2018年04月04日
3月24日(土)、総合研究棟II 1階 メディアホールにおいて、三重大学シンポジウム「日本囲碁界の過去・現在・未来」を開催し、70名の参加がありました。
最近は、中国と韓国の囲碁界の勃興、人間の能力をはるかに凌駕する囲碁AIの開発、更には遊戯の文化の主流がボード・ゲームから、テレビや携帯端末のゲームになる等、囲碁界を取り巻く環境は大きく変化しています。
そこで、囲碁棋士の高尾紳路九段を特別招待し、その実兄である三重大学教員の高尾善希 准教授の2名を中心に、日本の囲碁文化は、どのような変遷を辿って、今はどのような位置にあり、これからどのようになっていくのかについて、参加者と一緒に考えることを目的として開催されました。
はじめに、駒田美弘学長から、「本日は、先生のすばらしさを知っていただき、また三重大学の囲碁部の実力も見ていただいて楽しんでいただければと思います。」と開会の挨拶がありました。
第1部では、高尾准教授から「本因坊家文書と囲碁史研究」と題して、研究発表が行われました。
本因坊家文書について解説し、本因坊家文書からわかること、囲碁史の展望について話されました。
続いて、高尾九段と三重大学囲碁将棋部の山崎さんによる記念対局が行われ、囲碁将棋部の部員2名とシンポジウムに参加されていた公益財団法人 日本棋院の重野由紀棋士が解説を行いました。
対局を終えて、山崎さんは「届かない壁を感じました。今回は良い勉強をさせていただきました。」と話されました。
続いて、「日本囲碁界と高尾紳路の過去・現在・未来」と題して、高尾九段と駒田学長と高尾准教授による鼎談が行われました。
高尾兄弟の幼少期の写真を見ながら、高尾准教授が高尾家の過去を紹介し、続いて、高尾九段と駒田学長も交えて囲碁に関する話をされました。
高尾准教授は「これから囲碁界のファンを増やしていき、囲碁界の発展について考えていかなければならないと思います。」と今後の目標を話されました。
高尾九段は、「最近では、スマホでゲームをする時代になりつつあるので、囲碁に目を向けてもらい、人と人が向き合って考えていくゲームに触れてもらいたい。」と話されました。
最後に、高尾九段に向けて囲碁将棋部から花束贈呈が行われ、シンポジウムを振り返って、高尾九段は、「対談や高尾家の歴史について話すことは普段はないことなので新鮮でおもしろかったです。今日1日楽しく過ごすことができました。今後は、囲碁の魅力を伝えていけるように頑張っていきます。」と述べられました。
第2部では、高尾九段と駒田学長、参加者の中から選ばれた5名による多面打ちが行われました。多面打ち参加者の方は、悩みながらも楽しんで対局を行っていました。
対局する駒田学長 多面打ちの様子