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28_風力発電を題材とした小中学生のための環境体験学習

【活動の概要】

1.本活動の背景、必要性、目的
 本活動は、当研究室が、1999年度JSPSふれあいサイエンスプログラム「おもしろゼミナール・遊びながら学ぶ風車発電(小中高生向け)」の事業に採択されたことを契機として、以後、地元の小中高校や進学塾あるいは自治体と連携して、当研究室の教員と大学生・大学院生が夏季休暇中に継続的に行っている活動である。また、中部電力にも包括協定の枠組み中で環境学習プログラム開発の一環として参画していただいている。
 本活動は、地元の学校や進学塾の先生方から「生徒達が本物の技術や大学の研究に触れことにより、学習意欲向上のための機会を提供して欲しい」、「大学教員や大学生・大学院生とキャンパス内で直接触れ合うことにより早い時期から大学というものを意識して勉強に対するモチベーションを高めたい」という要望があり、それに応えるために当研究室のシーズである風力発電を題材として、地域貢献として実施している。
 本活動の目的は、風力発電という環境関連技術を通して、小中学生に理科系の体験学習を行うことにある。小中学生が机上で学んだ理数系科目の内容と、大学の研究の間には乖離があり、具体的な事例や体験がないと理解することが難しい。その点では風力発電は目に見えてイメージし易い技術であるために、生徒達が工学研究の内容や環境技術を理解する上で適した題材であると考えている。

2.活動内容
 活動内容としては当研究室のシーズである風力発電を題材として次の内容で実施する。
  1.自然エネルギーに関する模擬授業
  2.風力発電に関する模擬授業
  3.小形風車の仕組みの説明
  4.小形風車の組立体験学習
  5.小形風車を発電して蓄電
  6.人力による発電体験
  7.大学の学食で昼食
  8.蓄電した電力により電動式カキ氷機でカキ氷を試食
 本活動のポイントは、エネルギーの生成から消費までを生徒に理解できるように構成していることである。本活動では小形風車によって実際に電力を発生させ、その得られた電力をカキ氷機によって消費する。中部電力には「1.自然エネルギーに関する模擬授業」および「6.人力による発電体験」を担当してもらい、発電原理や電力消費を平易に生徒達に解説していただく。夏の暑い日の模擬授業やカキ氷を思い出として、風力発電、エネルギー、環境、三重大学を連想してもらえれば、将来を担う生徒達のエネルギー・環境の教育として有意義であると考えている。
 参加者募集について、過去に、参加者が特定の学校に偏ったり、また、受け入れ人数を大幅超過して調整困難に陥った経験がある。そのため、三重県内の比較的広域で少人数ずつ参加者を集めることができる全国学習塾協会の三重県ご担当に協力していただき、参加者を募集する。また、中部電力には必要経費のほとんどを負担してもらうとともに環境学習に関するプログラムを当研究室とともに開発する。

3.期待される活動成果等
 参加する小中学生に、環境学習を通じて、理科系科目へ興味を持ってもらうことを期待している。また、引率で参加する保護者当の幅広い層にエネルギーと環境の重要性や本学での教育・研究内容を理解していただく機会にしてもらうことができると考えている。

→平成28年度活動状況報告書