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「四日市公害訴訟判決50周年シンポジウム」を開催しました!

2022年07月27日

2022年7月23日(土)に、「四日市公害訴訟判決50周年シンポジウム」(主催:三重大学北勢サテライト「SDGs研究会」・都市環境ゼミナール、後援:三重県・三重テレビ放送)を三重大学国際環境教育研究センターにて、対面・オンラインのハイブリッド形式で開催しました。

本シンポジウムは、1972年7月24日の「四日市公害訴訟判決」から50周年の節目となることから、四日市公害の「過去の負の遺産」を「未来の正の資産」にかえるために、産官学民のパートナーシップによって、未来への夢と希望につなげる持続可能な社会・カーボンニュートラル社会に向けた提案・行動を促すことを目的として開催されました。

シンポジウムポスター(和文)シンポジウムポスター(英文)     

第1部の基調講演において、朴 恵淑特命副学長(環境・SDGs)/WHOアジア太平洋環境保健センター(WHOACE)所長による「四日市公害の教訓とWHO報告を活かす持続可能な社会・カーボンニュートラル社会三重創生」が行われました。1つ目の主題は、四日市公害の教訓から学ぶ「四日市学」について、四日市公害の発生メカニズム、人間を含む生態系への影響、四日市公害の克服のための環境政策に関する研究成果及び急激な経済成長に伴う環境問題が懸念されるアジア諸国・新興国との国際環境協力に関するレジームの提案が行われました。2つ目の主題は、「国連持続可能な開発目標(SDGs)」の背景、目標、達成に向けた戦略、特に、SDGsの大命題である「誰一人取り残さない」ために、私たちは何をすべきかについて真剣に考えるよう問いかけました。3つ目の主題は、21世紀最大の環境問題である地球温暖化(気候変動から気候危機へ)防止のための「国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26;グラスゴー気候合意))への参加から得られた、「グローカル環境人材育成」及びカーボンニュートラル社会構築のための産官学民のパートナーシップによる提案が行われました。4つ目の主題は、伊藤正明学長による「三重大学の環境・SDGs方針」の制定、環境・SDGsの教育・研究・社会貢献におけるトップランナーとしての三重大学の取り組みについて説明が行われました。5つ目の主題は、三重大学と三重県との協働による、持続可能な社会・カーボンニュートラル社会三重創生のための取り組み、グローカル環境人材育成のための「ミッションゼロ2050みえ〜脱炭素社会を目指して」を通じた、トップチーム・アクションチーム・若者チ―ムの取り組みについて発表を行いました。

朴先生発表の様子

続いて、WHOアジア太平洋環境保健センター(WHOACE)のYi JinWon氏による「環境と健康」に関する基調講演が行われました。まず、アジア・太平洋地域の37ヵ国を束ねるWHOACEの多様な自然環境と社会環境の背景、環境と健康を守るための役割についての紹介がありました。また、コロナ禍での健康衛生、化学物質の適正処理と2030年のSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた国際環境協力を通じた環境改善に関するモニタリング・ツールに関する発表が行われました。

WHOアジア太平洋環境保健センター(WHOACE)のYi JinWon氏による「環境と健康」に関する基調講演の様子

第2部のパネル討論において、朴 恵淑三重大学特命副学長をモデレーターとして、産官学民からの代表者6名との四日市公害訴訟判決50周年とSDGs・カーボンニュートラル社会・グローカル環境人材育成について意見交換を行いました。

伊藤達雄都市環境ゼミナール会長は、都市環境ゼミナールの発足が1972年であったことから、四日市公害訴訟判決50周年と都市環境ゼミナール発足50周年が重なる意義について語りました。研究成果として「100年後の中部」「アジアの経済発展と環境問題」などの書籍出版の紹介を行い、特に、次世代を担う若者の育成が最も重要であることを強調しました。
西田憲一三重県環境生活部地球温暖化対策課長は、1970年代の三重県の環境対策、特に、四日市公害防止条例による大気汚染物質の総量規制による大気汚染の改善について言及しました。また、1990年代の廃棄物対策、2000年代の地球温暖化対策から2019年の「ミッションゼロ2050みえ〜脱炭素社会を目指して」から進めているカーボンニュートラル社会創生に向けた県民運動の事例として、低炭素家電製品への買い替え活動及び桑名市と志摩市での宅配便の再配達防止活動について発表が行われました。
伊藤精洋氏は、昭和四日市石油(株)における四日市公害の克服のための大気汚染物質の総量規制によって青空が戻ってきた「大気汚染物質削減」の成果、四日市公害の経験を活かした積極的な社員への研修会について発表が行われました。また、四日市公害の被害が甚大だった磯津生まれ、育ちとして、郷土愛の象徴である「鯨船祭り」を自治会と共に20年ぶりに復活させる活動の紹介を行いました。
安部大樹三重大学人文学部特任助教は、バイオマスエネルギーについて研究するだけでなく、四日市公害は、環境と生態系との調和の取れた持続可能な社会創生の原点であることを理解し、行動することが重要であることを強調しました。「今こそ歴史に学ぶ」こととして、歴史の一側面だけ理解しない、未来への選択肢を誤らないようにと謳いました。
陶 鋭意三重大学地域イノベーション学研究科の学生は、中国からの留学生であることから、「四日市公害の教訓を活かした中国の環境政策」について発表を行いました。21世紀に最も経済成長が期待される中国、特に、天津の国家産業団地において、四日市公害の克服のための政府と三重県の環境政策、三重大学の分野横断的環境研究、教育、社会貢献について研究し、中国の環境問題の解決に貢献したいとの決意を述べました。
小西 凌三重大学地域イノベーション学研究科の学生は、三重大学ESD-SDGsクラブ代表、三重県の「ミッションゼロ2050みえ」の「若者チーム」のリーダーとして、四日市公害を過去の環境問題として捉えるのではなく、今を生きる自分事として考え、身近な環境問題への取り組みからスタートすることが重要であることを強調しました。

会場からは、環境カウンセラーの深谷百合子氏から、四日市公害訴訟判決50周年を契機に、これからの10年後、20年後、50年後を見据えた若者の育成、持続可能な社会が三重からスタートできることを期待したいとの発言がありました。

最後に、モデレーターの朴 恵淑特命副学長から、「四日市公害訴訟判決50周年」を契機に、「四日市公害の負の遺産を未来の正の資産」にかえるために、誰一人取り残さない、大変革をもたらす、「持続可能な社会・カーボンニュートラル社会三重創生」の大きなターニング・ポイントとして、オール三重で取り組むことが必要不可欠であると締め括りました。

発表者の様子

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