○三重大学組換えDNA実験安全管理規程
(平成17年3月24日規程第497号) |
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(趣旨)
第1条 この規程は,遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成15年法律第97号)その他の法令(以下「関係法令」という。)に基づき,三重大学(以下「本学」という。)における遺伝子組換え実験及び細胞融合実験(以下「実験」という。)の安全を確保し,かつ遺伝子組換え生物等の拡散を防止するために必要な事項を定める。
(定義)
第2条 この規程における用語の意義は,関係法令によるほか,次の各号に定めるところによる。
(1) 「実験」とは,関係法令に定める第一種使用等及び第二種使用等に該当する遺伝子組換え実験及び細胞融合実験をいう。
(2) 「部局等」とは,各学部,各研究科,医学部附属病院,学内共同教育研究施設をいう。
(3) 「部局等の長」とは,前号に掲げる部局等の長をいう。
(学長及び部局等の長の責務)
第3条 学長は,本学における実験の安全確保及び遺伝子組換え生物等の拡散防止に関する業務を総括する。
2 部局等の長は,関係法令及びこの規程に定めるところにより,当該部局等において行われる実験の安全確保及び遺伝子組換え生物等の拡散防止に必要な措置を講じなければならない。
(安全委員会)
第4条 本学に,実験の安全かつ適切な実施を確保するため,三重大学組換えDNA実験安全委員会(以下「安全委員会」という。)を置く。
2 安全委員会は,学長の諮問に応じて次の各号に掲げる事項について調査・審議し,これらの事項に関して学長等に対し,助言又は勧告するとともに,必要に応じ安全主任者及び実験責任者に報告を求めることができる。
(1) 実験に係る学内規程等の制定・改廃に関する事項
(2) 実験計画の関係法令及びこの規程に対する適合性の審査に関する事項
(3) 実験に係る教育訓練及び健康管理に関する事項
(4) 事故発生の際の必要な処置及び改善策に関する事項
(5) 学内の連絡調整に関する事項
(6) その他実験の安全確保に関する必要な事項
(安全委員会の組織等)
第5条 安全委員会は,次の各号に掲げる委員をもって組織する。
(1) 組換えDNA研究者 若干名
(2) 人文・社会科学系の大学教員 若干名
(3) 組換えDNA実験安全主任者
(4) その他学長が必要と認めた者
2 前項第1号,第2号及び第4号の委員の任期は,2年とし,再任を妨げない。ただし,補欠の委員の任期は,前任者の残任期間とする。
3 安全委員会に委員長を置き,委員の互選による。
4 委員長は,安全委員会を招集し,その議長となる。
5 委員長に事故があるときは,あらかじめ委員長が指名した委員が,その職務を代行する。
6 前各項に定めるもののほか,安全委員会の運営に関し必要な事項は,安全委員会が別に定める。
(安全主任者)
第6条 実験を行う部局等ごとに,安全主任者を1名以上置かなければならない。
2 安全主任者は,生物災害の発生を防止するための知識及び技術並びに関係法令及びこれらを含む関連の知識及び技術を高度に習熟した者のうちから,当該部局等の長の推薦に基づき,学長が任命する。
3 安全主任者は,次の各号に掲げる業務を行う。
(1) 実験が関係法令及びこの規程に従って適正に遂行されていることを確認すること。
(2) 実験の安全確保及び遺伝子組換え生物等の拡散防止に関し,実験責任者に対し指導助言すること。
(3) その他実験の安全確保に関する必要な事項の処理に当たること。
(実験責任者)
第7条 実験の計画及び実施に当たっては,実験計画ごとに,実験責任者を定めなければならない。
2 実験責任者は,当該実験に従事する者で,生物災害の発生及び遺伝子組換え生物等の拡散を防止するための知識及び技術並びにこれらを含む関連の知識及び技術に習熟した者とする。
3 実験責任者は,安全主任者の指導助言の下に,次の各号に掲げる業務を行う。
(1) 安全主任者との緊密な連絡の下に,実験全体の管理・監督に当たること。
(2) 関係法令に基づく実験の安全実施計画を立てること。
(3) 実験従事者に対する教育訓練を行うこと。
(4) 実験の安全確保の考え方に影響を及ぼす知見が得られた場合又は実験中若しくは輸送中の事故等があった場合は,直ちにその旨を学長,安全委員会及び安全主任者に報告すること。
(5) その他実験の安全確保に関して必要な事項を実施すること。
(実験従事者)
第8条 実験従事者は,実験を計画し,及び実施するに当たっては,安全確保及び遺伝子組換え生物等の拡散防止について十分自覚し,必要な配慮をするとともに,あらかじめ,微生物に係る標準的な実験方法並びに実験に特有な操作方法及び関連する実験方法に精通し,習熟するものとする。
