○国立大学法人三重大学知的財産規程
(平成18年3月10日規程第546号)
改正
平成18年4月27日規程
平成18年9月28日規程
平成19年3月29日規程
平成21年3月30日規程
平成21年9月30日規程
平成22年6月28日規程
平成23年3月24日規程
平成28年7月20日規程
平成28年10月31日規程
平成29年3月30日規程第546号
平成30年3月30日規程第546号
平成30年6月28日規程第546号
令和2年10月29日規程第546号
令和3年3月24日規程第546号
令和4年3月24日規程第546号
令和5年3月28日規程第546号
令和6年3月26日規程第546号
令和7年3月26日規程第546号
(目的)
第1条 この規程は,国立大学法人三重大学職員就業規則及び国立大学法人三重大学知的財産ポリシーに基づき,国立大学法人三重大学(以下「本学」という。)に所属する職員等によって生み出された知的財産が,社会や地域で広く使われることで文化や経済の発展に寄与し,社会及び地域へ貢献するという使命を果たすことを目的とする。
(定義)
第2条 この規程において「職員等」とは,本学の役員,教職員(教育職員及び一般職員並びに教育や研究等に携わる非常勤職員をいう。)及び研究等を行うために所定の手続を経て受入れを許可された者(外部機関に所属する共同研究員は除く。)をいう。
2 この規程において「学生」とは,本学の学生,大学院生及び本学の各種制度等に基づいて受入れを許可された研究生等であって民法第4条に定める成年である者をいう。
3 この規程において「知的創造物」とは,通常の物の他,コンピュータのプログラム,コンピュータを用いて検索するデータベース,ビジネスモデル又はある物の製造方法,測定方法,分析方法等をいう。
4 この規程において「知的財産」とは,教育・研究等の活動を通じて生み出された知的創造物のうち,財産としての価値を持つものをいう。
5 この規程において「知的財産権」とは,「知的財産」の中で,関係省庁又は関係省庁が指定した機関へ出願又は申請した後,審査を経て,登録後発生する権利(産業財産権;特許,実用新案,意匠,商標(標章),プログラム等の著作権,種苗の育成者権,半導体集積回路の回路配置利用権),著作物(論文,著書,小説,俳句・短歌,作曲,絵画,写真,映画又は芸術的な建築物等)が創られた時点で権利の発生する著作権又は不正競争防止法等で保護される利益にかかわる権利をいう。
6 この規程において「発明者又は創作者等」とは,本学が承継した知的財産にかかわる権利を生み出した者をいう。
(知的創造物の届出)
第3条 職員等は,次の各号に定める知的創造物を創作したときは,原則として,学内外で発表する日の少なくとも1カ月前に,研究・社会連携統括本部知財ガバナンス部門(以下「知財ガバナンス部門」という。)へ届け出なければならない。
(1) 特許,実用新案,意匠,商標(標章)権にかかわる知的創造物
(2) 種苗の育成者権にかかわる知的創造物
(3) 半導体集積回路の回路配置利用権にかかわる知的創造物
(4) プログラム等(前条第3項に記したコンピュータを用いて検索するデータベースを含む。)の著作権にかかわる知的創造物
(5) 有体成果物(菌,試薬,装置,模型等)にかかわる知的創造物
(6) 秘匿にすることが可能な技術情報にかかわる知的創造物
2 著作物については,職務を通じて生み出されたものであっても届ける必要がなく,原則として,創作した個人が管理する。
3 各学部,各研究科,教育推進・学生支援機構,研究・社会連携統括本部,みえの未来図共創機構,研究基盤推進機構,国際戦略機構,附属図書館,医学部附属病院,各学内共同教育研究施設及び保健管理センター(以下「部局」という。)で発行又は公表する紀要,年報,ホームページ等の著作物は,本学がそれらの著作権を所有し,管理を当該部局へ委任する。学内の手続は,別途定める。
4 学生が,当該知的創造物の作成(作製)に貢献している場合,原則として,共同研究者である学生の所属する研究室の長又は研究代表者が届出を行うものとし,当該学生は,届出以降の諸手続を所属する研究室の長又は研究代表者へ委任する。
5 前項の規定にかかわらず,学生単独での届出を妨げない。その場合,当該学生は,本規程,国立大学法人三重大学有体成果物取扱規程及び国立大学法人三重大学知的財産ポリシーの適用を受けることに同意しなければならない。この場合において,「職員等」とあるのは,「学生」と,本規程第5条第1項第1号中「教育や研究等本学の職務」とあるのは,「本学の教育課程」と読み替えるものとする。
6 届出を済ませ,本学が承継を決定している特許等(日本特許庁へ出願)であって出願人が本学単独である場合又は本学及び公的な外部機関である場合に,日本以外の国にその出願を希望するときは,再度届出を必要とする。
(知的財産評価委員会)
