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31_まず予防!家族で取り組む糖尿病発症予防(継続2年目)

【活動の概要】

1.本活動の背景,必要性,目的

今や成人の5人に1人が糖尿病または境界型糖尿病であり、以前より行政を主体とした健診受診の啓発や対策事業も進められているが、今なお患者数は減少しない。近年、大規模試験結果に基づく治療や治療薬の開発により糖尿病治療は飛躍的に進歩しているが、それでも重症合併症にまで至る患者数はいまだ多く、重症化する患者では発症の発見や治療開始の遅れ、治療中断など、糖尿病に対しての知識が不足していることが多い。

現在、国の糖尿病対策は医療費が多く費やされる合併症に重きが置かれ、糖尿病腎症重症化予防などの対策にシフトしているが、そもそも、発症を予防すれば、または発症を何とか遅らせることが重要であり、今こそ、改めて発症予防、早期発見が必要と考える。

しかしながら、公開講座などを行っても、そもそも糖尿病に興味のある老年世代の参加ばかりで、あまり健康に興味を持っていない発症前の30~40代の参加はほとんど見込めない。また、2型糖尿病の発症要因は遺伝要因+生活習慣病だが、自身が糖尿病を発症する可能性が高いかどうかすら(血族に糖尿病が発症しているかどうか)知らない人が多い。また、遺伝因子だけでなく、悪い生活習慣まで子に伝わり発症を招いていることも少なくない。

そこで、我々は、行政や企業、各種団体と協力し、食育や、家族で楽しめるイベントなどを盛り込んだ公開講座を開催し、発症前の世代へ向けた啓発をめざすこととした。今年度は、より子供への糖尿病啓発に重点を置く予定であり、1型糖尿病の啓発についても強化する予定である。

また、「みえ糖尿病サポートねっと」を拡充、活用し、平成29年度より新たに始まった地域糖尿病療養指導士(CDEL)の認定試験の周知や、行政、各団体の取り組み、糖尿病患者会の情報を積極的に発信する。

2.活動地域と内容

  • 三重県全域
  • 糖尿病に関する公開講座やイベントの開催
  • みえ糖尿病サポートねっと(三重県の委託で作成、糖尿病・内分泌内科が引き続き運営しているホームページ)を拡充

3.期待される活動成果等

  • 若い世代の糖尿病への関心の向上
  • 糖尿病の知識の向上
  • 糖尿病の発症予防、早期発見→長期的には医療費の削減
  • 地域糖尿病療養指導士の増加
  • 糖尿病患者、家族へのサポートの向上

→2019年度活動状況報告書