○三重大学病原体等安全管理規程
(平成27年10月30日規程第743号)
改正
平成28年7月20日規程
平成28年10月31日規程
平成29年3月30日規程第743号
平成30年3月30日規程第743号
令和元年7月1日規程第743号
令和3年3月24日規程第743号
令和4年3月24日規程第743号
令和6年3月26日規程第743号
令和7年3月26日規程第743号
(目的)
第1条 この規程は,感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号。以下「感染症法」という。)その他関係法令(以下「法律等」という。)に基づき,三重大学(以下「本学」という。)において,教育,試験研究その他の科学上の利用に供する病原体等の所持,保管,使用,輸入,運搬,滅菌等(以下「取扱い等」という。)を行うための安全管理に関し必要な事項を定め,感染症の発生の予防及びまん延の防止を図ることを目的とする。
2 この規程は,感染症法第56条の18に規定する厚生労働大臣に届け出る感染症発生予防規程を含むものとする。
(対象)
第2条 この規程は,本学の実験室等で教育,試験研究その他の科学上の利用に供するために取扱い等を行う病原体等(附属病院又は病原体等の検査を行っている部局で業務に伴い取扱い等を行う病原体等を除く。)を対象とする。
(定義)
第3条 この規程において,次の各号に掲げる用語の定義は,法律等に定めるもののほか,当該各号に定めるところによる。
(1) 病原体等 人若しくは動物の生体内に入った場合に人若しくは動物を発病させ,又は死亡させるものであって,ウイルス,細菌,真菌,寄生虫,プリオン及び毒素をいう。
(2) 毒素 細菌及び真菌によって産生される物質(人工的に合成された物質で,その構造式がいずれかの毒素の構造式と同一であるものを含む。)をいう。
(3) バイオセーフティレベル(以下「BSL」という。) 病原体等の人又は動物への病原性及び伝播性の程度並びに疾患の予防法又は治療法を考慮し,人又は動物への危害を及ぼす危険性の程度に応じて定める病原体等の取扱いに関する安全対策の区分をいい,1から4までの区分に分類する。
(4) BSL1病原体等,BSL2病原体等,BSL3病原体等及びBSL4病原体等 それぞれのBSLに分類される病原体等をいう。
(5) 動物実験バイオセーフティレベル(以下「ABSL」という。) 病原体等を用いた動物実験において,人又は実験動物への病原性及び伝播性の程度並びに疾患の予防法又は治療法を考慮し,人又は実験動物への危害を及ぼす危険性の程度に応じて定める病原体等の取扱いに関する安全対策の区分をいい,1から4までの区分に分類する。
(6) 特定病原体等 病原体等のうち,感染症法第6条第20項から第23項までに規定する一種病原体等,二種病原体等,三種病原体等及び四種病原体等をいう。
(7) 安全管理 病原体等へのばく露等を予防すること及び病原体等の紛失,盗難,濫用,悪用等を防止することをいう。
(8) 実験室等 病原体等の取扱い又は滅菌等をする実験室,病原体等の保管のための設備及び動物に対して病原体等を使用した場合における当該動物の飼育のための設備をいう。
(9) 管理区域 法律等にいう病原体等の安全な管理に必要な区域であって,実験室等のほかに保管室,滅菌室,前室等をいう。
(10) 関連する設備等 病原体等の拡散を防止するための機器及び設備であって,安全キャビネット,滅菌設備,保管庫,空調設備,排水設備,ヘパフィルタ等をいう。
(11) 部局等 各学部,各研究科,教育推進・学生支援機構,研究・社会連携統括本部,みえの未来図共創機構,研究基盤推進機構,国際戦略機構,医学部附属病院,各学内共同教育研究施設及び保健管理センターをいう。
(取扱いの禁止)
第4条 本学においては,一種病原体等を所持し,輸入し,譲り渡し,又は譲り受けてはならない。
(学長の責務)
第5条 学長は,病原体等の取扱い等に関する感染症の発生の予防について包括的に責任を負うものであり,次に掲げる事項を行うものとする。
(1) この規程の制定及び改廃を行うこと。
(2) 第7条に規定する病原体等専門委員会に諮問し,審議結果を受けて特定病原体等を所持するか否かを決定すること。
(3) 二種病原体等の所持に係る厚生労働大臣への許可申請を行うこと。
