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02_津市栗真町屋地区における耕作放棄地解消のための産学官連携プロジェクトの推進

【活動の概要】

1.本活動の背景,必要性,目的

農業従事者の高齢化や後継者不足に伴い、耕作が行われなくなり放置された農地が全国的に増加している。これら管理されなくなった農地は、農業生産の減少だけでなく、雑草・害虫の増加、ゴミの不法投棄、農地集積化の遅滞など、周囲に様々な悪影響を与える原因となっている。日本の農業は小規模農家が支えており、農地が細分化されて生産効率が悪いという課題も抱えており、国の政策として担い手への農地集積・集約化が進められている。しかし、集約化が進まず借り手が少ないこと、農地利用期間や賃料の決定など様々な課題があり、利用者のニーズに応えきれていないのが現状である。

三重大学の北に位置する三重県津市栗真町屋地区は、かつてはピーマン等の産地として名を馳せるほど農業が盛んであった地域である。しかし、現在は、農業従事者の高齢化とともに耕作放棄地が増加し、一部は雑木が繁茂する状態にまで荒廃している。また、荒廃農地には事業者が太陽光発電施設を建設しようとする動きもある。そのため、現状を放置すれば農地の荒廃が進む一方、無秩序な太陽光発電施設の建設や宅地転用などによって農地集約がさらに困難になり、以前の農地が一面に広がる景観が失われることが懸念される。

そこで本活動では、産学官連携協議会を開催し、先進事例調査、農地集約の課題整理など、三重大学との連携プロジェクトを推進することを目的とする。

2.活動地域と内容

津市農林水産部、農業委員会、地元協議会と連携しながら、津市栗真町屋地区に整備したモデル地区を活動拠点として、令和2年度は下記の内容について取り組む。

  • 1)中間農地整備事業等全国の先進事例の調査
  • 2)栗真町屋地区耕作放棄地の再生に関する協議会(産学官連携協議会)の開催
  • 3)農地情報の調査アップデートと農地集約の検討(人・農地プラン)
  • 4)農地整備及びモデル地区での作物の試験栽培等の継続実施
  • 5)連携活動のPR(成果発表等含む)

3.期待される活動成果等

  • 耕作放棄地の解消と一次産業の活性化(人・農地プラン)
  • 地域での雇用創出
  • 農地集約、農地活用ノウハウの他地域への水平展開
  • 学生参加による地域人材の育成

→2020年度活動状況報告書