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27_桑名市における家庭・学校・地域連携のいじめ予防活動の推進

【活動の概要】

1.本活動の背景、必要性、目的
 平成25年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」では、小学校でのいじめ認知件数が 118,805件、中学校でのいじめ認知件数が 55,248件と報告されている。全国的にいじめによる自殺も生じており、学校現場ではいじめの問題への対応が喫緊の課題となっている。三重県桑名市の学校現場においても同様である。さらに、「平成26年度桑名市いじめの問題に関する児童生徒の実態調査」の結果から、いじめを抑止しようとする意識、態度が小学5年生から著しい低下が示されており、いじめの予防や早期発見の難しさがうかがわれる。また、小中学校の現場から、スマ ートフォンを使用したインターネット上のトラブルが多く報告され、ネットいじめに対する対応も望まれている。
 桑名市では、平成26年度から28年度重点教育目標として、「学力の向上」、「子どもをつなぐ」、「いじめの根絶」が挙げられていることから、本活動の必要性は非常に高いといえる。本活動では、主に、各学校で生じた事例や対応、各学校での予防活動の取り組みをアンケート調査し、それを踏まえ、桑名市内の家庭、学校、地域が参加するいじめ予防に向けた市民フォーラムを企画・実施する。実際に桑名市の子どもたちが経験したいじめの現状を学校が共有することは、対応や予防を考えるうえで必要である。また、市民フォーラムでは、学校が一方的にいじめ予防活動を提案ではなく、家庭や学校、地域が直接対話し、お互いの立場からいじめについて、子どもたちについて見て、それぞれができるいじめ予防活動を考えるワークショップの実施を予定している。参加する市民にとって、家庭や地域での子どもへの関わり方を見直すきっかけとなり、子どもへの見守りや子どもとの関係づくりへの示唆が得られるものとする。いじめを予防するために、家庭や地域のより良い子育て環境づくりを進められるという点でも、本活動の必要性は高い。
 桑名市内小中学校でのいじめの現状と対応(事例)を調査し、その調査結果をもとに、家庭、学校、地域の三者が参加する予防活動を企画実施することである。

2.活動内容
 桑名市内小中学校の教職員を対象に、各校で経験したいじめの現状と対応(事例)について記述式のアンケート調査を行う。近年報告が増えているスマートフォンを使用したインターネット上のトラブルについても、いじめにつながりやすいため調査内容に含める。個人情報保護のためにアンケートの事例内容をまとめたものは、各学校での研修等で使用できるように、学校現場にのみ報告する。
 次に、調査結果の内容をふまえ、桑名市内の家庭、学校、地域が参加する市民フォ ーラムの企画・実施を行う。講師を招聘し、子どもを取り巻くインターネット環境についての講演、いじめに関する学習会とともに、家庭、学校、地域が共同で予防活動について考えるワークショップを実施する。市民フォーラムで議論された予防活動案をもとにした、パンフレットやポスターを作成する。市民フォーラムには桑名市内の一部の家庭、学校、地域からの参加が推測される。そこで、桑名市内の各家庭、各学校、各地域、子どもたちへと予防活動を浸透させるために、広報媒体を作成し、全市内に配布する。実施者間で打ち合わせ、報告を適宜行い、活動成果をまとめる。1年目の活動をふまえ、2年目以降の活動に活かしていく。

→平成27年度活動状況報告書