(4) 第8条に規定する安全管理主任者及び第9条に規定する病原体等取扱主任者(以下「安全管理主任者等」という。)を選任すること。
(5) 三種病原体等の所持に係る厚生労働大臣への届出を行うこと。
(6) 病原体等の取扱い等の改善の勧告,変更,一時停止命令及び承認の取消しを行うこと。
(7) その他病原体等の適正な安全管理に関する必要な措置を講ずること。
(部局長の責務)
第6条 管理区域を管理する部局等(以下「管理部局」という。)の長(以下「部局長」という。)は,当該管理部局における病原体等の取扱い等及びその安全管理に関し直接責任を負うものであり,次に掲げる事項を行うものとする。
(1) 特定病原体等を所持すること等を学長に申請すること。
(2) 前号に掲げる以外の病原体等を用いて実験(BSL2以上に限る。)をする場合に学長に申請すること。
(3) 安全管理主任者等を学長に推薦すること。
(4) その他当該管理部局における病原体等の適正な安全管理に関する必要な措置を講ずること。
2 部局長は,当該管理部局の病原体等の安全管理に関する事務を統括するものとする。
(専門委員会)
第7条 本学における病原体等の取扱い等に係わる安全確保及び環境保全のために,病原体等専門委員会(以下「専門委員会」という。)を置く。
2 専門委員会は,次に掲げる事項について調査及び審議し,これらの事項に関して学長に対し助言又は勧告するものとする。また,これらの事項に関して,専門委員会は,必要に応じ,部局長に対し病原体等の安全管理に関する報告を求めることができるものとする。
(1) 関係規程等の立案及び作成に関する事項
(2) 病原体等(BSL2以上に限る。)の所持の科学的妥当性及び法律等への適合性に関する事項
(3) 病原体等の取扱い等に係る報告に関する事項
(4) BSL及びABSLが決定されていない病原体等の分類に関する事項
(5) 病原体等の取扱い等に係る教育訓練及び健康管理に関する基本的事項
(6) 事故又は災害時における措置に関する基本的事項
(7) 病原体等の取扱い等について学長から付託のあった事項
(8) 感染症法に定める特定病原体等の取扱い等に関する事項
(9) その他病原体等の取扱い等に関する重要事項
3 専門委員会は,次に掲げる委員をもって組織する。
(1) 病原体等を専門とする教授,准教授又は講師 若干名
(2) 感染予防学を専門とする教授,准教授又は講師 若干名
(3) 病原体等を用いた実験に携わる教授,准教授又は講師 若干名
(4) 感染管理実務に携わる教授,准教授又は講師 若干名
(5) 安全管理主任者又は病原体等取扱主任者
(6) 保健管理センター所長
(7) 組換えDNA実験安全委員会委員 1名
(8) 動物実験委員会委員 1名
(9) 研究・地域連携部長
(10) その他学長が必要と認めた者
4 前項第1号から第4号まで及び第10号の委員の任期は,2年とし,再任を妨げない。ただし,補欠の委員の任期は,前任者の残任期間とする。
5 専門委員会に委員長を置き,委員の互選とする。
6 委員長は,専門委員会を招集し,その議長となる。
7 専門委員会は,委員の過半数の出席をもって成立し,議事は,出席委員の3分の2以上をもって決する。
8 第2項において,軽微な追加若しくは変更に係る事案又は特に迅速な審議を要する事案は,委員長の判断で迅速審議を行うことができる。
9 委員長に事故があるときは,あらかじめ委員長が指名した委員がその職務を代行する。
10 専門委員会が必要と認めたときは,委員以外の者を出席させ,意見又は説明を聴くことができる。
11 専門委員会の庶務は,研究・地域連携部研究推進チームにおいて処理する。
(安全管理主任者)
第8条 学長は,管理区域ごとに,安全管理主任者を置くものとする。
2 安全管理主任者は,次に掲げる業務を処理する。
(1) 管理区域における病原体等の管理状況の点検並びに施設及び設備の保守点検
(2) 第19条に規定する帳簿の記載及び内容の確認(二種病原体等に係るものを除く。)
(3) 取扱者に対する所持,実験等の安全管理に関する適切な指導及び助言
(4) その他管理区域における病原体等の安全管理に関する必要な事項の実施
3 安全管理主任者は,当該部局長の指示に従うとともに,法律等を遵守しなければならない。
