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30_東紀州地域の星空の観光資源化(神々が愛した星空発信プロジェクト)

【活動の概要】

1.本活動の背景,必要性,目的

東紀州地域は世界遺産の熊野古道をはじめとした文化的資源や豊かな自然があり,観光資源として活用されている。一方で,当該地域は国内有数の美しい星空が見られるにもかかわらず,その価値がほとんど認識されてこなかった。昨今,「星空ツーリズム」という言葉が生まれ,美しい星空を見たいという層が増えている。例えば長野県阿智村は「日本一の星空」をキーワードに星空を資源化し,人口7000人弱の村に年間10万人を超える人が星空を見るためにやってくるまでになっている。これにより宿泊施設だけでなく飲食店や土産物店,輸送業等にも経済的波及効果が生まれている。

東紀州地域は世界遺産の熊野古道を有し,文化的知名度は世界クラスである。昼間の充実したアクティビティに夜間のアクティビティを加えることができれば,日帰りで東紀州を訪れていた層に宿泊してもらうことができ,活性化に貢献できる。

星空を観光資源化する場合,単に星空を眺められる場所を提供すれば良いわけではない。
星空をどのように紹介するか(コンテンツの作成,曇天・雨天時の対応),星空解説を担う人材の育成,宿泊地と観望場所への交通,良好な星空環境の維持(照明環境の整備),情報の発信(都市圏へのPR)など,様々な分野との連携が必要となる。

以上を踏まえ,本活動では星空をキーワードに地域活性化を行うための課題抽出と解決策の検討を行うとともに,東紀州地域の特性を活かした資源化の提示を目指す。

2.活動する地域と内容

パイロット的な取り組みとして,熊野市を対象とする。星空の観光資源化を行う際には,まずは適切な場所の設定が必要となる。そのため,熊野市の複数地点で夜空の明るさの測定を行い,候補地の選定を行う。その上で,実際に星空観察会等のイベントを実施し,参加者からの聞き取り等から継続的な取り組みとする場合の課題の抽出を行う。合わせて,地域内での横の連携の在り方についても検討を行う。

3.期待される活動成果等

  • 星空の観光資源化に向けた基礎データを収集することができる。
  • 地域住民に観光資源として認識してもらうことで,良好な星空環境維持が図られる。
  • 星空を目的とした観光客と宿泊の増加が期待される。
  • 様々な業種を横断的な取り組みにできる。

平成30年度活動状況報告書