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産業廃棄物処理場が点在する並びに居住地域での牧場経営が開始された地域の環境調査および住民の健康調査と健康教育活動

【活動の概要】
<背景>
三重県北部に1990年代から産業廃棄物処理場が点在して建設されている地域がある。2011年の健康調査から、本地域に産業廃棄物処理場が建設された翌年、粉砕機が導入された年(いずれも公的申請書類内容との照合により建設年、稼働年を調査した年度に基づく)に集中して住民の健康異常(耳鳴り、めまい、頭痛、しびれ)が発生していることが明らかになり、環境変化と健康の関連性が示唆された。また2012年から当該地域の住宅環境区域に住民の反対運動にもかかわらず牧場経営が始まった。運営開始から3ヶ月が経過するなかで臭気の問題や近隣河川の水質の変化に対する地域住民らの不満や不安がより一層高いものとなっている。申請者らが継続している水質検査からも近隣の水質の電気伝導の値に著しい上昇が認められており、今後はより頻繁の検査が必要となってきている。そこで、2013年度から自治会に設置されている環境対策の部会と連携し、短周期的なデータ収集、解析と対策の提案に携わることとなった。
<本活動の必要性>
当該地域は扇状地と平地が併設する農村地域であり、河川の水は農業経営にも影響する重大な問題である。また、1990年代から続く不当な環境変化は住民に高いストレスとなっており健康への影響もうかがわれる。そこで本研究活動を自治会と共同で実施することで、住民の環境モニタリング活動を活性化し、結果に基づいて環境改善行動や健康管理行動を推進する活動を提案していくことが重要な地域貢献になると考える。
<本活動の目的>
本活動は下記の2点を主たる目的として調査研究を行う。
・環境変化を短周期的に調査し、危険な環境変化を早期に発見し対策を講じるための提案と改善活動の啓蒙を実施する。
・周辺住民の健康調査を行い、危険な健康被害を早期に発見し対策を講じるための提案と改善活動の啓蒙をする。
<活動内容>
(環境調査)
・近隣河川の水質検査(汚染度調査、含有物質の簡易検査)
・空気の塵埃検査
・臭気チェック
(健康調査)
・質問紙による健康調査
・定期的な健康教室による血圧等の測定と健康不安の聞き取り調査
・頭髪による含有物質の調査
(啓蒙活動)
・自治会住民への報告会
・報告のためのミニレターの発行
・健康教室の開催
・自治会の環境対策の部会との情報交換

      → 平成25年度活動状況報告書