(病原体等取扱主任者)
第9条 学長は,二種病原体等を取り扱う管理部局に,感染症法第56条の19第1項に規定する病原体等取扱主任者を置くものとする。
2 病原体等取扱主任者は,次に掲げる業務を処理する。
(1) 管理区域における二種病原体等の管理状況の点検並びに施設及び設備の保守点検
(2) 感染症法第56条の31第1項の検査への立会い
(3) 第19条に規定する帳簿の記載及び内容の確認(二種病原体等に係るものに限る。)
(4) 二種病原体等を取り扱う管理区域に立ち入る者に対し,感染症法又は同法に基づく命令若しくはこの規程の実施を確保するための指示
(実験責任者)
第10条 実験責任者は,病原体等(BSL2以上に限る。)を用いる実験(以下「実験」という。)において同一の研究課題名で病原体等を取り扱う者のうち,当該実験を統括し安全管理上の責任を負う者(本学の教授,准教授,講師及び助教に限る。)とする。
2 実験責任者は,次条第1項に規定する取扱者とともに病原体等(二種病原体等及び三種病原体等に限る。)の受入れ,払出し及び使用状況について,第19条に規定する帳簿にその都度記載しなければならない。
3 実験責任者は,取扱者に対して,実験の安全管理に関し適切な指導及び助言を行うとともに,実験の安全管理に関し必要な事項を実施する。
4 実験責任者は,安全管理主任者等の指示に従うとともに,法律等を遵守しなければならない。
(取扱者)
第11条 取扱者は,本学において病原体等を取り扱う者(BSL1病原体等又はBSL2病原体等を用いる授業においてこれらの病原体等を取り扱う学部学生,大学院学生,研究生,科目等履修生その他の本学において修学している者を除く。)であって,次に掲げる要件を満たす者とする。
(1) 取り扱う病原体等に関し,その病原性,起こり得る汚染の範囲及び安全な取扱方法について熟知し,事故及び災害時における措置等について十分な知識を有していること。
(2) 特定病原体等を取り扱う者は,第24条に規定する教育訓練を受けていること。
(3) 第25条に規定する定期健康診断を受診し,異常が認められないこと。
2 取扱者は,病原体等の受入れ,払出し及び使用状況について,第19条に規定する帳簿にその都度記載しなければならない。
3 取扱者は,安全管理主任者等及び実験責任者の指示に従うとともに,法律等を遵守しなければならない。
(管理区域の設定)
第12条 部局長は,病原体等を取り扱う場合に当該部局における管理区域を定め,次に掲げる事項を実施しなければならない。
(1) 管理区域及び関連する設備等(以下「管理区域等」という。)を整備すること。
(2) 安全管理主任者等に管理区域における安全管理に関する指導及び助言を行わせること。
(3) 管理区域の出入口に別紙様式1-1に定める標識を表示し,実験室等の出入口に別紙様式1-2に定める事項を記載し及び表示すること。
(4) その他管理区域における病原体等の取扱い等に関する安全管理に関すること。
(管理区域への立入制限)
第13条 部局長は,次に掲げる者以外の者が管理区域へ立ち入ることを禁止しなければならない。
(1) 取扱者,管理区域を使用する者及び病原体等の安全管理に係る者
(2) 管理区域等の工事,点検,検査,見学等のために一時的に管理区域に立ち入る者
2 部局長は,前項第1号に定める者に対し管理区域への立入りの許可を与えることができる。ただし,特定病原体等の取扱者を除き,第24条第1項第2号に定める説明を受けるように指導しなければならない。
3 安全管理主任者等は,第1項第2号に定める者に対し管理区域への立入りの許可を与えることができる。ただし,第24条第1項第2号に定める説明を受けるように指導しなければならない。
4 安全管理主任者等は,第1項第2号に定める者を管理区域へ立ち入らせるときは安全管理主任者が指名した者を同行させなければならない。
5 部局長,安全管理主任者等は,特定病原体等の実験室等に立ち入る者に対し,第19条に定める入退室の記帳を行うよう指導しなければならない。
(実験室等の安全設備に関する基準等)
第14条 実験室等は,当該実験室等において取り扱う病原体等のBSL及びABSLに応じ,法律等に定める安全設備及び施設基準に適合するように維持しなければならない。
