2016年08月19日
8月6日(土)、「みえアカデミックセミナー2016」において、教育学部の山口泰弘教授による講演「藤堂高虎像 異能の武将の肖像」が開催されました。
「みえアカデミックセミナー」は、毎年三重県総合文化センターを会場に、県内14校の高等教育機関の特色を活かしたバラエティ豊かな公開セミナーを開催しています。セミナーは7月9日(土)に始まり、8月7日(日)まで「健康・医療・福祉・歴史・文学・子育て・教育・機械工学」など、各校の特色を活かした様々なテーマで講演が行われました。
山口教授は江戸時代の絵画史が専門分野で、今回は藤堂高虎の肖像画をテーマとした講演が行われました。
"人"として描かれた高虎と"神"として描かれた高虎ついて解説する山口教授
高虎の肖像画には、顔がまったく異なる2つのタイプがあり、それは、遺像(亡くなった後に制作する肖像画)を依頼された狩野派に対して、寿像(生前に制作する肖像画)を手がけた住吉派が秘蔵の紙形(かみがた:肖像画を作成する際に用いる顔だけを描いた写生)を渡さなかったことが原因ではないか等、具体例を用いた日本画鑑賞のポイントの解説がありました。
また、研究の進歩により、「源頼朝像」「足利尊氏像」や「武田信玄像」としてよく知られている肖像画のように、描かれた人物が別人であったことが判明する事例について、「描かれた時代の風俗や常識を把握することがカギ」等の解説に場内は沸き、参加者は日本画研究の魅力へ引き込まれました。
参加者の方から熱心な質問がありました
高虎はかつての津藩(現在の三重県津市)の初代藩主ということもあり、会場は184名の参加者で賑わい、講演は好評のうちに終了しました。
来年の「みえアカデミックセミナー2017(仮)」もご期待ください!