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30_三重県のセルロースナノファイバー(CNF)事業の活性化支援(継続3年目)

【活動の概要】

1.本活動の背景,必要性,目的

「日本再興戦略」改訂2015(2015年6月30日に閣議決定)に,森林資源活用,林業再生,新産業創生の起爆剤として,セルロースナノファイバー(Cellulose Nano-Fiber: CNF)の研究開発およびマテリアル利用への取組の推進が明記された。政府は,全国でCNF事業を活性化するため,地方拠点の構築を求めている。

三重県は,平成27年度環境省「地域における低炭素なセルロースナノファイバー用途開発FS委託業務」に採択され(採択3件,他は岡山県,静岡県),産学官協同のCNF事業モデル地域として期待されているため,三重大学も積極的に関与することが重要である。とりわけ学内唯一の「紙・パルプ,セルロース繊維,CNF」の研究者である申請者は,三重県のCNF事業の活性化に協力する必要がある。

平成28年度は,本助成を活用して,分かりやすい試作品・ポスター類を製作し,三重県・三重大学のCNF事業を県内,国内にて周知・アピールすべく,数々の産業展やフォーラム等で講演・展示活動等を精力的に行った。また共同実施者の三重県工業研究所が「みえセルロースナノファイバー協議会」の他に,クローズドな「CNF情報交換会」を立ち上げ,申請者が県内有識者として参画することにより,県内企業のシーズ・ニーズを聴き,製品開発の課題や実現性について議論する産官学体制が整った。

平成29年度は,陶磁器製造(四日市・萬古焼など)にCNFを用いることにより,大幅なCO2削減と地域発展を実現する内容で,三重県と共同で2件の大型プロジェクト:(1) 環境省「平成29年度セルロースナノファイバー活用製品の性能評価事業委託業務」(1.7億円で申請),(2) 環境省「平成29年度 CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」(2.2億円で申請)に応募した。双方とも不採択だったが,(1)は書類審査を突破し,ヒアリング審査に進出する成果があり,CNF事業活性化に不可欠な大型競争的資金獲得に向けた「三重県―三重大学連携体制」がいっそう強固になったところである

平成30年度は,引き続き三重県と共同で,三重県内で実現可能なCNF事業の検討を進め,環境省や経済産業省などの大型競争的資金の獲得を目指す。採択の際には,三重大学にも大きな直接・間接経費をもたらす。また県内唯一の専門家として,講演・展示活動を継続するとともに,県内企業に対して専門的知見に基づいたアドバイス,CNFに関する知識,実験技法,分析技術の提供などを通して,三重県のCNF事業の活性化支援を行う。

2.活動する地域と内容

【活動する地域】

  • 三重大学,三重県工業研究所
  • セルロースナノファイバー(CNF)の利用を検討する工業地域
  • 木材の新たな用途を模索する森林山村地域

【内容】
①三重県・三重大学のCNF事業をアピールするために,環境展や学会・シンポウム等で講演・展示活動等を活発化する。

②申請者が有する木材,セルロース繊維,CNFに関する専門的知識,技術に基づいて,県内企業に対する技術的アドバイス,技術相談に対応する。

③ナノセルロースフォーラム等への参加を通して,CNF関係の最新情報収集に努め,三重県工業研究所,三重大学間で,随時ミーティングを開催する。

④三重県内のCNF研究技術シーズを探索し,三重県で実現可能かつ効果のあるCNF事業を検討し,大型競争的資金を獲得する。

3.期待される活動成果等

 ―講演・展示活動を通じた三重県・三重大学CNF事業の政府等へのアピール
 ―知識技術等提供,コンサルティングによる三重県内事業者に対する地域貢献
 ―三重県内事業者からのCNF関連シーズの発掘
 ―三重県内のCNF事業ネットワークの構築
 ―大型競争的資金獲得による三重大学,三重県のCNF研究推進

→平成30年度活動状況報告書