第4条 知的財産を担当する理事(以下「担当理事」という。)は,第5条に定める事項等を審議するために,知的財産評価委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
2 委員会は,次に掲げる委員をもって組織する。
(1) 担当理事
(2) 研究・社会連携統括本部長
(3) 研究・社会連携統括本部副本部長
(4) 株式会社三重ティーエルオー(以下「三重TLO」という。)の社長及び担当職員
(5) 知財ガバナンス部門の長及び大学教員
(6) その他担当理事が指名した者
3 委員会に委員長を置き,知財ガバナンス部門の長をもって充てる。
4 委員長は,知的創造物の届出に関する書類が知財ガバナンス部門へ到着した後それを受理した場合,原則として,当該書類到着後2週間以内に委員会を招集し,審議するものとする。
5 委員及び出席者は,委員会で審議された内容について,秘密にしなければならない。
6 委員長は,知的創造物にかかわる権利の本学への承継及び維持等の決定,外部機関との係争並びにそれら情報の管理等について責を負う。
(知的創造物に関する審議)
第5条 本学は,委員会の審議を通じて,次の各号のいずれにも該当すると判断された場合,原則として,本学が知的創造物にかかわる権利を承継する。ただし,それ以外の場合,本学は当該権利を承継することなく,届出をした職員等が,当該知的創造物及びそれにかかわる権利を管理する。
(1) 当該知的創造物は,職員等によって,教育や研究等本学の職務を通じて生み出されたものであること。
(2) 当該知的創造物は,オリジナリティ(特許や実用新案等にかかわるものでは新規性及び進歩性)が存在するものであること。
(3) 現在又は将来(審議された時から約20年間)において当該知的創造物は,民間企業等外部機関(海外の機関を含む。以下「外部機関」という。)において活用が見込まれるものであること。
2 発明者又は創作者等が希望するときは,委員会で審議した後,前項の規定により本学が承継した知的財産にかかわる権利の一部を所有することができるものとする。この場合において,発明者又は創作者等は,当該権利の持分に応じて出願や維持等に要する費用を負担しなければならない。
3 本学へ承継された知的財産は,登録がなされるよう,原則として,全て出願又は申請を行うものとする。ただし,秘匿にすることが可能な技術情報及び委員会の審議によって出願又は申請を行わないという決定がなされたものは除く。
4 本学へ承継された知的財産にかかわる権利は,3年毎に見直すものとし,その際,第1項の基準に基づき審議される。この場合において,共同出願人,共同申請人又は共同権利者が存在する場合,その意向に配慮する。
5 前項において,技術の変遷又は出願や申請の前に当該技術がすでに公知であったことを示す文献が新たに見出され,本学による当該権利の維持又は登録へ向けての活動(拒絶通知に対する応答等)に意義が見出されないと委員会において判断されたときは,本学は,当該知的財産にかかわる権利を放棄する(発明者又は創作者等へその権利を返却することを含む。)場合がある。その場合にあっては,原則として,発明者又は創作者等と協議するものとする。
6 委員会は,審議の後承継等の決定を速やかに行うものとする。また,知財ガバナンス部門は,当該知的創造物の届出を行った者に,当該決定事項を,決定後一両日中には連絡しなければならない。
(譲渡書の提出)
第6条 発明者又は創作者等は,知的財産にかかわる権利について,本学への権利譲渡書を,第3条第1項に定める届出時に,知財ガバナンス部門へ提出するものとする。
(補償)
第7条 本学は,知的財産にかかわる権利が本学へ承継された際に,発明者又は創作者等へ補償金を支払う。その額は,特許,種苗の育成者権又はプログラム等の著作権を受ける権利を本学が承継した場合,1件につき10,000円,その他の知的創造物にかかわる権利を,知的財産として本学が承継した場合,1件につき5,000円とし,複数の発明者又は創作者等による場合は,貢献度に応じ,按分して支払うものとする。この場合において,特許等に関し,日本特許庁へ出願したものと同一のものを,海外の一国又は複数国の特許庁へ出願し,特許を受ける権利を本学が承継した場合も,1件とみなす。
2 本学が承継した知的財産にかかわる権利に基づき,外部機関から本学が収入を得た場合,次の割合により,当該の発明者又は創作者等へ補償金を支払う。この場合において,複数の発明者又は創作者等による場合は,貢献度に応じ,按分して支払うものとする。
控除後(当該発明に要した出願,維持経費等及び技術移転に際して外部の技術移転機関等の活用に要した費用を控除した後)の収入額の50/100を発明者又は創作者等へ,20/100を本学へ,20/100を当該発明者又は創作者の所属する学部等へ,10/100を三重TLOへ配分するものとする。