第9条 実験の実施に携わろうとする者は,あらかじめ当該部局等の安全主任者に登録の申請をしなければならない。
2 安全主任者は,前項の登録の申請があった者について,実験従事者として適当と認められる場合は,実験従事者名簿に登録し,その旨当該部局等の長及び安全委員会に通知するものとする。
3 実験従事者として登録された者以外の者は,実験に従事することはできない。
(実験計画の申請,承認等)
第10条 実験は,遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律に定めるところにより,次の各号に掲げるとおり分類する。
(1) 第一種使用等で,第一種使用等規程について主務大臣の承認を必要とする実験(以下「大臣承認実験」という。)
(2) 第二種使用等で,執るべき拡散防止措置について主務大臣の確認を必要とする実験(以下「大臣確認実験」という。)
(3) 前2号に規定する実験以外の実験(以下「機関実験」という。)
2 実験の実施期間は,5年以内とする。
第11条 実験責任者は,主務大臣の承認(大臣承認実験)を必要とする実験計画については,第一種使用規程承認申請書等必要書類を策定し,学長へ提出する。学長は,安全委員会に諮問後,学長名で申請書を主務大臣に提出しなければならない。
2 実験責任者は,主務大臣の確認(大臣確認実験)を必要とする実験計画については,第二種使用等拡散防止措置確認申請書を策定し,学長へ提出する。学長は,安全委員会に諮問後,学長名で申請書を主務大臣に提出しなければならない。
3 実験責任者は,機関実験を実施しようとするとき又は実験計画を変更しようとするときは,あらかじめ当該部局等の安全主任者の同意を得た上で,別表に定めるところにより,当該部局等の長を経て学長に実験計画の承認申請を行わなければならない。
[別表]
4 学長は,前3項の申請があったときは,実験計画の安全性等について安全委員会に諮問し,その審査結果に基づき承認を与えるか否かの決定を行うものとする。
5 実験計画の安全性等の審査基準は,関係法令及びこの規程に定めるところによる。
6 学長は,第4項の決定を行ったときは,速やかに部局等の長を経て安全主任者及び当該実験責任者にその旨通知するものとする。
(遺伝子組換え生物等の譲渡)
第12条 遺伝子組換え生物等を譲渡しようとする者は,譲渡先において明確な使用計画があること及び適切な管理体制が整備されていることを事前に確認するものとする。
2 遺伝子組換え生物等の譲渡を受けようとする実験責任者は,関係法令に定める手続を経るとともに,前条の規定に基づき,それらを用いる実験計画について,あらかじめ必要な手続を経て,譲渡を受けるものとする。
(実験施設・設備の管理及び保存)
第13条 部局等の長は,実験に使用する施設・設備を関係法令に定める拡散防止措置の区分に従って設置し,その管理及び保全に努めなければならない。
2 実験責任者は,安全主任者の指導助言の下に,実験に使用する施設・設備について定期的に,及び必要に応じて随時点検を行い,関係法令に定める拡散防止措置の区分の基準に適合するように維持しなければならない。
(実験施設への出入り)
第14条 実験責任者は,実験施設への関係者以外の者の出入りについて,関係法令に定めるところにより制限又は禁止の措置を講じなければならない。
(実験に係る標識)
第15条 実験責任者は,安全主任者の指導助言の下に,次の表に定めるところにより,実験施設・設備に標識を付さなければならない。
拡散防止措置の区分 | 掲示しなければならない標識 | 掲示場所等 |
P1レベル | 「P1レベル実験中」と表示した標識 | 実験室入口 |
P1Aレベル | 「組換え動物等飼育中」と表示した標識 | 実験室入口 |
P1Pレベル | 「組換え植物等栽培中」と表示した標識 | 実験室入口 |
P2レベル | 「P2レベル実験中」と表示した標識 | 実験室入口 |
P2Aレベル | 「組換え動物等飼育中(P2)」と表示した標識 | 実験室入口 |
P2Pレベル | 「組換え植物等栽培中(P2)」と表示した標識 | 実験室入口 |
P3レベル | 「P3レベル実験中」と表示した標識 | 実験室及び
実験区域入口 |
P3Aレベル | 「組換え動物等飼育中(P3)」と表示した標識 | 実験室及び
実験区域入口 |
P3Pレベル | 「組換え植物等栽培中(P3)」と表示した標識 | 実験室及び
実験区域入口 |
LSCレベル | 「LSCレベル大量培養実験中」と表示した標識 | 培養装置等 |
LS1レベル | 「LS1レベル大量培養実験中」と表示した標識 | 実験区域 |
LS2レベル | 「LS2レベル大量培養実験中」と表示した標識 | 実験室入口 |
動物等使用実験
