clear
27_科学工作教室を通した県内小中学校教員に対する理科教育啓発活動

【活動の概要】

1.本活動の背景、必要性、目的
 この活動の基盤は応用物理学会主宰のリフレッシュ理科教室です。近年叫ばれている「子供の理科離れ」を改善するため、実際の教育現場で子供たちと向き合っている小中学校の先生方に理科の楽しさを実感していただき、その体験を日々の教育活動に活用してもらう事を目的として科学工作教室を実施しています。また同時に、子供たちにも直接、理科やものづくりの楽しさを実感してもらうための工作教室も実施しています。工作の内容は先生方も子供達も同じものですが、先生方には学校の授業で活用して頂くことを前提に原理も含めたより高度な内容を伝え、子供たちにはより楽しく工作を行い理科に親しんで頂けるようにテキストや工作指導の方法を工夫しています。
 このリフレッシュ理科教室は応用物理学会、津市教育委員会、みえこどもの城と三重大学大学院工学研究科が協力する形で平成14年度から継続して開催しており、毎年40名程度の先生方、200名程度の小中学生に参加してもらっています。なかには、毎年ご参加頂く先生方もあり、地域の先生方から極めて好意的な評価を頂いているものと考えています。

2.活動内容
 このリフレッシュ理科教室は、毎年8月の下旬に3日間にわたり開催しています。
 まずは三重大学を会場とし2日間開催し、3日目は松阪市のみえこどもの城に会場を移して開催します。
 初日は、津市内の小中学校の先生方を対象に、小中学校のクラスでも手軽に扱える工作を体験して頂きます。同時に様々な科学実験の展示も行っています。この工作教室は津市教育委員会の教員研修も兼ねており、必ずしも科学になじみのない先生方にも理解して頂けるよう、理科工作や様々な演示実験の原理を解説し、物理や科学を身近に感じてもらえる様な工夫をしています。先生方には童心に帰って工作に取り組んで頂いており、良いリフレッシュになったと毎年好評を頂いています。
 2日目は、津市内の小中学生を対象とした工作教室を行なっています。午前1クラス、午後2クラスの3部構成となっており、のべ200人弱の子供達に参加してもらっています。以前と比べて小中学校において科学実験を扱うことが少なくなったといわれる昨今、子供達には貴重な体験・学習の機会を提供させて頂けているものと考えています。さらに、子供達が工作を行っている時間を利用し、その保護者を対象とした「親のための理科教室」も実施しています。ここでは、子供達が行っている工作内容の解説、身近な現象を題材とした演示実験などを行っています。これにより、理科教室終了後、親子で理科工作教室での内容について語り合い、理科への親しみを深めて頂くことを目的としています。
 3日目は、三重大学まで容易には来ることの出来ない松阪市の子供達を対象に、みえこどもの城まで出向いて理科教室を実施しています。ここでは、参加者の年齢層が主に小学校1~3年生であるため、この学年でも実施可能な内容となるように工作テーマを配慮しています。

→平成27年度活動状況報告書