環境情報を安く効率的に集め、次世代に豊かな海を繋げるための研究を進めています。

駿河湾のシラス漁船と海水温データのマップ

【この記事は『三重大X(えっくす)vol.50』(2025年10月発行)から抜粋したものです】