(特定飼育区画) | 「組換え動物等飼育中」と表示した標識 | 特定飼育区画入口 |
植物等使用実験
(特定網室) | 「組換え植物等栽培中」と表示した標識 | 特定網室入口 |
実験に係る遺伝子組換え生物等を保管する場合 | 「組換え体保管中(P1)」「組換え体保管中(P2)」
「組換え体保管中(P3)」と表示した標識 | 保管する物品等 |
(実験試料の取扱い)
第16条 実験従事者は,実験試料の取扱いに当たっては,実験の開始前及び実験中において,常時,実験に用いられる核酸供与体,宿主,ベクター等が拡散防止措置の区分の条件を満たすものであることを厳重に確認するとともに,その保管,運搬,廃棄等の方法については,拡散防止措置の区分に応じて関係法令に定める実験実施要項を遵守するほか,次の各号に定めるところによる。
(1) 遺伝子組換え生物等を入れた容器は,密栓して外部を消毒した後,所定の保管場所に遺伝子組換え生物等であることを明示して保管すること。
(2) 遺伝子組換え生物等を保管場所から持ち出すときは,関係法令に従い実験責任者の承認を得るとともに,堅固で安全な容器に密封して運搬すること。
(3) 遺伝子組換え生物等により汚染された物質等の廃棄については,実験責任者又はその指示を受けた者は,その廃棄物を廃棄する前に殺菌して行うこと。
2 実験責任者は,遺伝子組換え生物等の保管又は廃棄に当たっては,関係法令に従い帳簿を備えて必要な事項を記録し,保存しなければならない。ただし,P2(A及びP)レベル以下の拡散防止措置を必要とする遺伝子組換え生物等の記録は,実験記録をもって代えることができる。
3 実験責任者は,遺伝子組換え生物等の運搬(輸出入を含む。)に当たっては,関係法令に従い遺伝子組換え生物等の拡散を防止するとともに,送付先に対し必要情報の提供を行わなければならない。
(実験経過の記録等)
第17条 実験責任者は,実験の実施経過等について記録し,保存するとともに,年度末には実験経過報告書を,実験が終了又は中止した場合には,実験終了(中止)報告書をあらかじめ当該部局等の安全主任者の同意を得た上で,当該部局等の長を経て学長に提出しなければならない。
(教育訓練)
第18条 実験責任者は,実験開始前に実験従事者に対し,関係法令及びこの規程を熟知させるとともに,安全主任者の指導助言のもとに,次の各号に掲げる事項について教育訓練を行わなければならない。
(1) 危険度に応じた微生物安全取扱い技術に関する事項
(2) 拡散防止措置に関する知識及び技術に関する事項
(3) 生物学的封じ込めに関する知識及び技術に関する事項
(4) 実施しようとする実験の危険度に関する知識に関する事項
(5) 事故発生の場合の措置に関する知識に関する事項(大量培養実験においては,遺伝子組換え生物等を含む培養液が漏出した場合における化学的処理による殺菌等の措置に特に配慮を払うこと。)
(健康管理)
第19条 実験従事者の所属する部局等の長は,実験従事者に対する健康診断及びその他健康を確保するために必要な措置を講じなければならない。
2 実験従事者の所属する部局等の長は,前項の規定により健康診断を行った場合は,その結果を記録し,実験従事者の離職後5年間保管するものとする。
3 実験従事者は,絶えず自己の健康について注意するとともに,健康に変調をきたした場合又は重症若しくは長期にわたる病気にかかった場合は,所属部局等の長に報告しなければならない。
4 前項の規定は,実験従事者が前項に規定する健康状態にあることを知り得た者の取るべき措置に準用する。
(緊急事態発生時の措置)
第20条 実験責任者は,次の各号に掲げる事態が発生したときは,直ちにその旨を安全主任者を通じて当該部局等の長に通報するとともに,必要な応急措置を講じなければならない。
(1) 実験従事者が遺伝子組換え生物等を誤って飲み込み,又は吸い込んだとき。
(2) 遺伝子組換え生物等が実験施設外に漏出し,又は漏出する恐れがあるとき。
(3) 遺伝子組換え生物等によって実験従事者等や実験施設が汚染され,又は汚染された恐れがあるとき。
2 部局等の長及び安全主任者は,前項の報告を受けたときは,適切な措置を講ずるとともに,速やかにその状況,事後措置等について安全委員会及び学長あてに報告するものとする。
(実験の記録及び保存)
第21条 実験責任者は,第16条第2項及び第17条の規定に定めるもののほか,実験に係る安全確保に関し必要な事項をすべて記録し,保存しなければならない。
(雑則)
第22条 この規程に定めるもののほか,この規程の実施に必要な事項は,安全委員会の議を経て,学長が定める。
附 則
1 この規程は,平成17年3月24日から施行し,平成16年4月1日から適用する。
