包摂的社会に向けたレジリエントな地域社会基盤の構築に関する研究センター

研究内容

少子高齢化と地域からの人口流出とによって、地域の互助の力が低下していることが指摘されています。一方で、政府の地域共生社会の構想のように、包摂的な社会の構築を目指す上で、ますます地域の互助の機能に関心が集まっています。これを踏まえて本研究は、三重県の諸地域の持続的で包摂的な発展の実現を目指して、地域の互助の機能に影響を与える諸要因とそのメカニズムについて考察します。
この研究センターでは、次の3つの事柄に着目して、地域社会の構造的な変化とそれによる地域の互助の機能への影響について考察を進めていきます。
第一に、地域の互助の機能を担う地域の諸団体や諸活動に対する、地域住民のかかわり方や考え方の変化について考えます。また、そうした住民の考え方や行動の変化の背景となった諸要因について、考察します。
第二に、地域に対する人々の考え方や行動の変化に、地域の経済構造の変化が大きな影響を及ぼしていると考えられるため、この地域経済構造と地域の人々の生活行動との関係について考察します。
最後に第三に、そうした地域の互助機能の変化によって生み出される地域の脆弱性は、地域での孤立や孤独といった社会的排除と呼ばれる問題として現れます。三重県の諸地域で生じている社会的排除問題の社会構造的要因を追求することは、地域の互助機能の特徴を考える糸口となります。
以上の3つの問題関心に対して本研究は、「地域行政・地域政策研究領域」「社会的排除・社会関係資本研究領域」「地域経済研究領域」という3つの研究領域を設定してアプローチを試みます。

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