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31_津市栗真町屋地区における耕作放棄地解消のための産学官連携プロジェクトの推進

【活動の概要】

1.本活動の背景,必要性,目的

農業従事者の高齢化や後継者不足に伴い、耕作が行われなくなり放置された農地が全国的に増加している。これら管理されなくなった農地は、農業生産の減少だけでなく、雑草・害虫の増加、ゴミの不法投棄、農地の集積化が遅れるなど、周囲に様々な悪影響を与える原因となっている。日本の農業は小規模農家が支えており、農地が細分化されて生産効率が悪いという課題も抱えており、国の政策として担い手への農地集積・集約化(農地中間管理機構の整備)が進められている。しかし、借り手が少ないこと、農地利用期間や賃料の決定など様々な課題があり、利用者のニーズに応えきれていないのが現状である。これらの課題を解決するには地域に合わせた農地の特性把握、農地所有者との調整などが不可欠である。

 三重大学の北部に位置する、三重県津市栗真町屋地区は、かつては京阪市場の8割を占めるほどのピーマン産地として農業が盛んであった地域である。しかし,現在は、農業従事者の高齢化とともに耕作放棄地が増加し、約40haある農地のうち16.5haが耕作放棄地となっている。中には樹木が生え、農地として活用するには開墾が必要なほど荒廃している農地もある。いま、農地集約・活用の対策を講じなければ、太陽光発電事業者の参入や宅地転用などによって農地集約がさらに困難になると予想される。そこで本活動では、津市栗真町屋地区における耕作放棄地解消を推進するために、産学官連携協議会を発足させ、先進事例調査、農地・地権者の現状調査、課題整理、三重大学との連携プロジェクトの立案、次年度予算獲得に向けた連携を進める。

2.活動地域と内容

活動する地域は、三重県津市栗真町屋地区であり、国道23号以東に農地が広がり、肥沃な土壌と豊富な地下水、名古屋・京阪市場へアクセスしやすいなど農業には好条件の地域である。

津市農林水産部、農業委員、地元住民と連携しながら、平成31年度は下記の内容について取り組む。

  •  1)中間農地整備機構等全国の先進事例の調査
  •  2)農地の現状調査(面積、耕作地、除草のみ、完全放棄など)
  •  3)農家・地権者情報の集約、データベース化(津市との協同)
  •  4)津市、地域住民、企業、大学による産学官による協議会開催
  •  5)大学連携による集約農地利活用のプロジェクト立案、大型競争的資金の獲得

3.期待される活動成果等

  • 耕作放棄地の解消と一次産業の活性化
  • 地域での雇用創出
  • 農地集約・活用ノウハウの他地域への水平展開
  • 学生参加による地域人材の育成

→2019年度活動状況報告書