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31_地域でのアクションリサーチで、健康増進を改善する(継続3年目)

【活動の概要】

1.本活動の背景,必要性,目的

名張市には大きな4つ健康課題はがん死亡が多い、健診の受診が低い、高血圧患者が多い、若年男性の肥満者が多い。その課題を解決するため、名張市が色な取り組みをやっている。数年に健診受診率は少しずつ増えてきますが、その他の課題はまだ残っている。(名張市国民健康保険データヘルス計画、2017)

高血圧や肥満は生活習慣病であり、予防や管理のためには継続的なライフスタイルの変化が必要である。健康の社会的決定要因のモデルには社会・地域や環境が個人のライフスタイルに影響を及ぼす。したがって、個人の健康を変えるためには支援的な環境を構築する必要もある。 Yamada(2012)が行った研究では、コミュニティベースの運動プログラムが介護および障害を予防するのに効果的であることを示した。文化的に敏感で・地域状況に合って・効果的な健康増進を実施するためには、地域アクションリサーチ(地域参加型研、community-based participatory research;CBPR)が必要である。

図1.地域参加型研究の流れ

図1.地域参加型研究の流れ

本研究の目的は、地域アクションプランリサーチを使い、地域健康づくり活動として生活習慣病の予防を改善する。若い世代から高齢の方まで参加対象に含め、運動中心で栄養と健康教育も統合するコミュニティベースのプログラムを設計した。地域のニーズに合って、健康増進や予防の活動へ参加率が増やすと期待する。本プロジェクトに参加して、参加者の健康を改善すると期待されている。一方、名張市は本研究で、地域の健康を増進し、モデル事業として他の地域に広げることも可能である。これらすべての活動に、地域の発展と住民エンパワーメントを目指して、地域住民とステークホルダーが積極的に協力することが望まれる。

本年度の目的は、作成したプログラムを行い、地域健康づくり活動として生活習慣病の予防を改善する。

2.活動地域と内容

名張市の人口は79,167人(2018年)である。近鉄大阪線の沿線で、大阪都市圏へ約60分の位置にあるため大阪府や奈良県のベッドタウンとして発展した。働いている若い世代が多いですが、高齢の方も多い(41.2%)。(名張市統計書、2017)

三重県の中で、名張市は独特な健康づくり活動を行っている市である。名張市のその1つの当別取り組みはまちの保健室がある。健康・保健・福祉相談窓口として、名張の全15地域で立っている。それに加えて、各小地域が自らの健康づくりを自由にすることができる。また、2016年以来、「まちじゅう元気リーダーのプロジェクト」を開始している。また、名張市には同市の寄附により三重大学医学部名張地域医療学講座が設立されており、個々を中心に地域医療に関わる様々な研究や教育が実施されている。

名張市の健康増進システムには、大きな可能性がある。しかし、各地域における多様性は非常に大きい。各小地域の活動は地域の指導的立場にある人の関心に基づいており、そのいくつかは統合されているというよりも散発的になってしまっている。

したがって、本研究では地域のステークホルダーと協力して(市の職員と医療者を含む)、地域のニーズを評価した。まちづくりの会員(青年会を含む)が協力して、本プロジェクトの続くを期待している。健康増進プログラムは地域住民全体を対象としているため、健康的なライフスタイルの推進が行われる。

図2.プロジェクトの内容

図2.プロジェクトの内容

本プロジェクトでは大別して3種類の活動を予定している。【別添資料1】

  •  ①健康教室
    年に3~4回、健康教室を実施する。地元の医師が生活習慣病(糖尿病・高血圧・脂質異常症)について(症状、合併症、罹患、死亡、予防、治療等)講演する。教室後に元気リーダーが教室の概要をリーフレットにまとめ、地域の活動で配布する。
  •  ②運動
    1~2ヶ月に1回運動教室を行う。健康運動指導士が運動教室で運動の正しいやり方や家で自分でもできる運動を教える。元気リーダーは、教室での指導を手伝う。その後、1ヶ月に1~2回、元気リーダーが担当地区で行われる活動で簡単な運動を指導する(名張よくばり体操やストレッチやスクエアステップ等)。
  •  ③食育
    年に3回市民センターで管理栄養士が栄養バランスについて講演を行い、地元の食材を使って料理教室を実施する。元気リーダーが管理栄養士と一緒にヘルシーレシピを開発する。開発したヘルシーレシピを地域の通信(たきこちゃん通信)に載せて配布する。

プロジェクトの実施前、中間、実施後の3回、測定を行う。測定項目はBMI、腹囲、血圧、体組成(InBodyを利用)、血糖、HbA1c、体力、身体活動、食事記録、ヘルスリテラシーとする。

プロジェクト終了後、研究中に発生した現象を確認するために、10~15人の参加者を意図的に選んでインタビューを行う。ポジティブな変化に焦点を当てるため、1年間のプログラムの後に良い変化を示した参加者を選択する。深層インタビューを用いて、改善の促進要因を調査する。データが飽和に達しない場合、参加者数が追加される可能性がある。

3.期待される活動成果等

地域のニーズや好みに合った健康増進プログラムを設計することにより、生活習慣病を予防やマネジメントすることが期待される。また、本研究の参加者の健康を改善すると期待されている。そして長期的には、同地域住民の健康寿命を延ばし、かかる費用の介護保険の必要性を減らすことが期待される。このプログラムが有益であると証明されれば、名張市職員は他のすべての小地域でもプログラム申請を広める可能性がある。一方で、これらの研究は、三重大学医学部名張地域医療学講座や三重大学に対する名張市の委託研究事業「名張市における在宅医療に関わる研究」の研究活動として行われるため、三重大学の地域に資する研究の業績も増加することが期待される。また、同地域の名張市立病院を中心に行われている家庭医療・総合診療専門医の卒前教育や総合診療の研修医にも組み込めば、地域に資する教育がさらに充実することになる。

別添資料1

→2019年度活動状況報告書