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31_三重大学隣接中学校区の学校園における学習及び活動支援(継続2年目)

【活動の概要】

1.本活動の背景,必要性,目的

【本活動の背景】

三重大学教育学部は2006年(平成18)年より、一身田及び橋北校区という、三重大学に隣接する中学校区(以下、一身田・橋北校区)にある全11校園(3幼稚園、6小学校、2中学校)を対象として、津市教育委員会と連携しながら、地域貢献事業を展開してきた。これまでに文部科学省から以下のような事業助成を受けてきた。

  • 2006(平成18)年度~2008(平成20)年度 文部科学省「現代的教育ニーズ取組支援プログラム -教育実践力の育成と学校・地域の活性化-」事業
  • 2009(平成21)年度~2012(平成24)年度 文部科学省 大学教育推進プログラム 大学教育学生支援推進事業「隣接学校園との連携を核とした教育モデル -多様な教育課題に対応できる教員養成を目指して-」

文部科学省からの資金助成の終了後の2013(平成25)年度から現在までは、活動費を学部予算で工面して実施してきた。

これまでの地域貢献活動の主な内容は、1)大学教員による学校園での授業実施、2)学生による授業支援及び学校園活動支援、3)学校園教師を対象とした大学教員による研修の実施である。

この一身田・橋北校区での地域貢献活動を円滑に進めるために、一身田・橋北校区11校園の代表、津市教育委員会の担当者、教育学部の一身田・橋北校区連携推進委員会委員から構成される一身田・橋北校区地域連携連絡協議会を設置して運営している。

【本活動の必要性】

津市教育委員会は平成29年1月に「津市の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱」を策定した。それによれば、以下の3点を重点となる柱にしている。

  •  1)教員が子どもたちと向き合う時間の確保
  •  2)組織的・機動的な学校経営
  •  3)まち全体で子どもたちを支援する教育環境の整備

また、一身田・橋北校区の学校園では、子ども一人ひとりの教育的ニーズに細やかに対応すること、授業の充実を図ること、学校園諸活動を充実させることを重点課題に挙げている。したがって、本学学生による授業支援や学校園活動支援の充実を図ろうとする本活動は、地域の学校園に必要とされる事業といえる。

【本活動の目的】

本活動は、これまで進めてきた地域貢献活動の3つの内容のうち、2)の学生による授業支援及び学校園活動支援の活動に注力しようとするものである。
具体的には以下のような取り組みを実施する。

  • 教育学部の学生が一身田・橋北校区の小学校・中学校での授業に参加し、児童、生徒の学習の補助や支援をおこなうことによって、一人ひとりの児童、生徒の確かな学びを保障する。
  • 当該校区の幼稚園・小学校・中学校の行事等の活動に参加し支援することによって、学校園の活動の活性化に寄与する。
  • 学校園での授業や活動に実際に参加することによって、教員養成段階における学生の実践的指導力の基礎を培う。

2.活動地域と内容

活動地域:一身田・橋北校区の幼稚園・小学校・中学校
活動内容:(例)

  •  1)学生による小中学校での定期的な授業支援
    小中学校での毎週の算数・数学・理科の授業への支援。
  •  2)学生による小中学校での集中的な授業支援
    小中学校での理科の観察・実験授業、家庭科の調理実習・ミシン実習、体育科の水泳学習・体つくり運動、生活科の地域探検やおもちゃづくり授業、音楽科の合唱指導、情報教育、防災教育、特別支援教育などの授業支援。
  •  3)学生による幼稚園・小中学校での行事等の活動支援
    幼稚園内外の園活動の支援、小学校での体力測定や国際交流活動等の行事の支援。

平成31年度は、平成30年度と同様、80のプログラムの実施を予定している。

3.期待される活動成果等

本活動の成果として期待される第1は、対象学校園の授業をはじめとした教育活動の充実と、園児、児童、生徒一人ひとりに対するきめこまやなか支援による学びの保障である。学生が支援に入ることによって細やかに学習補助をおこなうことができる。また観察や実習を主とする授業では、多くの学生が支援に入ることによって、一人ひとりの園児、児童、生徒に応じた指導を進めることができるようになる。

期待される成果の第2は、学生の実践的指導力の向上である。大学1年生から現場での学習・活動支援に参加することを通して、学校現場を身近に感じるようになり、園児、児童、生徒との関わり方、授業の進め方、教師としての姿勢などを具体的に学ぶことによって、教師としての指導力や心構えを実践的に身につけていくことができるようになる。

さらに、隣接する2つの中学校区と連携して地域貢献と教員養成を併せて進めている事業は全国で唯一であり、そうした先進的な事業を継続的に発展させられることも大きな成果として見込まれる。

→2019年度活動状況報告書