2018年03月30日
3月25日(日)、三重大学伊勢志摩サテライトの活動拠点として、鳥羽市立海の博物館内に「海女研究センター」を開設し、記者発表とシンポジウムを開催しました。
これまで三重大学では、他大学の研究者をはじめ自治体の職員や博物館の職員等の多くの関係者とともに、「海女」に関する研究活動を展開してきました。
今回の「海女研究センター」の設置は、これらの実績を基盤として、海女振興事業の中核施設である「海の博物館」を活動拠点に位置付けることとしたものです。
記者会見の中で、「海女研究センター」の副センター長 塚本明教授は「海女に関する古い映像、貴重な資料をつくり直し、データベースとして保存していくことが、課題であり、それが研究の大きな1つの柱であると考えております。普及活動として、市民講座や海女に関する講義を開いていく予定です。」と話されました。
その後、三重大学伊勢志摩サテライト第1回シンポジウムを開催しました。このシンポジウムは、本年度より活動を開始した伊勢志摩サテライトについて、三重大学教員から、当地域と連携した教育研究活動の事例を報告し、地域の皆様との相互理解を深めることを目的として開催されました。
はじめに、駒田美弘三重大学長から、「三重大学の研究や活動が地域、世界に発信されていくことによって地域の魅力をたくさんの方に知っていただき、それによって地域の活性化、創生につながればと思っております。今日は皆様にとって有意義なシンポジウムになればと思っておりますのでどうぞよろしくお願いします。」と開会の挨拶がありました。
駒田学長
続いて、三重大学 伊勢志摩サテライト長の鶴岡信治理事は伊勢志摩サテライトについて紹介されました。
紹介の中で、「海女は日本の文化の1つであり、海外と交流することで、世界に情報発信しながら日本の優れた文化を研究していきたいと思っています。」との言葉がありました。
鶴岡理事
その後、三重大学の教員から三重大学の活動について以下の紹介がありました。
「海女さんはすごい!-海女研究の魅力と可能性-」 人文学部 塚本明 教授
「伊勢志摩の地域創生と海洋生物資源研究の果たすべき役割」 生物資源学研究科 吉松隆夫 教授
「小学校における郷土教育の実践」 教育学部 荻原彰 教授
「伊勢志摩国立公園と景観計画 - 景観まちづくりと地域再生 -」 工学研究科 浅野聡 准教授
「地域人材の育成を通した地域創生への取り組み 南伊勢町の事例」 地域イノベーション学研究科 西村訓弘 教授
塚本教授 吉松教授 荻原教授
浅野准教授 西村教授
最後に、人文学部長 安食和宏教授をファシリテーターとして、伊勢志摩サテライトへの要望について、地域の漁業関係者、観光業関係者、教育関係者、三重大学関係者等とともに活発な意見交換が行われました。
今後「海女研究センター」では、「海女」をキーワードに海女漁と海女文化に関わる学術的・学際的な教育研究活動を展開し、伊勢志摩の地域創生に寄与することを目指して取り組んでいきます。