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02_まず予防!家族で取り組む糖尿病発症予防

【活動の概要】

1.本活動の背景,必要性,目的

今や成人の4人に1人が糖尿病または境界型糖尿病であり、以前より行政を主体とした健診受診の啓発や対策事業も進められているが、今なお患者数は減少しない。近年、大規模試験結果に基づく治療や治療薬の開発により糖尿病治療は飛躍的に進歩しているが、それでも重症合併症にまで至る患者数はいまだ多く、重症化する患者は健診未受診や治療開始の遅れ、治療中断などが多く、そもそも糖尿病に対しての知識が不足している、知識を得る機会がないことが多い。

現在、国の糖尿病対策は医療費が多く費やされる合併症に重きを置き、糖尿病腎症重症化予防などの各論的な対策にシフトしているが、そもそも、合併症を予防するためには、糖尿病自体の発症を予防、または発症を遅らせることが重要であり、治療が進歩している今こそ、改めて発症予防、早期発見、早期治療が必要と考える。

しかしながら、公開講座などを行っても、そもそも糖尿病に興味のある老年世代の参加者が大半を占め、あまり健康に関心のない発症前の30~50代の参加はほとんど見込めない。また、2型糖尿病の発症要因は遺伝要因+生活習慣病だが、自身が糖尿病を発症する可能性が高いかどうかさえ知らない人が多い。また、遺伝因子だけでなく、悪い生活習慣までもが子々孫々と伝わり、代々発症を招いていることも少なくない。

そこで、我々は、行政や企業、各種団体と協力し、家族で楽しめるイベント要素を盛り込んだ公開講座を開催し、発症前の世代、家族参加型の啓発をめざすこととした。

また、当科が運営している地域の皆さんへ糖尿病情報発信するためのホームページ「みえ糖尿病サポートねっと」を拡充、活用し、平成29年度より新たに始まった地域糖尿病療養指導士(CDEL)の認定試験の周知や、行政、各団体の取り組み、糖尿病患者会の情報を積極的に発信し、糖尿病予防のみならず、予防指導をするための地域の人材育成や、連携をめざす。

2.活動地域と内容

  • 三重県全域
  • 糖尿病に関する公開講座やイベントの開催
  • みえ糖尿病サポートねっと(三重県の委託で作成、糖尿病・内分泌内科が引き続き運営しているホームページ)を拡充

3.期待される活動成果等

  • 若い世代(発症前世代)の糖尿病への興味の向上
  • 糖尿病の発症予防、早期発見→長期的には医療費の軽減
  • 地域糖尿病療養指導士の増加
  • 地域の糖尿病指導等に係る医療従事者の連携支援
  • 各種企業、団体の糖尿病啓発活動の関心の向上
  • 糖尿病患者、家族へのサポートの向上

→2020年度活動状況報告書