2017年11月28日
11月23日(木)、三重大学講堂(三翠ホール)において、市民公開講座 上手に付き合おう「バイキン」と「クスリ」~知っていますか「薬剤耐性菌」のこと~を開催し、110名の方に参加をいただきました。
「薬剤耐性菌」とは、抗菌薬(抗生物質)への耐性を獲得した細菌のことで、このような細菌には抗生物質が効かない、もしくは効果が低下し、従来の抗生物質での治療が困難になることが問題とされています。WHO(世界保健機関)は、11月13日~11月19日をAMR(薬剤耐性) weekと定め、日本では11月をAMR推進月間と位置づけ啓発活動を行っており、これに関し三重大学医学部附属病院 感染制御部では同公開講座を実施することとなりました。
会場の体験型ブースでは、顕微鏡で細菌を観察したり、蛍光塗料を用いて手洗いがしっかりとできているかを確認したり、正しいマスクの着用方法や咳をするときのエチケット等の○×クイズが用意され、参加者は楽しみながら感染症予防に対する理解を深めました。
(右)体験型ブースをクリアし、全てのスタンプを集めました!!
三重大学医学部附属病院 中村明子 臨床検査技師
演題:バイキンのお話
細菌といっても悪いものばかりではありません。納豆菌や乳酸菌は食品に利用される等、細菌と私たちの間には密接な関係があります。
三重大学医学部附属病院 田辺正樹 医師
演題:感染症・薬のお話
細菌は体の様々な部分で炎症を引き起こします。抗生物質は細菌に対する有効な手段ですが、正しく服用しないと、生き残った細菌が薬剤耐性を獲得し、症状が悪化する恐れがあります。処方された際には医師・薬剤師の指示を守り、症状が治まった後も薬を飲みきることが重要です。
三重大学医学部附属病院 新居晶恵 看護師
演題:感染対策のお話
感染症成立の悪循環を断つためには、くしゃみをする際の注意や、正しいマスクの付け方、手の洗い方等を生活の中で実践することが重要です。
国立国際医療研究センター 具 芳明 医師
演題:知ろう感染症 守ろう抗菌薬~薬と耐性菌の大切な話~
抗生物質は公共の財産です。服用者は正しく抗生物質を使用し、薬剤耐性菌の発生を予防して後世へ抗生物質を残していくことが大切です。
幅広い年代の参加者が、体験型ブースでは楽しく、講演では熱心に学ぶ姿が印象的でした。
三重大学医学部附属病院 感染制御部では、今後も薬剤耐性菌に対する啓発活動を行って参ります。