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30_津市における「子どもの体力・運動能力向上のための推進活動」と「教員の学びの支援ネットワークの構築」(継続3年目)

【活動の概要】

1.本活動の背景,必要性,目的

津市では,平成32年度以降に全面実施が予定されている次期学習指導要領の改訂を見据え,平成28年度より3年間の集中取組期間を設定し,体系的な「授業改善の仕組みづくり」に取組んでいる。その中の新規事業のひとつとして,幼稚園,小・中学校における体育科教育の指導の充実が掲げている。これは全国体力・運動能力調査(対象は小学校5年生と中学校2年生)における9種目の調査結果を鑑み,日々の保育や体育授業の改善を通して,子どもの体力向上を図ろうとするものである。また,体育科の教科用図書が存在しない幼稚園,小学校教員を中心とした体育科教育の学びを支援する体制は,特に新規採用教員が増加している津市において,喫緊の課題となっている。

そこで本活動では,津市の子どもの体力・運動能力等の現状を把握し,体力の向上を図るため,大学等関係機関と連携・協力をしながら有効な実践及び研修体制の取組について研究を行うとともに,三重大学教育学部保健体育科教育学研究室(応募者,学内活動実施者)と体力向上推進チーム(共同実施者)と津市内の学校園(幼稚園36園,小学校50校,中学校21校,義務教育学校1校)をネットワーク化した教員の学びの支援システムを構築することを目的とする。

2.活動する地域と内容

本事業3年目にあたる本年度は,①『津市版・楽しい運動例』の実践・研修・普及②『学びのこよみ(小学校体育学習)』の実践・研修・普及③『運動遊びのこよみ(幼稚園)』の実践・研修④体力向上プロジェクト研究推進校の指定・支援⑤県立久居高等学校(スポーツ科学コース)と幼稚園・小学校の連携活動の5つの活動に取組む。いずれも,教員の学びと子どもの体育の学び(運動遊び)の連動,幼稚園から中学校までの体育の学び(運動遊び)の連動を企図した活動内容である。

①は幼稚園,小中学校向けの準備運動教材となる冊子と専用DVDを1年半がかりで製作し,市内のすべての幼小中,義務教育学校に配布した。本年度は本教材に基づいた研修会等を通じた普及活動を行う。②は三重大学教育学部保健体育科教育学研究室(応募者)が体育の授業デザインとして開発・作成した4月はじまりの月別卓上カレンダー(小学校低・中・高学年版の3部1セット)である。本年度は新学習指導要領に準拠した教材化の検討を進め,市内すべての小学校への導入を目指す。③は②と同様の幼稚園版の開発と実践に着手する。④は2年目の事業として津市教育委員会が小学校1校を指定し,近隣の幼稚園(保育園含む),小・中学校と連携した体育科を中核とした授業研究とカリキュラム研究に取組む。⑤は昨年度に引き続き本事業で実施した高校生による運動(遊び)指導補助を実施する。

役割分担としては共同実施者(津市教育委員会事務局教育研究支援課・学校教育課)により企画,調整がなされ,津市内の学校園長代表と幼小中学校教員代表,及び久居高等学校スポーツ科学コース教員で体力向上推進チームが組織され事業が進んでいく。具体的な作業は,二つのワーキングチーム(幼稚園・小学校低学年チーム,小学校高学年・中学校チーム)のもとで展開していく。応募者(大学)は,これまでの研究成果を活かし,子どもが運動(遊び)に夢中になり,体力・運動能力が向上していくための教員研修等に携わり,自律的な教員の学びのネットワークの構築の支援を行っていく。

3.期待される活動成果等

本事業は津市長と津市教育委員会がそれぞれの権限を組み合わせ,子どもの未来を考える総合教育会議と連動しており,平成28年度に市長が策定した「教育,学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱」にむけた事業として位置づいているため,津市内すべての学校園が対象となっている。そのため,活動内容に対する実施率は高く見込め,取組の成果や改善点が確実に得られるものと考えられる。

また,幼稚園から高等学校までの教員が参集するシステム(体力向上推進チーム,ワーキングチーム)がすでに立ち上がっており,ボトムアップ的に事業を開発・実践・研修を展開していく事例は県内でも数少ない。なお,本活動の一環として取組んだ『津市版・楽しい運動例』(冊子と専用DVD)は,本推進委員会の教諭たちが発案から製作までを担当し,市独自の運動例の策定は四日市市に続き二例目で,専用DVDの作成は県内初の取組である(中日新聞2018年2月21日掲載)。

→平成30年度活動状況報告書