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町屋海岸の海浜植物モニタリング -大学に隣接する生物多様性の高い砂浜を再生し,未来に-

事業の概要
(1 )背景,必要性及び目的; 三重大学キャンパスの東側に広がる町屋海岸の砂浜は,かつて環境省の調査(1978年)に基づき特定値物群落「栗真町屋町の海浜砂丘植生」に指定された自然豊かな場所であった。しかし,その後の環境悪化により,現在ではその指定を取り消されている。このような自然海岸の減少にともなう海浜植物群落の衰退は近年全国的な問題となっており,その保全の必要性は論をまたない。町屋海岸では,これまでに三重大学の地域貢献事業として,海岸清掃活動と地域の児童の環境学習を主な軸とした「町屋海岸モデル」の確立と運用が行われてきた(H20-H23,代表者,人文学部・朴教授)。本事業は,そこに「生物多様性保全」 という新たな視点を加え,三重大学の取り組みを大きく発展させる。すなわち,三重大学と地域の協働により町屋海岸の自然を再生し,生物多様性の高い砂浜を未来に残すことを目的とする。
(2)期待される成果; 申請者が昨年度に行った予備調査から,町屋海岸には希少な海浜植物が現在も残存することが確認されている。海浜植物群落の定期的なモニタリングによりその動態を把握し,適切な保全を行うことで,生物多様性の高い状態を回復することは十分に期待できる。また,自然観察会をはじめ地域の学校園の環境学習の場となる取り組みを実施することで,環境人材育成に貢献できる。

    → 平成23年度活動状況報告書