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三重県紀南地域の小児医療の維持・発展に関する研究

 当教室は平成8年より紀南地域の小児医療・保健に関し、紀南地域母子保健医療推進協議会を通して、サポートを続けています。活動のひとつとして「継続ケア」を実践するために母子手帳を改訂し、その評価を行ってきました。平成20年は小児救急に関する講演会(地域医療学講座准教授足立医師)に出席した母親を対象に、小児救急に関する受診動向についてアンケートを使って調査しました。しかし対象者が昼間に講演会に出席できる比較的恵まれた家庭の保護者であると想像され、共働きや一人親家庭など、平日の昼間に病院受診しにくい人の意見を反映しているとは言い難い。本研究では親子手帳を評価したときと同様に、全世帯にアンケートを配布し、紀南地域の子育てに関わるあらゆる層から意見を聞き、医師不足の紀南地域にあって医療の供給者、受領者の双方に実現可能でかつ、望ましい医療体制像を明らかにすることを目的とします。
 今年度後四半期は、紀南地域で必要とされる周産期・救急・小児医療についての住民がどのように考えているかアンケートを通して調査します。アンケートは三重大学でこれを作成し、紀南母子保健医療推進協議会を通じて配布、回収します。解析は三重大学で行い、その結果は学内報に報告すると同時に、年に一回各市町長も参加する紀南母子保健医療推進協議会代表者会議に報告し、今後の紀南地域の小児医療体制整備に役立ててもらいます。