2016年08月19日
7月2日(土)から10月10日(月)まで、日本科学未来館(東京)において、企画展「The NINJA -忍者ってナンジャ!?-」が開催されています。
映画やアニメなど世界中で愛されている「忍者」ですが、知名度の高さとは逆に、実在した忍者の姿はいまだに謎に満ちています。しかし近年の学術研究により、その姿が明らかになりつつあります。
本企画展は忍者研究を牽引する三重大学が特別協力し展示の監修を行いました。「心・技・体」3つの修行体験と忍術書や忍者道具などの史料を通し"真実の忍者"に迫ります。
7月1日(金)には内覧会が開催され、沢山の報道陣の取材がありました。
写真左より駒田美弘 三重大学長、毛利 衛 日本科学未来館館長、山田雄司 人文学部教授
はじめに日本科学未来館 展示企画開発課の宮原裕美様より「忍者の展示というと歴史に焦点を当てた展示が多かったように思いますが、今回は科学的なアプローチを行った、初めての試みではないかと思います。忍者は当時最先端の科学技術を使いこなし、任務を果たしていました。本展を通して皆様に忍者の知恵を知っていただき、日常で困難に直面した際に強く生き抜くためのヒントにしていただければ嬉しく思います」と挨拶がありました。
そして総合監修を行った三重大学人文学部の山田雄司教授より「三重大学は三重県に位置する大学であり、地域貢献、そして忍者という存在が世界中に広がっており、研究する価値があるものと考え、2012年より研究を行ってきました。これまで国内の他、10カ国以上で講演等を行いましたが、(学術的な研究が進んでいなかったためか)アクロバティックであったり、好戦的であったりと、間違った忍者像が広まっていることを実感しました」と忍者研究の経緯の説明があり、「研究の結果、忍者はなるべく戦わず、情報を主君へ持って帰ることが一番の使命だったことがわかりました。そのため、コミュニケーションで仲良くなり、情報を引き出す方法が忍術書に記載されています」と、研究を通して私たちの想像とは異なる忍者像が浮かび上がってきたことが紹介されました。最後に、「古文書の解読の他、兵糧丸(忍者が任務の際に食べたとされる保存食)のカロリー計算や効能、効率的な身体の使い方等、現代の科学の視点からも忍者を解明しようとした、画期的な展示かと思います。是非、家族でお越しいただき、忍者の持っていた"生きる力"を体験していただければと思います」と、展示の魅力を紹介しました。
その後はハローキティとお笑い芸人のパンサーが応援に駆けつける等、好評のうちに内覧会が終了しました。
7月2日(土)の開催初日には沢山の来場者で賑わいました。
見学を終えたご家族にお話を伺ったところ、お子さんからは「(ひまわりを跳び越えたり、手裏剣を投げるなど)修行ができて楽しかった」と、保護者の方からは「史料の展示が豊富で、大人でも興味の持てる内容だった」と感想をいただきました。
(左)五感を鍛えて襖の奥を探る(右)手裏剣打ちに挑戦
(左)忍び六具。他にも沢山の史料がありました(右)足音を立てずに歩く修行
企画展「The NINJA -忍者ってナンジャ!?-」は10月10日(月)まで開催します。また、10月25日(火)から2017年1月9日(月・祝)の期間は三重県総合博物館(津市)にも巡回します。
是非お越しください!
(参考:外部のページ)以下は企画展「The NINJA -忍者ってナンジャ!?-」の公式サイトです。
http://ninjaten.com