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おいしさって何だろう?!

2022.12.26

おいしさって何だろう?!

教育学部・教授 平島 円

平島教授の写真

食べ物のおいしさ

おいしいものを食べたい、これは人間特有の食に対する要求です。では、おいしいとはどういうことでしょうか。味が良いこと、香りが良いことだけでおいしさは決まるものではありません。適温であること、見た目の良いこと、食感の良いことなど、食べ物そのものが持ついろいろな特性が合わさって、おいしいと感じます。また、その場の雰囲気や他者からの情報、うれしいときや悲しいときなど自分の心理状態や健康状態なども、おいしさには大きく関わります。

図:おいしさを感じる要因

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食べ物のテクスチャーって何?

食べ物のおいしさに関わる要因のなかに、食感の良いこと、つまり「テクスチャー」が好みに合っていることがあります。テクスチャーとは、口やのど、または手で感じる食べ物のかたさややわらかさ、流れやすさなどのことです。テクスチャーがおいしさに大きく関わる食べ物は、ご飯、餅、だんご、こんにゃく、とうふなど水分を多く含むものです。日本にはこういった伝統的な食べ物が多く、日本人は敏感にテクスチャーに反応します。

図:水分を多く含む日本の伝統的な食べ物

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多糖類の多様性!

食べ物のテクスチャーの多くを担っているものは、多糖類です。でんぷんや寒天、こんにゃく、ペクチン、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウムなどいろいろな多糖類があります。片栗粉でとろみがつく、ゼリーが固まるなど、身近な食べ物にはたくさんの多糖類を使われています。これらの多糖類の固まり方やとろみの付き方が条件によってどういう風に変わるのかを研究し、おいしいテクスチャーを生み出す基礎研究をしています。

図:おいしいテクスチャーを生み出す多糖類

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【この記事は『三重大X(えっくす)vol.45』(2021年12月発行)から抜粋したものです】