2 特定病原体等の実験室等については,次条に適合するように維持しなければならない。
(管理区域等の維持管理)
第15条 安全管理主任者等は,管理区域等を1年に1回以上定期的に点検し,法律等の定める施設基準に適合していることを確認しなければならない。
2 実験責任者等は,管理区域等における次に掲げる事項について1年に1回以上定期的に点検し,機能の低下,不具合等があった場合は,交換,修理等の必要な措置を講じなければならない。
(1) BSL3施設の空調,風量,制御盤,ヘパフィルタ等
(2) 安全キャビネットの風速,風量,ヘパフィルタ,密閉度等
(3) 滅菌設備の配管,安全弁,ヘパフィルタ,運転調整等
(4) 保管庫の施錠器具,ドアパッキン,運転調整等
(5) その他病原体等の使用,保管又は滅菌等に関わる機器の状況
3 部局長は,前2項の点検の結果の記録を5年間保存しなければならない。
4 管理区域等を使用する者は,使用の前後に異常の有無を確認し,異常が見つかった場合は,直ちに使用を中止して,実験責任者に通報しなければならない。
(病原体等の使用及び保管)
第16条 取扱者は,病原体等の使用及び保管を行うときは,次に掲げる事項を実施しなければならない。
(1) 管理区域に人がみだりに立ち入らないようにすること。
(2) 防御具を着用すること。
(3) 管理区域内での飲食,喫煙,化粧等を禁止すること。
(4) 安全キャビネットを使用すること。
(5) 感染動物の逸走防止の措置を講ずること。
(6) 感染動物の持出しを制限すること。
(7) 病原体等を密封容器に入れて保管庫に保管すること。
(8) 使用時以外保管庫を施錠し鍵を管理すること。
(9) 排気,汚染排水及び汚染物質を滅菌すること。
(10) 退出時の汚染除去を行うこと。
(11) その他安全な病原体等の使用,保管又は滅菌等に関すること。
(病原体等の滅菌等)
第17条 取扱者は,病原体等並びにこれらに汚染されたおそれのある物品及び排水を廃棄するときは,次の各号のいずれかの方法で滅菌又は無害化(以下「滅菌等」という。)を行わなければならない。
(1) 0.01%以上の次亜塩素酸ナトリウム水による1時間以上の浸漬をする方法
(2) 121℃以上で15分以上又はこれと同等以上の効果を有する条件での高圧蒸気滅菌をする方法
(3) 前2号と同等以上の効果を有する方法
(特定病原体等の滅菌等の処置)
第18条 実験責任者は,特定病原体等を所持することを要しなくなった場合には,前条に定める方法により滅菌等し,又は当該病原体等の全部を譲渡しなければならない。
2 実験責任者は,前項の規定により二種病原体等又は三種病原体等について滅菌等又は譲渡する場合にあっては,前もって別紙様式2により,部局長を経由して学長に申請しなければならない。
3 学長は,二種病原体等について前項の規定による申請があったときは,法律等に定める書類を厚生労働大臣に届け出なければならない。
4 実験責任者は,第2項の規定による申請を行った二種病原体等について滅菌等をする場合にあっては,所持することを要しなくなった日から3日以内に滅菌等を行い,又は譲渡をする場合にあっては,所持することを要しなくなった日以後遅滞なくこれを行うものとする。
(記帳)
第19条 部局長は,実験室ごとに病原体等に係る帳簿を備え,安全管理主任者等,実験責任者及び取扱者に別表に掲げる事項を記載させるものとする。
2 部局長は,1年ごとに前項の帳簿を閉鎖し,閉鎖後5年間保存しなければならない。
(情報管理)
第20条 部局長は,情報を管理する者に対し,情報の漏洩,盗取等がおこらないよう,次に掲げる適切な管理を行うよう指導しなければならない。
(1) 病原体等の保管,滅菌等に関する書類は,使用時以外施錠された施設,キャビネット等で保管し,その鍵は実験責任者又は書類を保管する者が管理すること。
(2) 電子媒体による情報は,保存されたパソコン又は記録媒体に限られた者しかアクセスできないようにパスワードによるセキュリティ管理を行い,限られた者しか入室できない施錠された室にパソコン及び記録媒体を保管すること。
(病原体等(特定病原体等を除く。)の取扱手続)
第21条 実験責任者は,BSL2以上の病原体等(特定病原体等を除く。)を用いた実験を行おうとするときは,あらかじめ別紙様式3-1により部局長を経由して学長に申請しなければならない。
