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31_三重県の中大規模木造建築設計者の育成と空き家対策(継続2年目)

【活動の概要】

1.本活動の背景,必要性,目的

平成22 年10 月に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行され、中大規模木造施設を対象とした工法検討や技術開発が活発化している。しかし建築関連事業者は、中大規模の木造建築に関わる機会がこれまで少なかったことが原因で、木材を提供する森林林業従事者・木材製造流通事業者との適切な情報 共有がなされていないことが大きな課題となっている。そこで、三重県産材を活用 した中大規模建築物の木造・木質化に取り組むために、森林林業・木材製造流通・木造建築に関して理解しておくべき事項を学び、地域の森林資源の有効活用につながる木材利用に関する基礎情報の共有を行う。具体的な設計演習を通して、木造建築物の設計監理の技術とノウハウを身に着ける試みを行う。

一方、全国的に空き家対策(中心市街地の空き家率:15%程度)は急務であり、上記育成者と共に、リフォーム等のハード面のみならず、利活用を含めたソフト面 にも力を注ぎたい。

2.活動地域と内容

【中大規模木造建築設計者の育成】

三重県農林水産部森林林業経営課と協力して、県内一級建築士を対象に中大規模木造建築設計者育成セミナーを平成 30 年度実施した 添付資料 1(pdf)。今年度の成功を受け、次年度以降はみえ森林・林業アカデミーの選択科目として継続実施する体制を整えた。今年度の受講生は主に意匠設計者が中心であったが、次年度は意匠設計者と構造設計者の割合が2:1となるようセミナーを実施予定である。

【空き家対策】

前任地である島根県において今年度含め 6 年余り活動を続けてきているが、継続活用のためには維持管理費がかなりかかり、施主の持ち出し負担の軽減が喫緊の課題であった。そこで平成30年度から、芸術家を募り、創作工房やギャラリー 添付資料 3(pdf) としての利活用を試みると共に、自治会の集会所としての利用を試みた。また、文化庁の補助事業による屋根改修工事を行った 添付資料 2(pdf)。次年度以降、継続的に試行し、対費用効果を見極めたい。

3.期待される活動成果等

全国的な上記課題に対し、一地方都市である三重県から産官学連携プランとして全国に提案でき、国内のトップランナーとして位置づけられるであろう。尾鷲・熊野の優良木を有している三重県だからこそ活動成果達成は非常に高い。

→2019年度活動状況報告書