3 第5条第2項の規定により,発明者又は創作者等が知的財産にかかわる権利の一部を所有するときは,前2項に規定する補償金の額は,本学の持分に応じて按分されるものとする。
4 前3項に規定する補償金を受ける権利は,当該権利にかかわる発明者又は創作者等の所属が変更(退職,転職又は卒業)しても継続する。ただし,当該権利にかかわる発明者又は創作者等が死亡した場合,当該権利は,その相続人が承継する。
5 銀行等への振込みを含む補償金の支払い手続は,研究・地域連携部社会連携チーム(以下「社会連携チーム」という。)が行う。
(異議)
第8条 知的創造物について届出をした職員等は,第5条第1項による決定に不服がある場合,通知を受けた日から2週間以内に,知的財産不服審査会(以下「不服審査会」という。)へ異議を申し立てることができる。この場合において,当該職員等は,異議申立書を社会連携チームへ提出する。
2 財務を担当する理事は,前項の申立があったときは不服審査会を招集し,異議申立書に基づき,その決定の妥当性について審議し,その当否を決定する。
3 不服審査会の結論は,異議申立書が社会連携チームへ到着した日から1カ月以内に出すものとし,社会連携チームを通じて,当該届出をした職員等へ通知するものとする。
4 不服審査会に関し必要な事項は,三重大学知的財産不服審査会規程に定める。
(制限行為)
第9条 職員等は,委員会において,当該知的創造物にかかわる権利を本学が承継しないと決定した後でなければ,特許等の出願をし,又はそれにかかわる権利を第三者へ譲渡してはならない。
(知財ガバナンス部門)
第10条 本学が承継した知的財産及び知的財産権は,知財ガバナンス部門において管理される。
2 知財ガバナンス部門は,発明相談等の情報を含めて,知財ガバナンス部門で受付けたものについて,原則として,公開されるまで,秘密にしなければならない。
3 知財ガバナンス部門は,委員会における決定を受けて,本学が承継した知的財産に対し,速やかに登録がなされるよう,必要な措置を取るものとする(弁理士事務所及び三重TLO等への委託を含む。)。
4 知財ガバナンス部門は,知的財産の啓発にかかわる催し等を企画し,実施する。
5 知財ガバナンス部門は,本学の経営戦略に基づき,知的財産にかかわる目標(目標値を含む。)を年度毎に立案し,それを達成するための施策を実行する。
6 知財ガバナンス部門は,本学が承継した知的財産権の侵害に対して,当該知的財産権の関係者(弁理士,弁護士等を含む。)及び関係組織(権利を共有している外部機関,三重TLO等)と協議して,適切に対処し,その経緯及び結果について,委員会に報告するものとする。
7 知財ガバナンス部門に関し必要な事項は,別に定める。
(活用)
第11条 本学が承継した知的財産及び知的財産権の活用等(それらのマーケティング,外部機関へのライセンシング及び特許等の共同出願にかかわる契約業務等)は,原則として,三重TLOへ委託し,それを進める。
2 担当理事及び知財ガバナンス部門は,当該知的財産及び知的財産権の活用等について,三重TLOより随時報告を受け,指示するものとする。
(教育)
第12条 本学は,知的財産にかかわる教育(啓発を含む。)を重視し,それを実行する。
2 職員等は,本学が主催又は共催する知的財産にかかわる説明会及びセミナー又は知財ガバナンス部門が主催する知的財産にかかわる普及活動等へ積極的に参加し,周囲(学生を含む。)の啓発に努めるものとする。
(知的創造物の尊重)
第13条 職員等は,他の人によって生み出された知的創造物を尊重しなければならない。
2 本学と外部機関は,各々が所有する知的財産を互いに尊重する。
(情報管理)
第14条 職員等は,学内外の関連機関と協議(秘密保持契約等の締結を含む。)をして,知的創造物及びそれにかかわる情報の管理に努めなければならない。
2 職員等は,知的創造物を得ることを目的に外部機関と共同研究等を実施する場合,事前に必要に応じて,秘密保持契約等の締結を行うものとする。研究室の長又は研究代表者が,当該情報にかかわる研究員等を定め,その契約を行うものとする。
(種苗の育成者権)
第15条 知財ガバナンス部門は,本学が承継した種苗について,種苗の種類,その管理責任者,保管場所等を記した文書を作成する。また,当該種苗を創作した研究室の長又は研究代表者に対して,実質的な管理を依頼する。
2 種苗の創作者は,原則として,当該種苗の出願後出願公表されるまで,秘密にしなければならない。
3 当該創作者の所属する研究室の長又は研究代表者は,当該種苗にかかわる研究員等を定め,第三者に持ち出されないように,管理しなければならない。
(回路配置利用権)
第16条 知財ガバナンス部門は,本学が承継した回路配置について,当該回路配置の写しを保管し,その管理責任者,保管場所等を記した文書を作成する。また,当該回路配置を創作した研究室の長又は研究代表者に対して,実質的な管理を依頼する。
