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29_光技術による産学官の連携と地域産業の振興

【活動の概要】

1.本活動の背景,必要性,目的

<背景>
光製品は、日常生活や各種産業のあらゆる分野で利用されている。特に、最近の白色LEDの高効率化に伴い、LED照明機器が盛んに開発され、普及が進んでいる。しかし、LED照明器具をはじめ、光製品を活用することや新製品を開拓するためには、光の基本的な特徴を十分に理解することが必要不可欠であり、そのためには光を専門とする研究者による助言と指導の役割は非常に大きい。さらに産学連携で新製品開発に取り組み、国内外で競合する製品との差別化が可能な製品が開発できれば、地域産業の活性化に貢献できるものと考えられる。

申請者はこれまでに三重県ハイテクフォーラム光応用技術研究会でアドバイザーを務め、三重県内の中小企業を中心とした産業界のメンバーと情報交換を行ってきた。また地元企業とLEDを用いた照明技術やナノ構造を用いた光学素子に関しての共同研究を行ってきた。これらの活動を通して光を用いた技術に関するニーズがあることがわかってきた。

<本活動の必要性と目的>
上記背景を踏まえ、光技術で地域産業の活性化を目指すには、三重大学、三重県工業研究所、民間企業が共同で光技術の基礎と応用に関する情報提供と議論の場を提供し、産学官連携を通して光を用いた新製品の開発への道筋を作ることが必要であると考えている。

本活動では、その足掛かりとして三重大学と三重県工業研究所との連携の強化を図り、地域の光技術に関する拠点形成を目指すことを目的として活動を行う。

2.活動する地域と内容

三重県内を中心に活動を行う。昨年度末に三重県工業研究所に譲渡したLED配光測定装置をはじめ、光計測に関連する機器を県内企業等に広く利用してもらうために、三重県工業研究所と協力して利用促進活動を行う。

また、申請者が持っているナノ構造の作製技術とそれを利用した光制御技術やLED照明の測定技術を活用して、三重県工業研究所との共同研究の可能性を模索する。

3.期待される活動成果等

本活動を通して、LED配光測定装置をはじめ、光計測に関連する機器が三重県工業研究所の開放機器として広く認知され、三重大学と三重県工業研究所が光計測技術の拠点になるだけでなく、LED照明や植物工場などで産学官の連携による共同研究等が実施できるようになることを期待している。

また、三重大学と三重県工業研究所が共同して光技術に関して新しいシーズづくりができることも併せて目指したいと考えている。

平成29年度活動状況報告書