先進地視察研修
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先進地視察について
                    コーディネーター 安食和宏

 7月8日から10日まで、活性化大学のメンバーと共に先進地視察に参加して、有意義な時間を過ごすことができた。初日は台風の影響で予定していた飛行機が飛ばず、仙台経由のルートになったため、岩手県の施設の見学が全てキャンセルとなったのが残念だったが、2日目と3日目に「たざわこ芸術村」「角館武家屋敷町」「秋田ふるさと村」の3つを中心に見学することができた。

 今回の視察のキーワードは「文化」である。文化と地域活性化をいかに結びつけるか、まじめに考えたらなかなかなか難しいテーマである。芸術活動が結果的に地域振興にまでつながった「たざわこ芸術村」、また行政主導の立派な施設をもつ「秋田ふるさと村」など、色々なタイプがあり、それらをきちんと自分なりに消化するのにとまどっているというのが本音である。

 しいていうならば、私にとって一番印象に残っているのは「たざわこ芸術村」である。これは、地域活性化においては特殊な形態だろうが、何といっても、熱心に真剣に取り組んでいる人々が面白かった。普通の農村の真中に立派なホールを作る、温泉を掘ってみる、地ビールを作ってみるという、一見矛盾しているようなでたらめさ
(言葉悪いですが)は、なかなか他では見られない。しかしそれが、情熱的な人々に支えられて何とか成り立っているという絶妙のバランス加減が面白い。東紀州にあてはめてというのは簡単でないが、結局何をやるにしても、人々の熱意と工夫、そして実行力というのが根幹になるのだろうか、などと考えた。

 文化と地域活性化の結びつきは、要するに何通りもあるのだと思う。自分たちの誇れるもの、こだわりたいものをいかに大事にして育てていけるか、そのあたりから進めていくしかないだろう。それにしても、先進地視察を通して、各地の元気な人々と接するのは本当に面白い。全国各地で色んな人が色んなことにこだわって活動している。その元気を少しずつわけてもらいながら、自分たちの元気につなげていきたいものだ。

先進地視察の目的

 安食ゼミナールのテーマが当初、「文化」のなかでも芸術、伝統工芸ということであったので、今回の先進地視察で東北の風土や伝統文化を生かした独自の芸術を創造している箇所を見て学び、そこから「熊野芸術」(熊野独自の芸術文化)を東紀州に生まれさせる手法、ヒントを学ぶことが目的であった。

 花巻文化村(今回の視察は中止になった)や田沢湖芸術村では、民間主導で地域文化・芸術を発展させていこうとする試みを学び、秋田ふるさと村では秋田の工芸、芸術の理解を深め、秋田の文化をすべて集めたこのような大規模施設による秋田の伝統文化保存、文化発信方法について学びたいと考えていた。

 また東北は、東紀州同様に森林資源の豊富な地域であるので、東紀州との共通点や、東紀州でも応用できるなにか新しい発見を見つけたいと考えていた。

視察地決定のポイント

 安食ゼミの先進地視察は、仮称「東紀州芸術」を探訪する目的で候補地の検討が始まったように思います。

 伝統工芸・伝統芸能等が現代に脈々と伝わっているところをとのことで、まず沖縄や東北地方が候補に上がりました。

 結果は、民謡の宝庫であり、杉の名産地を有する、秋田県方面に決定されました。東紀州との違いを感じると共に、この地域に生かせる事象があればと、先進地視察に出発しました。

 日本を代表する祭など昔ながらの伝統文化(民族工芸)の数々がこれからの自分達のゼミテーマを満たしていると思い東北地方の視察を希望しました。

視察地の概略
たざわこ芸術村
 劇団「わらび座」を中心とした芸術分野と田沢湖ビールを食することが出来るブルワリーパブとの複合施設として、約10万平方メートルの広大な敷地の中に各種エリアを設け、創設から26年、地域の中核産業に成長し地元住民に雇用の創出を生みだし、町の情報発信基地となっており、まさに地域興しの担い手となっています。
角館武家屋敷町
 角館(かくのだて)は東北の小京都と呼ばれている。武家屋敷に代表されるように江戸の情緒を色濃く残している。
秋田ふるさと村
 秋田ふるさと村は、県立美術館・かまくらシアター・工芸展示館・手作り体験工房・ワンダーキャッスル・ふるさと料理館などの施設群からなる広大なテーマパークです。第3セクター方式で作られた会社が経営しており、秋田の様々な工芸、民芸品を一堂に集めて秋田文化を保存、そして情報発信している。