半導体の結晶科学とデバイス創製センター

卓越型リサーチセンター

半導体の結晶科学とデバイス創製センター

Research Center for Materials Science and Advanced Electronics Created by Singularity

センター概要

 半導体は、単なる部品ではなく、自動車、家電をはじめ各種製品の基幹部品となっている。
 従来(20世紀)の半導体結晶学では、半無限に拡がった周期ポテンシャル(周期的な原子配置)を基にバンド構造や電子・光物性が計算され、デバイス設計がなされてきた。一方、科学研究費 新学術領域研究「特異構造の結晶科学~完全性と不完全性の協奏で拓く新機能エレクトロニクス~(2016~2020年度、計画班代表:三宅秀人)」では、完全結晶と欠陥の共存という新概念を提案し、窒化物半導体を中心に強い先端的な研究成果を得ると共に、国内外に強力な研究ネットワークを構築し、三重大学はそのプラットフォームとして中心的な役割を果たした。
 代表者は、三重大学卓越型リサーチセンター「特異構造の結晶科学」のセンター長として、2017年度から2022年度まで三重大学を代表する研究を展開している。特に、文部科学省 地域イノベーションエコシステム形成プログラム「深紫外LEDで創生される産業連鎖プロジェクト」(2017-2021年度)で中心研究者を務め、2021年12月に深紫外LEDで世界最高の発光効率8.0%を達成し、世界的にも非常に高い評価を得ている。特に窒化物半導体を用いた結晶成長及びデバイス形成で、この分野のプラットフォームとしての機能を有し、また高品質な窒化アルミニウム(AlN)作製の独自技術を生かして、深紫外LEDや半導体レーザーで世界をリードする成果を発表してきた。
 「半導体の結晶科学とデバイス創製センター」においては、光デバイスだけでなく高移動度トランジスタなどの電子デバイス開発を行うと共に、その学術の深化により新しい基礎技術やその展開技術の開発を目指す。また、三重県北勢地域は、キオクシアとウエスタンデジタルが世界の1/3の半導体メモリを製造し、USJCはデンソーとパワーデバイス製造を行うなど、日本における半導体産業の重要拠点となっている。申請者らは世界レベルの研究開発を実施することで、国内外の研究者と議論を行う機会を持っていることから、共同研究に加えて人材育成でも高いレベルを実現し、地域企業に貢献する。科学研究費を中心とする学術研究に加えて、他大学や企業と連携してデバイス開発に繋がる研究を展開し、受託研究や共同研究等の外部資金を獲得して研究を推進する。

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