
重点リサーチセンター
記憶分子光解析センター
Optical Neurobiology Centerセンター概要
私たちの脳は、外部からの刺激に応じて柔軟に変化できる能力、つまり「可塑性」を持っています。ヒトの脳には約1000億もの神経細胞があり、それぞれが数百のシナプスを介して巨大な神経ネットワークを形成しています。脳で可塑的な変化が起こると、このシナプスの伝達がダイナミックに変化します。これを「シナプス可塑性」と呼び、記憶などの高次脳機能にとって非常に重要です。一方で、記憶の獲得や固定化、貯蔵といったメカニズムには、分子レベルからシナプス、細胞、さらには個体全体に至るまでの階層間の相互作用が重要とされていますが、その詳細はまだ解明されていません。本センターでは、マウスをモデル動物に、先進的な顕微鏡イメージング技術や光操作技術を駆使し、特に記憶の貯蔵に焦点を当てた階層横断的な研究を展開します。この研究は、将来的にヒトの記憶メカニズムの解明や、記憶力低下を伴う神経変性疾患や脳の老化の予防・治療に重要な知見をもたらすことが期待されます。