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木製ストロー「ウッドストロー」が ウッドデザイン賞2018を受賞

2018年10月30日

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三重大学大学院生物資源学研究科・資源循環学専攻・木質分子素材制御学研究室の野中 寛教授と松岡拓磨さん(同博士前期課程在学)が開発した木製ストロー「ウッドストロー」が,ウッドデザイン賞2018(JAPAN WOOD DESIGN AWARD 2018)(ライフスタイルデザイン部門/技術・研究分野)を受賞しました(2018年10月25日)。

ウッドデザイン賞2018: https://www.wooddesign.jp/

環境中に廃棄されたプラスチック製品が,マイクロプラスチック化することにより,生態系に影響がでていると言われています。その象徴的存在として,世界的にプラスチックストローの廃止が打ち出されているのは,ニュースなどで報道されている通りです。

野中教授とザ・パック株式会社 阿部羅研究員は,木材に約50%含まれるセルロースの繊維や粉末に対し,熱可塑性の石油系樹脂ではなく,食品にも使われるセルロース製品(信越化学工業株式会社)を加え,セルロース系素材のみで三次元成形する技術開発を行ってきました(参考資料1,2)。

今回の受賞作品「ウッドストロー」は,木材を切削加工して製作したものではありません。本技術を木粉へと展開し,石油系の樹脂や接着剤は一切使わずに押出成形により作成したものです。ストローのような細く肉薄で中空の製品を成形するための金型は,高精度・微細加工技術を有する地元三重県津市の東海アヅミテクノ株式会社で特注製作しました。

本作品は,木材を用いた新たなモノづくりの可能性,天然系素材による石油プラスチック代替の可能性を示すものであり,今後耐水性の付与などについても,研究を進めていきます。なお本作品の開発については,10月25日に静岡大学で開催された2018年度日本木材学会中部支部大会において,以下の学会発表を行いました。

「押出成形法によるオール木質ストローの開発」
(三重大院生資)〇松岡 拓磨,野中 寛

【参考資料】

1. 「三重大学大学院生物資源学研究科・野中 寛准教授/ザ・パック:パルプや紙粉、CNFから3次元成形体を押出成形。プラスチックの加工性とリサイクル性の両立目指す」,月刊コンバーテック 2017年6月号, Vol. 531, 14-16.

2. 河村海斗, 阿部羅貴嗣, 野中 寛,セルロース誘導体を用いたセルロース繊維の押出成形,紙パ技協誌, 72(3), 315-320 (2018).

【問い合わせ先】
三重大学大学院生物資源学研究科 野中 寛
Email: nonaka(a)bio.mie-u.ac.jp  ※「(a)」を「@」に変えてください。

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