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02_小山田総合施設群を拠点とした介護老人保健施設における地域性を踏まえた看護職・介護職の教育プログラムの開発

【活動の概要】

1.本活動の背景,必要性,目的

介護老人保健施設(老健)における看護職の役割は,利用者の健康管理診療の補助,療養上の世話およびリハビリテーション等とされ(全国老人保健施設協会編,2000), さらに介護職とよりよい関係で協働し,リーダーシップを発揮することや介護職への教育を行うことも求められている(日本看護協会調査研究課編,1996). 近年, 国の療養病床再編計画に伴い老健では, 医療ニーズを必要とする入所者が増加し, 高齢者施設の看護職には, これまで以上の医学的知識やスキルの向上が求められている. しかしながら, 老健における看護職員の配置基準は,入所者100 人につき 9 人と医療機関に比べ少なく、求められる役割は大きいものの,教育・研修がすでに経年毎にプログラム化されている病院とは異なり,その教育システムは試行錯誤の段階にある. 2016年日本看護協会は「看護師のクリニカルラダー」高齢者介護施設における実践例を提示したが, クリニカルラダーを達成するための施設内での教育内容, 方法など教育システムについては各施設に一任されている. 申請者のこれまでの研究を通し, 多くの施設の看護および介護管理者が, 利用者の重症化や看取りの増加に伴い, 医療事故防止, エンドオブライフケアに関する研修や継続教育などの施設内教育システム構築, さらに看護職および介護職のキャリア開発や人材育成のシステムの充実により, 離職防止につなげたいという希望がある. しかしながら, 教育を実施できる人材の不足や看護職の高齢化で学習の動機づけが難しいなど様々な理由で実現しない現状があった. そこで, 2019年度本事業の支援を受け, 小山田総合施設群の小山田老人保健施設を拠点とし,看護職・介護職の効果的な人材育成のための教育プログラム構築を目指して,施設の看護理念, 施設におけるクリニカルラダー、看護技術マニュアル等の作成を行った. 来年度は,これらを実際に活用し, 評価, 改訂を実施し,教育プログラム構築につなげることを目的とする.

2.活動地域と内容

四日市市小山田総合福祉施設群における看護職・介護職の教育プログラムの構築

3.期待される活動成果等

効果的な教育プログラムが構築されれば,モデルケースとして三重県内の他の福祉施設への導入も可能であり, 福祉施設群における看護職および介護職のスキルアップと人材育成が可能となる. また,本学にとっては,高齢者施設の教育システムの充実により看護職として三重県内の高齢者施設への就職も期待され,地域で活躍する人材を生み出すことが期待できる.

→2020年度活動状況報告書