2 この規程施行の際現に三重大学組換えDNA実験安全管理規則(平成14年7月17日制定。以下「旧規則」という。)第5条第1項第1号から第3号まで及び第7号の委員である者は,この規程の第5条第1項第1号から第3号まで及び第7号の委員とみなし,その任期は,同条第2項の規定にかかわらず,従前の残任期間とする。
3 この規程施行の際現に旧規則第5条第4項の委員長である者は,この規程第5条第3項の委員長とみなす。
附 則(平成17年9月27日規程)
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この規程は,平成17年9月27日から施行し,平成17年4月1日から適用する。
附 則(平成18年5月25日規程)
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1 この規程は,平成18年5月25日から施行し,平成18年4月1日から適用する。
2 この規程の施行前になされた情報提供は,この規程に基づいてなされたものとみなす。
附 則(平成20年4月21日規程)
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この規程は,平成20年4月21日から施行し,平成20年4月1日から適用する。
附 則(平成21年9月30日規程)
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この規程は,平成21年10月1日から施行する。
附 則(平成23年3月24日規程)
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この規程は,平成23年4月1日から施行する。
附 則(平成29年3月30日規程第497号)
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この規程は,平成29年4月1日から施行する。
附 則(令和元年7月1日規程第497号)
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この規程は,令和元年7月1日から施行する。
附 則(令和3年8月16日規程第497号)
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この規程は,令和3年8月16日から施行する。
附 則(令和4年7月7日規程第497号)
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この規程は,令和4年7月7日から施行する。
附 則(令和7年3月26日規程第497号)
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この規程は,令和7年4月1日から施行する。
別表(第11条,第16条,第17条関係)
承認及び確認の申請書類等
使用区分 | 実験区分 | 提出書類及び部数 | 備考 | |||||||||
関係法令の定めるところによる | 第二種使用等拡散防止措置確認申請書(別記様式) | 組換えDNA実験計画について(様式1-1) | 組換えDNA実験計画の変更について(様式1-2) | 組換えDNA実験計画書(様式2) | 組換えDNA実験計画変更申請書(様式3) | 組換えDNA実験経過報告書(様式4) | 組換えDNA実験終了(中止)報告書(様式5) | 遺伝子組換え生物等の譲渡・提供・委託情報提供書(様式6) | ||||
実験の実施 | 第一種使用等 | 大臣承認実験 | ※ | 2 | 2 | ※提出様式・部数は,実験内容による | ||||||
第二種使用等 | 大臣確認実験 | 2 | 2 | 2 | ||||||||
機関実験 | 1 | 1 | ||||||||||
実験計画の変更 | 第一種使用等 | 大臣承認実験 | ※ | 2 | 2 | ※提出様式・部数は,実験内容による | ||||||
第二種使用等 | 大臣確認実験 | 2 | 2 | 2☆ | 2 | ☆変更内容により提出が必要になる場合がある | ||||||
機関実験 | 1 | 1☆ | 1 | |||||||||
実験経過の報告 | 第一種使用等 | 大臣承認実験 | ※ | 2 | ※提出様式・部数は,実験内容による | |||||||
第二種使用等 | 大臣確認実験 | 2 | ||||||||||
機関実験 | 1 | |||||||||||
実験終了(中止)の報告 | 第一種使用等 | 大臣承認実験 | ※ | 2 | ※提出様式・部数は,実験内容による | |||||||
第二種使用等 | 大臣確認実験 | 2 | ||||||||||
機関実験 | 1 | |||||||||||
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