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31_東紀州サテライトを拠点とした熊野地域の小中高の児童・生徒に対する「木育」プログラムの開発と実施(継続3年目)

【活動の概要】

1.本活動の背景,必要性,目的

熊野地域は森林率88%,林業・林産業は主要産業のひとつであるが、低迷する木材価格や担い手不足が深刻化している。また、管理が十分に行われない森林は生物多様性が減少するだけでなく、土砂災害や獣害の拡大といった深刻な問題の温床となっている。一方で、木本高校や尾鷲高校の子どもたちが、自分たちの住んでいる地域が「森の国」であることをほとんど認知しておらず、スギやヒノキがどんな木なのか、見たこともない現状がある。平成29年度に実施したアンケートの結果から、生徒の少なくとも71.6%以上は地域外への進学や就職を希望しており、地域のことを知らないまま地域外へ出た生徒が将来Uターンする可能性は低いと考えられる。こうした現実の中で申請者は、熊野地域の若手林業家や林産業者で構成される「熊野林星会」とともに、地域の小学生およびその保護者むけの「木育」講座を実施している(平成30年度は平成31年3月16日開催予定)。単に木に触れるだけでなく、林業・木材産業の現状と構造理解を促すプログラム開発と実施は、児童(未来の消費者)および保護者(現在の消費者)への地域材の理解や認識を深め、児童を地域に留め置いたり、Uターン就職の意識づくりにつながり、また、地域での木材購買意識の向上、自然と人間活動の調和を図りながら持続的な地域社会の発展に寄与する人材の育成に有効である。過去3年間の活動の反響は大きく、来年度は三重県立木本高校(熊野市)での学校林を生かした木育授業の実施と、熊野地域の全小中学校への拡大を、産学官民連携体制の元で推進していく年度とすることを、関係者間で合意している。

2.活動地域と内容

三重県立木本高等学校での木育プログラムを実施する。また、熊野地域の小中高の児童・生徒を対象とした「木育」プログラムを開発し,地域の「熊野林星会」とともに実践する。熊野地域で開催される他の木育プログラムを全て連携させ、地域教育としての木育プログラムの開発を、産学官民連携のもと推進する。

3.期待される活動成果等

熊野地域の林業を担う人材の育成、自然と人間の共生を図り地域社会の持続的発展に寄与することができる人材の育成を通した、当該地域の主要産業である林業・木材産業の涵養が期待できる。

→2019年度活動状況報告書