2 実験責任者は,前項の申請事項に変更の必要が生じた場合は,別紙様式3-1により申請しなければならない。
3 実験責任者は,BSL2以上の病原体等(特定病原体等を除く。)を所持するために購入し,又は本学以外の機関若しくは本学の他の管理部局から受け入れようとするときは,あらかじめ別紙様式4により部局長を経由して学長に申請しなければならない。
4 実験責任者は,BSL2以上の病原体等(特定病原体等を除く。)の一部を本学以外の機関又は本学の他の管理部局へ分与しようとするときは,あらかじめ別紙様式4により部局長を経由して学長に申請しなければならない。
5 学長は,前各項の規定による申請を受けたときは,承認するか否かを決定する。
6 実験責任者は,実験が終了又は中止した場合には,別紙様式3-2により部局長を経由して学長に報告しなければならない。
7 実験責任者が第1項から第4項まで及び前項の規定による申請等を行う場合は,あらかじめ当該管理部局の安全管理主任者の同意を得るものとする。
(特定病原体等の取扱手続)
第22条 実験責任者は,特定病原体等を所持するために購入し,又は本学以外の機関若しくは本学の他の管理部局から受け入れようとするときは,あらかじめ別紙様式4により,部局長を経由して学長に申請しなければならない。
2 実験責任者は,厚生労働大臣から所持の許可を受けた二種病原体等又は厚生労働大臣へ所持の届出をし,若しくはしようとする三種病原体等について,輸入しようとするときは,あらかじめ別紙様式5により部局長を経由して学長に申請しなければならない。
3 実験責任者は,特定病原体等の一部を本学以外の機関又は本学の他の管理部局へ分与しようとするときは,あらかじめ別紙様式4により,部局長を経由して学長に申請しなければならない。
4 学長は,前3項の規定による申請を受けたときは,専門委員会に審議を付託するものとする。
5 専門委員会は,前項の付託があったときは,特定病原体等の購入,受入,輸入又は分与に関し,法律等及びこの規程に定める要件を満たしているか否かについて審議を行い,その結果を学長に報告するものとする。
6 学長は,前項の報告を受けたときは,二種病原体等の所持若しくは輸入に係る厚生労働大臣への申請,二種病原体等の分与,三種病原体等の所持,輸入若しくは分与,又は四種病原体等の所持若しくは分与をするか否かの決定を行い,速やかに部局長を経由して実験責任者に通知するものとする。
7 学長は,前項の申請を決定したときは,法律等に定める書類を厚生労働大臣に提出するものとする。
8 実験責任者は,二種病原体等を取り扱う場合は,厚生労働大臣の許可を受けた後でなければ,二種病原体等を所持又は輸入することができない。
9 学長は,厚生労働大臣から二種病原体等の所持又は輸入の許可があったときは,速やかに部局長を経由して実験責任者に通知するものとする。
10 実験責任者は,三種病原体等について,第6項による所持又は輸入の決定を受けて,所持又は輸入したときは,速やかにその日付を部局長を経由して学長に報告しなければならない。
11 学長は,前項の報告を受けたときは,法律等に定める書類を厚生労働大臣に提出するものとする。
12 実験責任者は,特定病原体等を用いた実験を行おうとするときは,あらかじめ別紙様式3-1により部局長を経由して学長に申請しなければならない。
13 実験責任者は,前項の申請事項に変更の必要が生じた場合は,別紙様式3-1により申請しなければならない。
14 学長は,前2項の規定による申請を受けたときは,専門委員会の議を経て,承認するか否かを決定する。
15 実験責任者は,前項の承認を受けた後でなければ,当該実験を行うことができない。
16 実験責任者は,実験が終了又は中止した場合には,別紙様式3-2により部局長を経由して学長に報告しなければならない。
17 実験責任者が第1項から第3項まで,第12項,第13項及び前項の規定による申請等を行う場合は,あらかじめ当該管理部局の安全管理主任者等の同意を得るものとする。
(特定病原体等の運搬)
第23条 特定病原体等の運搬については,感染症法及び厚生労働省令の規定に基づく運搬の基準,厚生労働省告示で定める特定病原体等の運搬に係る容器等に関する基準及び厚生労働省が定める特定病原体等の安全運搬マニュアルの基準に従わなければならない。
