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30_伊賀地域における農地地すべり概成判断に向けた支援活動

【活動の概要】

1.本活動の背景,必要性,目的

伊賀市の北部に位置する府中地区は,昭和38年に地すべり防止地域に指定され,三重県(伊賀農林事務所)が対策工事を進めている。本地区は現在まで各種の対策が実施され,その効果が発揮されているため地すべりは沈静化しており,豪雨時にも大きな被害の発生が見られていない。そこでこの地すべり地区の概成に向けた判断を行うに当たり,対策工の健全性評価を行うとともに,概成に向けた勉強会を開催し,行政職員の地すべり概成に向けた支援活動を行うものである。

2.活動する地域と内容

地すべり防止地区府中地区において,抑止工として施工されたアンカーの健全性調査を行うことで地すべり状況の判定を行う。また,関係者に対し地すべり概成に向けて必要な知識を得るための勉強会を開催する。加えて,過去の降雨状況や災害発生履歴をもとに現在運用されている地すべり地区の豪雨避難基準を検証し,現状にあった豪雨避難基準を提案する。

3.期待される活動成果等

地すべり地区の概成基準は,事業ごとに地区に見合った基準が策定されるが,三重県での農地すべりはこの1箇所のみで前例がない。このため概成に向けた支援活動により三重県職員の人材育成を行うとともに,適切な概成判断基準の策定につなげることができる。
また,申請者は農林水産省における農地地すべり設計基準の改定にあたり農地地すべり意見聴取会の座長を務めており,本支援活動の成果は今後の国内における農地地すべりの設計基準の改訂にも生かせるものともなる。

平成30年度活動状況報告書