2 回路配置の創作者は,原則として,当該回路配置の申請後設定登録されるまで,秘密にしなければならない。
3 当該創作者の所属する研究室の長又は研究代表者は,当該回路配置にかかわる研究員等を定め,第三者に複写されないように,管理しなければならない。
(プログラム等の管理)
第17条 知財ガバナンス部門は,本学が承継したプログラム等について,当該プログラム等の写しを保管し,その管理責任者,保管場所等を記した文書を作成する。また,当該プログラム等を創作した研究室又は研究代表者に対して,実質的な管理を依頼する。
2 プログラム等の創作者は,原則として,当該プログラム等の申請後登録されるまで,秘密にしなければならない。
3 当該創作者の所属する研究室の長又は研究代表者は,当該プログラム等にかかわる研究員等を定め,第三者によって複写等がなされないように,管理しなければならない。
(著作者人格権の不行使)
第18条 本学が承継したプログラム等の創作者は,著作権法(昭和45年法律第48号)第17条に定める著作者人格権を行使しないものとする。
(有体成果物)
第19条 本学は,職員等によって,教育や研究等の知的創造活動を通じて得られ,創作された有体物(以下「有体成果物」という。)を適正に管理する。
2 有体成果物の取扱いについては,国立大学法人三重大学有体成果物取扱規程に定める。
(秘匿にすることが可能な技術情報)
第20条 知財ガバナンス部門は,本学が承継した秘匿にすることが可能な技術情報にかかわる権利について,当該情報の写しを文書として保管し,その管理責任者,保管場所等を記した文書を作成する。また,当該情報を創作した研究室又は研究代表者に対して,実質的な管理を依頼する。
2 当該創作者の所属する研究室の長又は研究代表者は,当該情報にかかわる研究員等を定め,第三者に漏洩しないように,管理しなければならない。
(罰則)
第21条 職員等が,第9条に定める制限行為に違反したときの取扱いは,国立大学法人三重大学職員就業規則第59条及び第60条に基づくものとする。
(職員等の異動)
第22条 職員等が,外部機関へ異動する際は,事前に知財ガバナンス部門に連絡するものとする。知財ガバナンス部門は,知的財産にかかわるトラブルに巻き込まれないようアドバイスをする。
(見直し)
第23条 社会通念の変化,法令の改正,本学の目標の変更及び本学諸規程の改正等によって,本規程を適宜改定し,その改定は,役員会における審議を経て学長が承認する。社会連携チームは,改定日と改定の理由が記された本規程の履歴を保管する。
附 則
1 この規程は,平成18年4月1日から施行する。
2 国立大学法人三重大学知的財産規程(平成16年4月1日制定),三重大学知的財産評価委員会規程(平成16年5月26日制定)及び三重大学知的財産統括室規程(平成16年5月20日制定)は,廃止する。
3 この規程施行前になされた知的財産にかかわる措置は,なお従前の例による。
附 則(平成18年4月27日規程)
この規程は,平成18年4月27日から施行し,平成18年4月1日から適用する。
附 則(平成18年9月28日規程)
この規程は,平成18年9月28日から施行し,平成18年4月1日から適用する。
附 則(平成19年3月29日規程)
この規程は,平成19年4月1日から施行する。
附 則(平成21年3月30日規程)
この規程は,平成21年4月1日から施行する。
附 則(平成21年9月30日規程)
この規程は,平成21年10月1日から施行する。
附 則(平成22年6月28日規程)
この規程は,平成22年7月1日から施行する。
附 則(平成23年3月24日規程)
この規程は,平成23年4月1日から施行する。
附 則(平成28年7月20日規程)
この規程は,平成28年7月21日から施行する。
附 則(平成28年10月31日規程)
この規程は,平成28年11月1日から施行する。
附 則(平成29年3月30日規程第546号)
この規程は,平成29年4月1日から施行する。
附 則(平成30年3月30日規程第546号)
この規程は,平成30年4月1日から施行する。
附 則(平成30年6月28日規程第546号)
この規程は,平成30年7月1日から施行する。
附 則(令和2年10月29日規程第546号)
この規程は,令和2年11月1日から施行する。
附 則(令和3年3月24日規程第546号)
この規程は,令和3年4月1日から施行する。
附 則(令和4年3月24日規程第546号)
この規程は,令和4年4月1日から施行する。
附 則(令和5年3月28日規程第546号)
この規程は,令和5年4月1日から施行する。
附 則(令和6年3月26日規程第546号)
1 この規程は,令和6年4月1日から施行する。
2 三重大学知的財産専門会議内規(令和2年10月29日制定)は,廃止する。
附 則(令和7年3月26日規程第546号)
この規程は,令和7年4月1日から施行する。