2 二種病原体等及び三種病原体等の輸送・運搬については,国家公安委員会規則に定める届出対象病原体等の運搬の届出等に関する規則に従わなければならない。
3 特定病原体等の学内での運搬については,外部の不審者等による特定病原体等の奪取等を防止するため,運搬者以外の者が同行し複数の者で運搬しなければならない。また,特定病原体等の漏洩等による汚染及び感染防止のために,二重包装の容器を用いて運搬しなければならない。
(教育訓練等)
第24条 部局長は,管理区域に立ち入る者及び当該病原体等の取扱い等,管理又はこれに付随する業務に従事する者に対し,次に定めるところにより教育訓練又は説明を受けさせなければならない。
(1) 第11条第1項第2号に定める者に対し,取扱い等の開始時及びその後1年を超えない期間ごとに次の事項についての教育訓練
イ 病原体等の性質
ロ 病原体等の管理
ハ 法律等
ニ 本規程
ホ その他感染症の発生の予防に関する事項
(2) 第13条第1項第1号及び第2号に定める者に対し,次の事項についての説明
イ 専用防御具の着用義務
ロ 飲食,喫煙及び化粧の禁止
ハ 実験責任者の許可なく物品の持込み及び持出しを行わないこと。
ニ 実験責任者の許可なく実験器具等に触らないこと。
ホ 退出時に手指の消毒を行うこと。
ヘ その他禁止事項
(3) 特定病原体等の安全管理に係る者であって管理区域に立ち入らないものに対し,第1号に定める事項及び感染症の発生の予防及びまん延の防止のために必要な事項についての説明
2 前項の教育訓練又は説明は,安全管理主任者等又は部局長が指名した者が行うものとする。
3 実験責任者は,前項で行った教育訓練又は説明について,その実施者,参加者,概略等の記録を取り5年間保存しなければならない。
(健康管理)
第25条 学長は,取扱者及び病原体等の取扱い等に係る者に対し,次に掲げる事項を実施しなければならない。
(1) 1年に1回以上の定期健康診断
(2) 臨時の健康診断
(3) 当該病原体等の抗体陰性であって,ワクチンの接種が可能な場合は,その接種の推奨
(4) その他病原体等の感染防止等に必要な処置
2 学長は,取扱者又は病原体等の取扱い等に係る者が本学の職員,学生等でない場合には,前項各号の事項について,当該者の所属する機関等において実施されるものをもって代えることができる。
(ばく露の対応)
第26条 次に掲げる場合は,これをばく露として取り扱うものとする。
(1) 外傷,吸入,粘膜ばく露等により,病原体等が取扱者又は病原体等の取扱い等に係る者の体内に入った可能性がある場合
(2) 管理区域内の安全設備の機能に重大な異常が発見された場合
(3) 病原体等により,管理区域内が広範に汚染された場合
(4) 取扱者又は病原体等の取扱い等に係る者の健康診断の結果,病原体等によると疑われる異常が認められた場合
2 前項第1号のばく露が発生した場合は,ばく露者及び最寄りの者は直ちに次に掲げる措置を講じなければならない。
(1) 実験を中止し,周囲を汚染しないよう病原体等は安全キャビネット内に置くか消毒槽に入れるとともに,ばく露者本人の汚染を除去するため,次の初動処置を行うこと。
イ 速やかに70%アルコール等の適切な消毒剤の噴霧等により体表面及び衣類の消毒を行う。
ロ 針刺し,怪我,咬傷等明らかな皮膚障害がある場合は,できる限り速やかに血液を絞り出すようにし,大量の流水又は滅菌生食水でばく露部位を洗浄するとともに,10%ポピドンヨード溶液等の適切な消毒剤で消毒を行う。
(2) 管理区域内の電話等により,外部の者に,事故の原因及び取り扱った病原体等を速やかに連絡すること。また,連絡を受けた者は速やかに実験責任者に報告し,実験責任者は直ちに安全管理主任者等及び部局長に報告すること。
3 実験責任者は,必要に応じてばく露者及びそのばく露者に接触し感染したおそれのある者に医師の診断・治療を受けさせる,指定医療機関等へ搬送する等の指示を与えるものとする。なお,搬送する場合は,必要に応じてばく露者に拡散防止のため防護服を着用させ,ばく露者等を搬送する者及び同行者に事前に防御具を装着させるものとする。
4 部局長は,第1項第2号及び第3号のばく露が発生した場合は,必要に応じて第2項各号に掲げる措置を講じるとともに,速やかに次に掲げる措置を講じるよう実験責任者に要請しなければならない。
(1) 直ちに管理区域内にいる者を管理区域外へ退去させるとともに,汚染区域の給排気系を閉じ,同区域を密閉すること。
(2) 病原体等に対する適切な消毒剤を用いて管理区域の消毒を実施するとともに,管理区域内の安全設備の機能に重大な異常がある場合には,設備の補修等を実施すること。なお,作業を行う場合は防御具の装着,ばく露時間の短縮をすること等により,ばく露をできる限り少なくするように努めること。
5 二種病原体等により第1項第4号のばく露が発生した場合は,病原体等取扱主任者は必要に応じてばく露者に医師の診断・治療を受けさせるよう指示し,部局長に報告しなければならない。
6 部局長は,ばく露が発生した場合には,原因が究明され,再発防止のための処置が講じられるまで病原体等の取扱い等を再開させてはならない。
7 部局長は,ばく露の発生に係る記録を学長に報告するとともに,5年間保存しなければならない。
(事故等の対応)
第27条 取扱者は,病原体等の保管・管理の実施,病原体等の使用に関する記帳を実施する際に,病原体等の保管数,保管庫の施錠等を点検し,保管する病原体等の異常の有無を確認しなければならない。
2 病原体等の盗取,所在不明その他の事故を発見した者は,次に掲げる措置を行うとともに,直ちに実験責任者に報告しなければならない。
(1) 盗取,所在不明等の病原体等の種類及び量を確認すること。
(2) 窓・扉等の破損等がある場合は,侵入防止のための処置を講じること。
(3) 原因究明に支障を来さないよう,警察等が対応するまでの間,現場の保全を講じること。
(4) 盗取等の際に他の病原体等の容器の破損等があり,当該病原体等の流出により周囲の汚染が考えられる場合は,病原体等の拡散防止を行うこと。
3 実験責任者は,前項の報告を受けたときは,直ちに,発見者氏名,事故発生日時及び場所,病原体等の種類及び量,事故の概要等の事項について確認の上,部局長に報告しなければならない。
4 部局長は,前項の報告を受けたときは,遅滞なく警察等に届け出,かつ,学長に報告するとともに,当該事項に係る原因を究明し,及び再発防止のための処置を検討しなければならず,必要に応じて調査委員会を設置するものとする。
(異常事態発生時の措置)
第28条 異常事態を発見した者は,直ちに取扱者又は実験責任者に通報しなければならない。
2 取扱者及び実験責任者は,必要に応じて緊急措置をとるとともに直ちに部局長に通報しなければならない。
3 部局長は,緊急措置を講じた場合には,速やかに異常事態発生の状況,応急措置の概要等を学長に報告しなければならない。
(災害時の応急措置)
第29条 特定病原体等を取り扱う部局長は,地震又は火災による災害が発生し,特定病原体等の安全管理に関し,この規程の定めによることができないと認めたときは,直ちに緊急対策本部を設置し学長に報告するとともに,次に掲げる応急措置を講じなければならない。
(1) 管理区域等に火災が起こり,又は延焼するおそれがある場合には,消火又は延焼の防止に努めるとともに,直ちにその旨を最寄りの消防署等に通報すること。
(2) 感染症の発生を予防し,又はそのまん延を防止するため必要がある場合には,管理区域内にいる者,特定病原体等の運搬に従事する者又はこれらの付近にいる者に避難するよう警告すること。
(3) 必要に応じて特定病原体等を安全な場所に移すとともに,特定病原体等の周囲には,縄を張り,又は標識等を設け,かつ,見張人をつけることにより,関係者以外の者が立ち入らないための措置を講ずるよう努めること。
(4) その他特定病原体等による感染症の発生を予防し,又はそのまん延を防止するために必要な措置を講ずること。
2 取扱者は,地震若しくは火災による災害が発生したとき,又は大規模地震対策特別措置法(昭和53年法律第73号)第2条第13号に規定する警戒宣言が発せられたときは,直ちに次に掲げる緊急時措置を講じなければならない。
(1) 実験を中止し,特定病原体等を高濃度消毒槽(2%次亜塩素酸ナトリウム溶液)に投入殺菌又は高圧滅菌器に密封するとともに,火災の発生にあっては消火又は延焼の防止にあたること。
(2) 管理区域から脱出し,ドアの閉鎖を確認した後,実験責任者,安全管理主任者等及び部局長へ災害の発生を通報すること。
(3) 前号により通報を受けた者は,管理区域内にいる者を退去させるとともに,管理区域の給排気系を閉じ管理区域を密封すること。
(4) 必要に応じて特定病原体等を安全な場所に移すとともに,縄を張り,又は標識を設け,かつ,見張人をつけることにより,関係者以外の者が立ち入らないための措置等を講ずるよう努めること。
3 前2項各号に掲げる緊急作業を行う場合には,防御具を装着すること,特定病原体等にばく露する時間を短縮すること等により,特定病原体等のばく露をできる限り少なくするように努めなければならない。
4 部局長は,地震又は火災による災害が発生した場合には,管理区域の設備等が正常に作動することが確認されるまで実験を再開させてはならない。
5 学長は,第1項に掲げる事態が生じた場合においては,厚生労働省令で定めるところにより,遅滞なくその旨を厚生労働大臣に届出なければならない。
(雑則)
第30条 この規程に定めるもののほか,病原体等の取扱い等の安全管理に関し必要な事項は,別に定める。
附 則
この規程は,平成27年12月1日から施行する。
附 則(平成28年7月20日規程)
この規程は,平成28年7月21日から施行する。
附 則(平成28年10月31日規程)
この規程は,平成28年11月1日から施行する。
附 則(平成29年3月30日規程第743号)
この規程は,平成29年4月1日から施行する。
附 則(平成30年3月30日規程第743号)
この規程は,平成30年4月1日から施行する。
附 則(令和元年7月1日規程第743号)
この規程は,令和元年7月1日から施行する。
附 則(令和3年3月24日規程第743号)
この規程は,令和3年4月1日から施行する。
附 則(令和4年3月24日規程第743号)
この規程は,令和4年4月1日から施行する。
附 則(令和6年3月26日規程第743号)
この規程は,令和6年4月1日から施行する。
附 則(令和7年3月26日規程第743号)
この規程は,令和7年4月1日から施行する。
別表(第19条関係)
記載事項に関する一覧
 記載項目記載の内容二種病原体等及び三種病原体等その他の病原体等
病原体等受入れ又は払出しに係る病原体等の種類(毒素にあっては,その種類及び量)管理区域ごと(管理区域内に実験室が複数ある場合には実験室ごととする。以下同じ。)に受入れ元,払出し先等
病原体等の受入れ又は払出しの年月日実験室ごとに記載
病原体等の保管の方法及び場所受入れした病原体等の保管方法及び保管場所を記載,使用ごとの保管庫の施錠状況も記載
使用に係る病原体等の種類実験室での使用ごとに,使用した者が記載
滅菌等に係る病原体等の種類実験室ごとに滅菌又は無害化した病原体等を記載
病原体等及びこれに汚染された物品の滅菌等の年月日実験室ごとに滅菌又は無害化した病原体等を記載
病原体等及びこれに汚染された物品の滅菌等の方法及び場所滅菌又は無害化の条件等を記載(委託等の場合にはその場所も記載)
実験室への立入り又は退出をした者の氏名実験室ごとに記載有(四種病原体等に限る。)
実験室への立入り又は退出の年月日実験室ごとに記載有(四種病原体等に限る。)
病原体等の受入れ又は払出しをした者の氏名病原体等を受入れ,払出しした者の氏名を記載
病原体等の使用に従事する者の氏名実験室で病原体等を使用した者の氏名を記載
病原体等の滅菌等に従事する者の氏名病原体等を滅菌又は無害化した者の氏名を記載
施設管理区域等の点検の実施年月日管理区域ごとに記載
管理区域等の点検を行った者の氏名管理区域ごとに記載(実験室ごとに担当者が分かれる場合には,実験室ごとの点検を行った者の氏名を記載)
管理区域等の点検の結果及びこれに伴う措置の内容措置を伴う項目については具体的に記載
教育訓練等管理区域に立ち入る者及び当該病原体等の取扱い等,管理又はこれに付随する業務に従事する者に対する教育訓練又は説明の実施年月日,項目,実施者及び参加者教育訓練又は説明ごとに,実験責任者が記載
別紙様式1-1(第12条関係)

別紙様式1-2(第12条関係)

別紙様式2(第18条関係)

別紙様式3-1(第21条及び第22条関係)

別紙様式3-2(第21条及び第22条関係)

別紙様式4(第21条及び第22条関係)

別紙様式5(第22条関係)